春のスプリンター決定戦
今回の記事は2018年3月25日(日)に中京競馬場で行われる高松宮記念(GⅠ、芝1200m)の予想記事となります。
かつて僕が競馬を始めた90年代初頭は、中京競馬場で開催されるGⅠレースどころかGⅡレースも少なく、その中で一番格式が高かったのがこのレースだったのですが、当時は夏に行われていたスーパーGⅡといった感じのレースでした。
元々高松宮記念と言えば2000mのレースで、結構有名な馬が勝っていたりしていた名物レースの一つだったんですが、1996年にGⅠ昇格してスプリント戦になってからすでに22年もたっているんですね。
第一回のレースには復活の兆しを見せていたナリタブライアンが出走してかなり話題となった(勝ち馬:フラワーパーク)のもよく覚えていますが、今年はどんなレースを見せてくれるのでしょうか期待が高まります。
高松宮記念とは
毎年3月に中京競馬場で行われるGⅠレースとなります。
現在はGⅠレースとして浸透していますが、GⅠに昇格したのは1996年が最初で、当時は宝塚記念後の夏に2000mの距離で行われていました。
芝1200m左回りの条件で行われ、冬に中山競馬場で行われるスプリンターズステークス(GⅠ)と並んで貴重なスプリントレースとなります。
レースの傾向
ここ五年間の結果だけ見ても、個人的には強い馬が勝つというよりも、早い馬が勝つという印象のほうが強いレースとなりますね。
GⅠ昇格後の勝ち馬を見ても超大物と呼べるまで活躍したのはロードカナロアのみという印象を受けますし、マイラーが出走してきて距離短縮をこなしている感じもなく、スペシャリスト同士の戦いという印象を受けます。
過去五年の一着馬と二着馬
- 2017年:(1着)セイウンコウセイ ー (2着)レッツゴードンキ
- 2016年:(1着)ビッグアーサー ー (2着)ミッキーアイル
- 2015年:(1着)エアロヴェロシティ ー (2着)ハクサンムーン
- 2014年:(1着)コパノリチャード ー (2着)スノードラゴン
- 2013年:(1着)ロードカナロア ー (2着)ドリームバレンチノ
登録馬を見た初見での予想
あくまで登録馬を見ただけの各馬のイメージでの予想は以下のような感じですね。
◎ファインニードル
〇レッドファルクス
▲シャイニングレイ
△レッツゴードンキ
×ブリザード
ファインニードルはセントウルステークスでかなりの素質を感じたので本命。
レッドファルクスに関しては血統上GⅠを三勝もしそうではないので対抗にしているものの決め手はナンバーワンと見ています。
あとは正直横一線かなと感じているもののまだ底を見せていない点でシャイニングレイが単穴で、レッツゴードンキ、ブリザードが地力がありそうということでそれに続くというのが初見での予想ですね。
ネロやダンスディレクターは血統からは消したい馬だし、レーヌミノルやリエノテソーロなど4歳牝馬は早熟な感じもするので厳しそう。
ただやっぱり短いので枠順次第という感じもします。
高松宮記念の登録馬の血統と寸評
※レースは一週間後で枠順なども未確定なため有力馬を優先して徐々に追記、リライトをしていきます。
レッドファルクス
父:スウェプトオーヴァーボード 母の父:サンデーサイレンス
スプリンターズステークス二連覇を飾るなど短距離界では実績を誇りますが、前走はダイアナヘイローの逃げをとらえきれず三着に敗れたように、自分でレースをコントロールできない点が死角となりますね。
決め手はこの距離では間違いなくトップクラスでしょうが、他馬も中々止まる距離がないだけにペースしだいでとらえきれないケースも考えられ絶対の信頼を置くのも危険という感じがします。
血統的にはスウェプトオーヴァーボードは父エンドスウィープが送り出したアメリカのGⅠホースですが超一流からは少し落ちる感じですね。
エンドスウィープ系は日本での相性が非常にいいのですが、産駒はエンドスウィープ産駒のアドマイヤムーンを除いてスプリント戦など極端な距離を得意にしている馬が多く、底力は高いとは言えませんね。
どうしてもGⅠで頭打ちの馬が多いのが特徴なので、GⅠ三勝目を飾れるかというと血統的にも信頼しにくくなります。
レッツゴードンキ
父:キングカメハメハ 母の父:マーベラスサンデー
かつての桜花賞馬ですが、25戦して3勝しかしていないように、どんな条件にも対応するものの、勝ち味に遅いのがどうしても弱点ですね。
血統上はキングカメハメハが意外と短距離重賞よりも中距離で活躍馬を多く送り出している点で、ロードカナロアを除くとそれほど短距離で活躍しているイメージがありません。
