春夏のGⅠシリーズですが残るは今週の日曜日(2017年6月4日)に東京競馬場1600mで行われる第67回安田記念と三週間後(6月21日)に阪神競馬場で行われる宝塚記念のみとなってきましたが、みなさん馬券の調子はいかがでしょうか。
かつての安田記念と言えば短距離専門の馬たちの晴れ舞台でしたが、最近は比較的長距離に対応できそうな馬も参戦するようになり、時代の変化を感じてしまいますね。
さて今回の安田記念、これぞ信頼を置ける実績馬は不在ですが、ルメールに乗っかって三週連続的中を目指すか、古馬の力関係を読み切るのか、血統でぶった切っていくのか、今週も脳をフル稼働させて予想していきたいと思います。
レース展望
昨年のロゴタイプこそスローな展開からの逃げ切りが成功しましたが、基本的には道中息のつく暇のないよどみのない流れになり、スピードとともに直線差し切るだけの決め手が必要となる能力の必要なレースであり、力のある馬が出走すれば取りこぼしも少ないタイプのレースだと思いますが、今回は一番人気がイスラボニータとなりそうなことからも混戦の予感がします。
先週の日本ダービーのように極端なスローペースになることは考えにくいのですが、やはり勝ち馬には直線をしっかりと最後まで伸びきれる決め手が必要でしょうし、かといって一番後ろから行ってまとめて差し切れるほど簡単なレースではないでしょう。
レースに行っての器用さと決め手を持つ馬がどの馬なのか探してみたいと思います。
有力馬の血統診断と評価
イスラボニータ(7枠15番)
父フジキセキ 母の父:Cozzene
前走読売マイルカップ(GⅠ)の勝ち馬でありかつての皐月賞馬です。一番人気が予想されていますが、個人的にはかなり危ないタイプの人気馬だと思います。
まず前走についてはエアスピネルやブラックスピネルに競り勝ちましたが、レースを見る限りもう一度同じメンバーでやって勝てるか?というと位置取り次第でいくらでも着順が変わりそうで疑問が残ります。
よって個人的にはエアスピネル、ブラックスピネルとの力の差はないと見ます。
次に血統面ですが、フジキセキ産駒は芝の重賞レースでは1200mからマイルまでの距離を得意としていますが、どの馬も安定して勝ち星を拾うというよりも一発激走型であり、不安定な面があるので絶対的な信頼を置きにくい部分があります。
フジキセキ産駒の芝のGⅠホース
- キンシャサノキセキ(高松宮記念二回:母の父Pleasant Colony)
- ファイングレン(高松宮記念:母の父Polish Precedent(Danzig系))
- コイウタ(ヴィクトリアマイル:母の父ドクターデヴィアス)
- エイジアンウインズ(ヴィクトリアマイル:母の父Danehill)
- ダノンシャティ(NHKマイル:母の父Mark of Esteen(Shirley Heights系))
- サダムパテック(マイルチャンピオンシップ:母の父エリシオ)
- ストレートガール(ヴィクトリアマイル二回、高松宮記念:母の父タイキシャトル)
上記のGⅠホースのメンツを見ても安定した成績を残している馬が少ないことが共通点としてあり、時折なぞの大敗することが共通点としてあげられます。また母の父Cozzeneについても時折凄い脚を使って大舞台を勝利する血統ですが、同じく気まぐれな部分があります。
つまりはどちらも圧倒的な能力差で勝つというよりも条件がハマって勝つ血統なので軸馬にするにはあまりオススメができません。
おそらく中段からレースを進め、最後は確実に伸びては来るでしょうが、力関係で言えば他の有力馬と大差はないと思われますが、そうなると外枠に入ったことが少しマイナスな気がします。
レッドファルクス(3枠6番)
父:スウェプトオーヴァーボード 母の父:サンデーサイレンス
昨年のスプリンターズステークス(GⅠ)の勝ち馬であり、前走京王杯スプリングカップ(重馬場)を差し切り勝利しているなど、近走の安定ぶりでは頭一つ抜けています。
ただ問題はマイルでのレース経験が二歳時の一回しかないため絶対的な信頼を置きにくいことでしょう。
前走のレース内容を見る限り長くいい脚を使っているため距離は十分持つでしょうが、血統的にパワー型のためスピード決着になったとき若干不安が残る感じがしますし、父スウェプトオーヴァーボードがGⅠでの実績がこの馬以外ないため、底力の要求される東京1600mで通用するか疑問も残ります。
