日産シルビアが復活!?ということでシルビアについて振り返ってみる

スポーツカー・スペシャルティカ―の代名詞だった日産シルビア

若者の車離れが叫ばれ始めて随分の時間が経ちますが、そう言えば最近の若い子たちが車にこだわっているイメージはありません。

車社会の地方都市で働いていると、一人一台は当たり前になるわけなんですが、20~30歳ぐらいの若い子達がどんな車に乗っているか考えてみても、よくて5ナンバーのコンパクトカー、あとは大体軽自動車というのがデフォルトのような気がします。

一昔前だと、車に金をかけてなんぼのヤンキー(死語?)諸君たちは日産のセドリックやグロリア、もしくはトヨタのクラウンやセルシオをいわゆるVIP仕様(フルスモークにして床スレスレのシャコタン、マフラーはバズーカのようなものに換装)にして、街中を”ブェーブェー”と闊歩していたものですが、今はそんな若者も少なくなったような気がします。

「シャコタンブギ」から「頭文字(イニシャル)D」など車マンガが大ヒットしていた90年代に青春時代を過ごしていた僕からすると、信じられないほどの時代の変化に感じてしまいますが、当時はスポーツカー・スペシャルティ―カー、VIPカー(前述のセドグロなど)以外の車はオヤジ車として若者の間では少しバカにされていた時代でした。

そんな”自分の個性を出すツール=車”だった時代に大ヒットした車が日産自動車から発売されていたシルビア(S13およびPS13:シルビアとしては五代目)だったのですが、当時は新車でも200万円前後という手軽さや、コンパクトで取り回しの効きやすいボディや洗練されたデザインなどにより、爆発的に売れた車でした。

スポーツタイプの車は月に300~400台、よくて1,000台売れたらいいという時代に一つのモデルだけで累計30万台の売り上げを記録したことを考えると、いかにシルビアが若者から支持されていたかが分かるでしょう。

ただ後にスポーツカーという認識が強くなるシルビアですが、発売当初はお洒落なデート車、それこそスペシャルティカーとしての色合いのほうが強かったというのが実情となります。

さてそのシルビアなんですが、2002年を最後に最終モデルとなるS15型の生産が終了してから16年たった今、復活するという噂がネットを中心として色々なところで流れています。

そこで今回はそのシルビアのニューモデルについて少し触れてみることにしました。

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実はこんな僕もシルビア乗りでした

S13型 日産シルビア

(画像引用:Wikipedia「スペシャルティカー」より)

今回シルビアのことを取り上げるのには理由がありまして、実は僕もシルビアに乗っていた時代がありました。

少しだけ車遍歴を語らせてもらうと、90年代初頭に免許を買って最初に買った車はトヨタの二代目MR2(SW20 初期型、もちろん中古)だったのですが、そのMR2を4年ほど乗った後に購入したのが、PS13型シルビア(中期型、初期型のS13との違いは内部のライトの形状が丸型から角型に変更されています)でした。

かれこれ8年近く乗っていたので愛着もあり、今回はわざわざ取り上げたわけなんですよね。だからそんなに知らない車ではないんです。

走り屋ご用達の”イチサン”

僕がPS13(シルビア)を買ったころは、すでに後継モデルの”イチヨン”が発売されており、大ヒットドリフトマンガ「頭文字D」がピークを迎えていた頃だった。

販売当初はお洒落なデートカーとして重宝されていたシルビアも、この頃になると市場に出回っている数やパーツが非常に多く存在することもあり、一般の方だけではなく”走り屋”の人たちに非常に好まれた車でした。

当時はマンガの影響なんかもあって(P)S13型シルビアなんかは”イチサン”、AE86型のスプリンターやトレノは”ハチロク”と呼ばれていた(今でも僕ら世代は型式で呼ぶ人のほうが多いでしょう)のをご存知の方も多いでしょう。

ただ、当時の中古車市場を振り返ると、新車での本体価格がこういったタイプの車にしては比較的安いせいもあり、マフラー替えているのは当たり前、車高も落としているのが多く、逆にノーマル仕様のほうがレアだった記憶はあります。