母系もどちらかというとスピードに優れたという感じでもないので、昨年の二着馬というのは魅力ですが、6歳という年齢を考えると思い切って切るのも一つの手かもしれません。
ファインニードル
父:アドマイヤムーン 母の父:Mark of Esteem
昨年のセントウルステークスがかなりいい内容だったので、スプリンターズステークスで僕が注目していた馬の一頭なんですが、本番は謎と言ってもいい凡走ぶりでした。
その後しっかりとシルクロードステークスに勝利しているのでやっぱり力はあるんでしょうが、アドマイヤムーン産駒がどうしてもGⅠになると頭打ちになる馬が多いので底力という面で心配です。母系ももう少し現代的な軽さが欲しい感じはします。
セントウルステークスでかなり力がある馬だと感じたのと先行力もあるので、本命を打ちたい馬なんですが、理想を言えば少し時計がかかる馬場のほうが信頼できそうな感じはします。
セイウンコウセイ
父:アドマイヤムーン 母の父:Capote
昨年の勝ち馬ですが、秋以降は勝ち馬に大きく離されているわけではないものの、いいところがりませんでした。
前走シルクロードステークスは逃げ粘ってファインニードルの二着でしたが、実際のところこのあたりが本来の実力ではないかという印象を受けます。
血統的には1200馬量産マシーンアドマイヤムーンですが、底力は高くなく、あくまで自己条件でしっかり勝ってクラスが上がると凡走するようなタイプです。
昨年は好調な中での勝利でしたが、今年は少し状態が下がっているだけにそれほど重要視する必要もないという印象を受けます。
ダイアナヘイロー
父:キングヘイロー 母の父:グラスワンダー
昨年夏からの充実で期待されて挑んだ昨年のスプリンターズステークスは惨敗、次走シルクロードステークスも同じようにさっぱりだったのでやはり少し底力不足かと思われましたが、前走は短距離王者レッドファルクスを相手に逃げ切りました。
この馬の場合逃げるだけなのでコンディションと他の先行馬との兼ね合いだけでしょう。
血統は近いところで活躍馬はいないもののさかのぼるとゴールデンサッシュに行き当たりステイゴールドやサッカーボーイの近親ということで侮れません。
父キングヘイロー産駒は自身と同様短距離で激走する馬も多く中々侮れません。
元々レースに行って揉まれ弱いのがリファール系の特徴ですが、身体能力や底力はある血統なので同じくスプリント戦で活躍する馬を多く出しているアドマイヤムーンよりは若干怖さのようなものはありますね。
レーヌミノル
父:ダイワメジャー 母の父:タイキシャトル
昨年の桜花賞馬を8番人気で勝利していますが、その後はその評価が正しかったのか凡走が続いています。特にオークスと秋華賞では勝ち馬から2秒以上の差がついており、距離的な融通性は低い印象がありますね。
父ダイワメジャーの産駒はスピードを活かした先行力が持ち味ですが、どの馬も基本的には持ち前のスピードで押し切るのが特徴と言え、溜めて爆発的な末脚を発揮するタイプではありません。
そういった意味でこの1200mの距離は合っている印象を受けるものそこまでスピードを感じるわけでもないので、難しい印象を受けます。
ダンスディレクター
父:アルデバランⅡ 母の父:サンデーサイレンス
ここまでGⅢやGⅡでは素質を感じさせるレースを見せているもののGⅠでは壁にぶつかっている感のある同馬ですが、結果だけ見ると若干底力不足のように感じます。
ただ血統面に関しては完全に軽視というわけにもいかず、父アルデバランはMr Prospector系の典型的な一流半ではあるものの、祖母の全兄が日本ダービー馬ウイニングチケットということではまった時の一発がありそうで若干怖いところですね。
ただ2着までかなという感じもします。
シャイニングレイ
父:ディープインパクト 母の父:クロフネ
種牡馬リーディングに君臨するディープインパクト産駒ですが、弱点は少ないと言われている中で苦手としているのがスプリント戦です。
ただ、前々走はそのジンクスを打ち破りCBC賞を勝利しました。
ゆっくり行って爆発的な末脚がこの産駒の持ち味ですが、果たしてテンから早くなるスプリント戦、尚かつ前が止まりにくいGⅠ戦でどこまで末脚が通用するかと言ったところでしょう。
ここまでのレースぶりから、前に行こうと思えば行けるでしょうが、そこで踏ん張れるかと言うと血統的には若干微妙な感じはしますね。
やはりベストCBC賞のようなレースではないでしょうか。
ナックビーナス
父:ダイワメジャー 母の父:More Than Ready(Halo系)