前走が良馬場であれば信用できる軸馬にできたのですが、未知の要素が多い馬ですね。
エアスピネル(4枠8番)
父:キングカメハメハ 母の父:サンデーサイレンス
皐月賞、日本ダービーがそれぞれ4着、菊花賞は3着の実績馬です。掲示板を1度も外していないのは魅力ですが逆に言えば買いにくい馬ですね。特徴としては直線確実に伸びてはきますが、長くいい脚が使えないのか競り合いでの弱さにつながっているような気がします。
血統的には母エアメサイア、祖母エアデジャブーという善戦血統の血を濃く引き継いでいるのでしょうが、同じような配合として”善戦バラ一族が生んだ悲願のGⅠホース”ローズキングダム(父:キングカメハメハ 母の父:サンデーサイレンス)が思い浮かびます。
再び2着や3着の可能性のほうが大きいのですが、ここぞという時にレースセンスで勝ってしまうのがキングカメハメハ産駒にあるので期待してもいいかもしれません。
本線的中を狙うなら二着の相手、多少馬券的に大きなところを狙うなら頭に持ってきても面白いでしょう。キンカメ産駒は調子の良いうちに乗っておくべきだと思います。
ブラックスピネル(6枠11番)
父:タニノギムレット 母の父:アグネスデジタル
昨年の東京新聞杯(GⅢ)の勝ち馬で読売マイラーズカップの4着馬ですが、どちらも完全に展開がハマったという印象を受けるので、額面通りの評価は禁物かと思います。
血統的に距離はピッタリでしょうが、若干母の父がアグネスデジタルということで底力が足らないような気がするので、GⅢまでの馬という気がします。
ただこの馬の魅力は比較的高齢の馬が多い今回のメンバーの中で4歳と若いという点です。上積みの可能性があるという点では面白いかもしれませんが、あくまで穴までですね。
ロゴタイプ(8枠16番)
父:ローエングリン 母の父:サンデーサイレンス
皐月賞と昨年の安田記念を制していますがこの馬のお祖母さんであるスターバレリーナと同じように一発激走タイプだと思いますが、血統的にはベストは2000m前後でしょう。
先行タイプですがやはり切れ味不足ですし、今年は同じ作戦は通用しないでしょうし切ります。
アンビシャス(2枠4番)
父:ディープインパクト 母の父:エルコンドルパサー
マイル戦線に参戦してきましたが血統的に少し距離が短いという印象を受けます。母の父エルコンドルパサーはマイルで対応できる血統だと思いますが、母の母の父にRainbowQuestがいるので少し重たく感じるので、やはりベストは2000mから2400mまででしょう。
それを証明する形で好走時にはタイムが遅いことが多く、スピード決着には向いてないと思いますので、今回のマイル戦では置いていかれて後方待機になるでしょう。
ようやくエンジンがかかったところがゴールになるような気がします。
グレーターロンドン(4枠7番)
父:ディープインパクト 母の父:ドクターデヴィアス
重賞実績はありませんが現在7戦6勝の期待馬です。競走馬にとって不治の病と言われる蹄葉炎を患っているそうですが、母は快速馬ロンドンブリッジということで能力的には侮れません。
お母さんはどちらかと言えば行った行ったの単調なレースしかできないタイプでしたが裏を返せば能力はとてつもなく高かったので、母の父ドクターデヴィアスというよりも母の母の父Danzigの色を強く感じさせるタイプでした。
父ディープインパクトで底力もついているでしょうし、出走してくればやはり外せません。血統的にはお母さんの基本的なスピードにディープインパクト産駒の決め手で初重賞で初制覇も不可能ではないかと思います。
母の父ドクターデヴィアスはイギリスのダービー馬でかつて日本での供用が惜しまれたほどの馬でしたが、スタミナも内在していますしかなり面白い天才型の一頭で、あっさり勝つか惨敗のどちらかでしょう。
サトノアラジン(7枠14番)
父:ディープインパクト 母の父:Storm Cat
前走京王杯スプリングカップを9着と大敗、前走7着、前々走5着と見どころがないように見えますが、それぞれ重馬場、海外遠征、勝ち馬の斜行という点で理由がハッキリとあります。
去年の京王杯スプリングカップの勝ち馬ですし前々走マイルチャンピオンシップ(GⅠ)では一番人気だったことを考えると力はあるはずですし、勝ち馬ミッキーアイルの斜行の影響を受けた一頭なので度外視していいでしょう。