僕の場合”ただの車好き”だったので、たまたま4年落ちのPS13(と言ってもNAのQ’sなんですけど)が”どノーマル”、走行距離2万5千キロという状態で確か108万円ぐらいで購入したのですが、状態もよく走行距離の少ないシルビアは大変珍しかったですね。

まぁ、”どノーマル”のままだとさすがにカッコ悪いので、ステアリングはmomoのF1仕様?のやつ、シフトノブ(もちろんMT)もメタルの短いやつに換えてさり気ないカスタマイズにとどめていましたが、最初は弄り倒してやろうと思っていたものの

  • マフラー換えてもNAなので意味がない(トルクが落ちるのがイヤ)
  • 手軽に行えるグリル変更(ライトの間にある透明な部分をスカイラインのような横棒が入ったやつに換えるのが流行ってた)をするとエンジンルームに異物が入りそうでイヤ
  • シートをレカロ製や四点式シートベルトに換えると恰好イイけど、車好きであればエンジン音でNAというのがすぐにバレるので、ナンチャッテというのがダサい
  • エアロやシルエイティにする(フロントを180SXの仕様に換える)も同様の理由でダサい
  • 車高を下げるのは乗り味に不満が出てきてからでも遅くないし、MR2の時に低いのには慣れていたので逆にノーマルの車高の高さが新鮮だった。あとエアロを床でガリガリやりたくない(MR2のノーマルですらこすることがあったので)。
  • 最悪ターボは後付けでも出来るし、お金を貯めてスカイライン(32か33もしくはGTR)もしくはRX7(FD)に買い替えようかなと思ってた。

上記の案がそれぞれあったんですが、走りの部分に関してはノーマルのまま8年ぐらい乗っていましたね。このリストを見ると分かるように色々なカスタマイズが簡単にできた車だったわけです。

残念デザインの”イチヨン”

爆発的なヒットを飛ばした”イチサン”(五代目)シルビアですが、このあと2002年に生産中止となるまでに六代目、七代目となるS14型(通称:イチヨン)とS15型(イチゴ―)が生産され販売されました。

ただ累計販売台数が五年間(1988年~1993年)で30万台を誇った五代目に対して、六代目は約8万6千台(1993年~1998年)、七代目が約4万台(1999年~2002年)といった結果に終わったそうで、ついには生産終了となってしまいます。

ここで注目すべきは特に悪名が高く評判が悪かった六代目の”イチヨン”です。

元々5ナンバーで手ごろなサイズ感も愛された理由だった”イチサン”なんですが、”イチヨン”は縦横ともに5㎝づつ大きくなり3ナンバーになった上に、車重も従来の1120㎏から1240㎏まで増えてしまいます。

また致命的だったのが、当時の日産のスポーツタイプの車としては断トツの”ブサイク”ぶりで、”イチヨン”をカッコいいという人は皆無でした。だから発売から二年間であっという間にフロントのライト周りが精悍な感じにマイナーチェンジされてしまいます。

この後期型の”イチヨン”のフロントマスクは中々カッコいいのですが、何を思ったか日産はテールランプなどはそのままで発売してしまい、あまり売り上げの改善にはつながらなかったような気がします。

個人的にはこの”イチヨン”のデザインは全体のフォルムが何となくもっさりしているんですよね。

また、この”イチヨン”の大失敗の原因はやはり”ブサイクさ”にあったことは間違いないのですが、もう一つの原因は車重が120㎏も重くなってしまったことでしょう。

ライトウェイトスポーツを謳っている車が100㎏以上も重くなってしまっては致命的です。

確かこの時代から衝突安全ボディというのが気にされはじめたのが車重が重たくなった原因なのでしょうが、こういったタイプの車を買う人がそこを優先しているはずがないのは明らかだったはずで、良くも悪くも割り切りが足らなかったような気がしますね。

車の格が高くなり過ぎた”イチゴ―”