ここまで大崩れがないのが魅力ですが、やはり戦ってきた相手が弱いのと、実績的に早い時計を持っていない点が気になります。
血統的には素軽さはありそうなんですが、どうしてもひと踏ん張りに欠けそうな印象もありますね。
ソルヴェイグ
父:ダイワメジャー 母の父:ジャングルポケット
実績的には前述のナックビーナスと似たり寄ったりですが、こちらのダイワメジャー産駒は血統的には少し母系が重たいですね。
伯父が高松宮記念3着のソルジャーズソングなのは魅力ですが、正直頑張ってここまでかなという気もします。
ブリザード
父:Starcraft(Nureyev系) 母の父:Redoute’s Choice(Danehill系)
オーストラリア産の香港馬となりますが、昨年のスプリンターズステークスに参戦し12番人気ながら5着と好走しているなどから不気味さが漂います。
18戦して3勝しかしていないものの、これまで掲示板を外したのが二回のみと安定した成績を誇りますが、GⅠの勝利がなく3着までというレースが多いですね。
父Starcraftはニュージランド産ながら、GⅠを6勝したNureyev系の一流馬で、スピードに優れる系統ですが、ベストはマイル周辺からクラシックディスタンスあたりを得意とするタイプなのであまり忙しいレースは向いていないような印象を受けます。
母系はよく分かりませんね(笑)が、日本向きのスピード血統があるわけでなく、少し時計がかかるほうがいいような感じはします。
キングハート
父:オレハマッテルゼ 母の父:ファルブラヴ
前走オーシャンステークスは10番人気を跳ね返し勝利しましたが、実績はGⅢまでです。
オレハマッテルゼ産駒の中で代表産駒になってしまいましたが、それでもGⅢを一勝しただけです。母系はスプリンター系のファルブラヴですが血統的にも底力には欠けます。
ネロ
父:ヨハネスブルグ 母の父:サンデーサイレンス
4歳時は充実したレース内容でしたが、昨年は一転安定感を欠き、京阪杯(GⅢ、京都、芝1200m)を9番人気で逃げ切ったのみになりました。
血統を見ると伯母は90年代に活躍したニシノフラワーであり、スピードの下地は十分です。
ただ父ヨハネスブルグはどんな牝馬につけてもそこそこ走ってくれるのが魅力ですが、大物感に欠ける早熟な短距離馬を生産するタイプなので底力に欠けます。
贔屓目に見ると高松宮記念そのものが底力というよりもスピードが必要なレースというところでまったく買えないわけではありませんが、父ヨハネスブルグのStorm Cat系は充実期と停滞期がハッキリしているタイプなので、昨年の内容から推せません。
リエノテソーロ
父:Speightstown(Gone West系) 母の父:Langfuhr(Danzig系)
昨年のNHKマイルカップ(GⅠ、東京、芝1600m)で2着に入るなど活躍した同馬ですが、その後は不振が続きます。大崩れまとまではいっていませんが、最近のレースに見どころがありませんね。
父Speightstownは早熟でいまいち底力に欠けるGone West系の中では上位の種牡馬と言えますが、超大物や決め手に優れたタイプを出すわけではありません。
母系も含めてあくまでスピード頼みという配合ですが、近走不振なことから一変は期待しにくいですね。時計はかかったほうがいいタイプでしょう。
スノードラゴン
父:アドマイヤコジーン 母の父:タヤスツヨシ
4年前のスプリンターズステークスを制していますが今年10歳になります。現実的に考えて難しいのは間違いありませんが、前述のリエノテソーロに比べるとまだこちらのほうが血統的な怖さはあります。
母系はタヤスツヨシをはじめとして全くスピードに優れた配合には思えませんが、父系のカロの系統は丈夫さと底力に優れており、終わった馬と見せておいて突然激走することもあり、可能性はゼロではありません。
ただどう頑張っても掲示板までが限界でしょうが、早熟で底力に欠ける血統のダンスディレクターやネロまで広げるのであれば、この馬も三連単の三着枠ぐらいには入れておいても面白いのかもしれません。
ジューヌエコール
父:クロフネ 母の父:アグネスタキオン
ここ三走二けた着順が続きますが、その前の函館スプリントステークスは今回出走予定のセイウンコウセイやキングハートを破り、1分6秒8という好時計で勝利しています。
父クロフネは揉まれ弱いタイプが多く相手どうこうというよりもいかに能力を発揮して自分の走りができるかが重要な種牡馬ですが、近親に活躍馬も多いことや、母の父アグネスタキオンも基本的能力と底力の高い産駒を短い種牡馬生活の中から送り出していることなどからも、血統的には面白い一頭といった感じがします。