同じぐらいの位置にいたイスラボニータと上りタイムは同じですが、斜行の影響がなければこの馬を上回る切れ味を発揮できていたでしょうし、切れ味という点では今回のメンバー中随一だと思います。
決め手のあるところは東京向きだと思いますので、人気を背負ってなければかなり面白い存在になる気がします。母の父Storm Catという点でも一発やってくれそうな予感がします。
ステファノス(8枠18番)
父:ディープインパクト 母の父:クロフネ
他のマイル中心に使われてきた馬とは違い中距離路線からの距離短縮となります。
どちらかと言えばマイル路線で戦ってきた馬達と比べてより強いと思われるキタサンブラック達と走って好走してきたことなどからかなり力はあるはずですので、問題はやはり東京のマイルGⅠにどこまで対応できるかがカギでしょう。
血統的にはディープインパクトは極端な短距離や長距離でなければ十分対応できる血統ですし、母系のクロフネ×Seeking the Goldはマイルでこそ力を発揮できそうな予感もします。
あとは相手との力関係しだいでしょう。東京コースは合う気はします。
トーキングドラム(1枠2番)
父キングカメハメハ 母の父:サンデーサイレンス
前走京王杯6着、前々走高松宮記念6着ですが、7歳になった今年から馬の充実が見えます。二戦とも勝ち馬からそれほど離されていないことから、簡単に消すのも少し危ないような気がします。
血統的にはベストな舞台でしょうが、キングカメハメハ産駒は強いと思われる馬がそのまま勝つというタイプなので、少しスケール感のないこの馬ではつらいのではないのでしょうか。
決め手の面からも勝つまでは難しいでしょう。
ロジチャリス(7枠13番)
父:ダイワメジャー 母の父Rock of Gibraltar
前走ダービー卿チャレンジ(GⅢ)の勝ち馬です。正直なところ決め手不足であり、実績を見ると若干力的に足らないかなという印象を受けるのですが、血統的に合う気がするので完全には切れませんでした。
まぁ、ないとは思いますが三連単の三着候補の穴枠ぐらいですかね(笑)
馬券的に切った馬
ディサイファ(1枠2番)
父:ディープインパクト 母の父:Dubai Millennium
昨年のマイルチャンピオンシップのレースを見ると、10着ですがかなり直線で手ごたえがよさそうな中、斜行の影響を一番影響を受けた感じだったので残念なレースでした。
ただ8歳馬であり、近走9着、10着と見どころがない点や最近鋭い脚を使えてない点などから切ります。
クラレント(5枠10番)
父:ダンスインザダーク 母の父:ダンシングブレーヴ
前走京王杯スプリングカップ(GⅡ)の2着馬ですが、近走の成績などからも馬場に恵まれた(重)印象が強いですし、8歳馬ということで上積みが期待できません。
血統的にもお母さんがエリモピクシー(懐かしい)ということからマイルは完全に短いでしょう(マイル前後のレースばかり走ってましたが個人的には中距離がベストだと思ってました)。
決め手不足という点からも切ります。
サンライズメジャー(2枠3番)
父:ダイワメジャー 母の父:Deputy Minister
前走読売マイラーズカップは今回の有力馬が上位にくるなか5着に逃げ粘ったことや、いかにもこのレースが合いそうな血統で簡単に見限りにくいのですが、8歳ということで上積みがないと考え馬券からは外します。
もししっかりとした有力馬がいればそこからこの馬に流してもいいのですが、今回は軸にする馬が中々見つからないということなので、大穴狙いの方は押さえておいても面白い存在ではあります。
あと二歳ぐらい若ければなんとかなりそうな予感はあるんですが、勝ち負けに絡めるとすれば先行してスローになった場合のみでしょうね。
ただやっぱりツライでしょう。
ロングングダンサー(5枠9番)
父:シンボリクリスエス 母の父:サンデーサイレンス
近走GⅢや平場で大敗をしていることや8歳という年齢を考えると当然買えません。
血統的にもお母さんがあのダンスパートナーということが目を引くぐらいで、距離も完全に短いと思います。
ヤングマンパワー(8枠17番)
父:スニッツェル 母の父:サンデーサイレンス
前走読売マイラーズカップ(GⅡ)3着と好走していますが、前々走の東京新聞杯とともにレース内容から決め手不足や持続力不足という点で有力馬との差が見え、ハッキリ底が見えた印象を受けます。