そして現在最終系として知られるのが七代目のS15こと”イチゴ―”です。

この”イチゴ―は”イチヨン”の大失敗を活かしてか、中々ソリッドでカッコいいデザインで登場します。

この頃は”イチサン”ユーザーがそろそろ車を買い替えたい時期だったので、日産もかなり気合を入れた感じだったのですが、思いのほか売れませんでした。

僕も発表されてすぐに友達と見に行ったのですが、印象としては悪くなかった記憶がありますし、友達ともそんな会話をした記憶があります。

しかしながら、欲しいか?と言われるとそこまでではなかったんですよね。

ハッキリ言ってしまうと、何もかもが想定の範囲内だったわけです。

僕も営業や販売の仕事をしていると分かるのですが、お客さんが物を買う時に重要な要素の一つに”驚きと感動”があります。この”イチゴ―”にはそこまでの驚きがなかったのです。

またもう一つ売れなかった原因がシルビアの上位モデルと言ってもいいスカイラインに近づきすぎた点でしょう。

”イチゴー”は”イチサン”の頃に比べると、車のサイズや車重が増えて、エンジンのパワーアップもしていたのですが、何となるシルビアらしい”軽さ”みたいなものがなくなってきたんですよね。

この”軽さ”は機械的なものだけではなく見た目も含めての”軽さ”なんですが、いい意味での”チャラさ”みたいなものが感じられなくなっており、新車で250万円ぐらい出すぐらいなら、新車のスカイラインや中古のGT-Rなんかも視野に入ってくるので、そういう部分での差別化ができていなかったような気がします。

今のスポーツカーの惨状を考えるといい車だったんですが、当時としてはタイミングが悪かったんでしょうね。

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噂のニューモデルはコレじゃない感満載

さて、最後に16年ぶりに復活が噂のニューモデルですが、ネット上から拾ってきたデザインが下のものです。

新型シルビアの予想イメージ

えーーと、レクサス?(笑)

まだ噂の段階なので何とも言えないところなんですが、今年の東京モーターショーで登場するのが上のデザインと言われています。

だから大きくは間違ってないとは思うんですが、よく見るとレクサスではないにしても、この車を初見でシルビアだと思う人はいませんよね。

シルビアらしさが出ていない

今回は記事が長くなったので、エンジンなどのパワーユニットには触れずにおこうとは思うんですが、デザイン的なことだけ言うとコレじゃないですよね。

まずは大きく広がったフロントグリルですが、最近の外車を意識したのか自己主張が強すぎます。

そして致命的とも思えるのが、歴代シルビアの特徴であった斜め前から見たスリムさがない点。シルビアのデザインの良さといえば、少し胴長に見えるフォルムでありながら、フロントからリアにかけての車体の流れが美しいのが特徴だったんですが、何となくコンパクトスポーツに見せようという狙いが見えますよね。

このあたりはデザイン上のエアロのせいでそう見える部分もあるのでしょうが、若者がドライブを楽しむ車というよりも、ちょっとお金に余裕のあるシングルや会社をリタイアしたシニアに好まれそうな雰囲気を感じます。

となるとBMWあたりのクーペを意識でもしているんでしょうか。

本来この2ℓクラスのスポーツタイプの車だとトヨタの86(スバルBZ-R)と競合していたはずなんですが、そのあたりを考えている層と若干ターゲットが合わないような気すらしますよね。

まとめ

以上、最後は少し急ぎ足でまとめてしまいましたが、どうやら今回復活するシルビアは若者を意識というよりもお金に余裕がある人をターゲットにしている印象があります。

かつては”ちょっとお金を貯めれば買える安価なスポーツカー”がシルビアでしたが、この流れを見ると車メーカーも自動車に対する考え方が昔と違うのかもしれませんね。

個人的には衝突安全ボディや自動ブレーキなどのサポートは要らないので、200万円前後で最低160馬力で車重1050㎏このスペックにこだわって、あとは燃費がアホみたいに悪くなければそれでいいと思うんですがね。まぁ無理でしょうね(笑)。

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