パンパンの良馬場、思い切った展開になる、など色々な情景が必要でしょうが、血統的に大穴枠としては気になる一頭です。
このレースがダメでもそのうち穴をあけそうな感じはしますね。
ラインスピリット
父:スウェプトオーヴァーボード 母の父:トニービン
6歳馬ですがここまで重賞勝ちがありません。
母が日本ダービー馬ウイニングチケットの全妹ということで近親に活躍馬も多く、素性の良さはありますが、母系そのものはスプリント戦というよりも2000m以上のゆったり走れる距離に向いている血筋なので、GⅠだとスピード並びに決め手の部分で厳しいという感じがします。
血統的にはマイル以上の距離でこその馬でしょう。
ラインミーティア
父:メイショウボーラー 母の父:オース(Fairy King系)
昨年はアイビスサマーダッシュ(GⅢ、芝1000m)では54秒3という好時計で勝利し、続くセントウルステークスではファインニードルの2着と奮闘しましたが、ここ三戦は二けた着順が続きます。
ここ三戦の凡走も8歳という年齢がなければ目をつむれた所なんですが、1200mという電撃戦ということもあり、どうしても上積みという点で厳しい感じがします。
血統的にはタイキシャトルの子メイショウボーラーが父ということや、母系がスピードに優れた血で固められているということである程度の素軽さは感じますが、少しトレンドの血が少なく底力に欠けるような印象もあり、GⅠという舞台では厳しいでしょうね。
ノボバカラ
父:アドマイヤオーラ 母の父:フレンチデピュティ
ダートではそこそこの実績を誇りますが、芝では2戦2敗といいところがありません。
なぜ出走してきたかも疑うレベルではありますが、血統的にも少し忙し過ぎる距離に感じ、帰る要素がありません。
父アドマイヤオーラは妹にブエナビスタがいる良血馬でしたが、全体的に早熟傾向のある系統なので上積みも難しいのではないのでしょうか。
高松宮記念2018 最終予想
◎ファインニードル(9)
〇レッドファルクス(6)
▲ジューヌエコール(15)
△シャイニングレイ(16)
×レッツゴードンキ(8)
注ダンスディレクター(11)
予想の根拠
正直なところ、力関係だけで言えばファインニードル(9)とレッドファルクス(6)が抜けており、三番手以下は厳しいかなと思います。印の順番はファインニードルのほうが前に行けるということで本命としました。
ただそこは高松宮記念ということで紛れもあると思います。
そう考えた時にこの二頭を差し置いて勝てそうな馬が何かと考えた場合、後ろから行ったのでは難しいということで先行力とスピードで可能性がある馬を考えると、ジューヌエコール(15)が唯一浮上してきました。
現実的には厳しいでしょうが、セイウンコウセイ(1)を破った函館スプリントステークスのようなパンパンの良馬場で時計勝負の行った行ったの展開になれば、唯一の活路がありそうな気がします。
シャイニングレイ(16)に関しては外枠ということと同型のレッドファクスが強力ということであくまで2着まで、レッツゴードンキ(8)に関しては大崩れはないでしょうが、究極の時計勝負、先行力、決め手の部分で特化したものがなく勝ちきるのは難しいのではないのでしょうか。
あと気になったのは最近好調の武豊騎手の乗るダンスディレクター(11)です。これまでほとんどのレースで騎乗してきたダイアナヘイロー(10)ではなく、こちらを選択してきたという点で、ちょっと怖いかなという気もします。
ダイアナヘイローも面白い存在かなとは思っていたんですが、武豊騎手が乗ってこなかったのがマイナスポイントですが、ヒモ穴として手を広げるのであればアリかなという気もしますね。
消す馬
- リエノテソーロ(2)・・・近走不振。血統的に一変はなさそう。
- ノボバカラ(5)・・・芝で2戦2敗。ダートでもそこまでの実績がない。
- レーヌミノル(13)・・・早熟タイプにありがちな時計のかかる馬場でなければ厳しい馬という印象。ただ死んだふりすれば掲示板ぐらいはあるかも。
- ラインミーティア(14)・・・セントウルステークスの2着は不気味も、先行力や8歳ということを考えると厳しい。
- ラインスピリット(18)・・・スピード、決め手、大外で買える要素がない
仮想投票(買い目)
馬連各100円
9から6,8,11,15,16,10
6から8,11,15,16
に流して計10点1000円
コメント
高松宮記念どうなりますかね~
ブログ更新お疲れ様です。
中山の1200だとレッドファルクスは信頼できるんですが、中京だとどうしても怪しい感じがします。
かといって他の馬も弱点が多いので悩みますね。