父はオーストラリアのDenehill系の短距離馬のようですが、母系で底力を補っているもののGⅢまでのマイラーかなという印象です。
末脚勝負になれば間違いなく出番はありませんし、勝ち負けするとすれば先行して粘るという方法しかないと思いますが、それでもマイラーズカップのように3着程度が精いっぱいでしょう。
この馬には先行してもらってある程度のペースを作ってもらうことだけ期待します。
外国馬
香港から二頭が参戦予定ですが全く分かりません。例年の傾向から言って思い切って切るのが賢明かもしれませんが、今回のメンバーもどんぐりの背比べの様相があるので軸を決めて抑えの対象にする手もありますね。
ただ、モレイラが怖いのでコンテントメントは押さえておいてもいいかもしれません。
参考レース
読売マイラーズカップ(GⅡ)2017
勝ち馬を含めて5着までに来た馬は32秒後半から33秒前半の脚を使っていることからそれぞれの1000mの通過タイムは1分を若干切るぐらいになりますので、マイル戦としては少し緩めの流れですね。
安田記念登録組がいずれも上位に来ておりほとんど着差がありません。ヤングマンパワーは展開が向いたと考えられ、逆にブラックスピネルは向かなかったと言えるので、このレースからヤングマンパワー以外の三頭は差がないと判断します。
1着 イスラボニータ 1分32秒2(良)
2着 エアスピネル
3着 ヤングマンパワー
4着 ブラックスピネル
京王杯スプリングカップ(GⅡ)2017
1着:レッドファルクス 1分23秒2(重)
2着:クラレント
6着:トーキングドラム
9着:サトノアラジン
中山記念(GⅡ)2017
3着:ロゴタイプ
4着:アンビシャス
東京新聞杯(GⅢ)2017
マイラーズカップ4着のブラックスピネルが一転して逃げ切っているレースですがタイムは1分34秒4と平凡であり、上りは逃げたブラックスピネルが32秒7(2着の馬に限ってはなんと32秒0)で上がるというとんでもないレースなのであまり参考にならないような気がします。
ただのヨーイドンのレースで日本ダービーと同じ展開ですね。各馬がどの程度のキレ味を発揮できるかのみ判断できます。
1着 ブラックスピネル 1分34秒4(良)
3着 エアスピネル
6着 ヤングマンパワー
マイルチャンピオンシップ(GⅠ)2016
かなりのいわくつきのレースです。勝ち馬ミッキーアイルが早めのペースを逃げ切り、イスラボニータが差して届かずというレースに見えますが、直線の映像を見ると1着馬が外に斜行し、2着馬が内に切れ込むという形で3着馬以降は完全に行き場を失っています。
特にこれから進出していこうとしていたサトノアラジンやダノンシャーク、ディサイファにはゴール手前でブレーキをかけることになり、不完全燃焼だったレースと言えます。
2着:イスラボニータ
5着:サトノアラジン
11着:クラレンント
15着:サンライズメジャー
16着:ヤングマンパワー
安田記念2017最終予想
力関係で言えばまず読売マイラーズカップ組のブラックスピネル、エアスピネル、イスラボニータの差はないと思いますし、昨年のマイルチャンピオンシップなどの結果からサトノアラジンも不利がなければ最低三着はあったと見て差はないと見ます。
よって今回の本命は、決め手が一番あり、有力馬イスラボニータを見ながらレースを出来ることからもサトノアラジンとします。
◎サトノアラジン(14)
〇イスラボニータ(15)
▲ステファノス(18)
△エアスピネル(8)
×レッドファルクス(6)
×ブラックスピネル(11)
注グレーターロンドン(7)
仮想投票
8、14、15、18のBOXで6点
馬連で6-14、11-14、7-14、6-15
各100円 計1,000円です
現在の収支
先週レイデオロが勝った日本ダービーは10点買いで馬連4-12(1,620円)が〇-×で的中し、オークスに引き続き二週連続の的中となりました。
現在GⅠ限定で予想していますが
6戦3的中(投資7,000円 回収5,380円)
回収率76.9%
となっています。
今週で一気にプラス域にもっていきたいところですね。
コメント
[…] 安田記念2017予想 今週も血統や過去レースで的中させます2017年6月3日 at 8:47 AM […]