札幌記念でいよいよ秋の足音が聞こえてくる!
春のGⅠ戦線が終わり夏がくると、有力馬は休養にあて、年明けから怪我などで満足に走れなかった馬や成長の遅かった馬は、ローカルシリーズである函館や札幌、小倉や新潟でその力を発揮し始めます。
いわゆる夏の上り馬が出てくるのが夏競馬の面白いところなんですが、そんな夏もすでに終わりを迎えつつあり、今度はいよいよ秋競馬の足音がしてきました。
その引き金となるのが、今回札幌競馬場で行われる札幌記念(GⅡ)なんですが、春の実力馬と夏に力をつけてきた馬が激突するこのレース、秋に向けての参考になるのか非常に注目のレースです。(画像引用:JRA公式サイト「札幌記念」より)
札幌記念概要
札幌競馬場で夏に伝統的に行われるGⅡのレースであり、芝コース、距離は2000mで行われます。
芝は寒冷地対策のため洋芝が使用されており、通常の芝コースよりスタミナとパワーが必要になるレースとなります。
勝ち馬には古くはメジロパーマーやエアグルーヴなどが名を連ね、近年の勝ち馬にもハーブスターやアーネストリー、アドマイヤムーンなど錚々たるメンバーが並んでおり、GⅡレースとしても非常に格の高いレースとなります。
登録馬寸評および血統診断
アングライフェン
父:ステイゴールド 母の父:パントレセレブル
前回の予想した函館記念(GⅢ)では時計がかかれば面白い存在としたように、血統的にはステイゴールドや母の父パントレセレブルや母の母の父トニービンなどがヨーロッパで活躍した馬(両馬ともに凱旋門賞馬)なので札幌競馬場の洋芝はピッタリだと思います。
ただ巴賞のレースぶり(絶好の差し展開からサトノアレスの2着)やこれまでの成績などから極端に時計や上りが早くなると対応できるタイプではないので、決め手の面では底力に欠けるタイプの印象を受けます。
前走の函館に関しては、注文通り時計がかかる馬場になり、尚且ついい位置にいての4着ということで、好走というよりも絶好の条件下での4着どまりということで、あまり評価できません。
札幌記念ついても時計がかかればという注文が必要でしょう。
ただ福永祐一に乗り替わりということで、逃げるなど、思い切った戦法(脚質転換)を取ってくればまだ5歳ですし、一発はあるかもしれません。
エアスピネル
父:キングカメハメハ 母の父:サンデーサイレンス
安田記念(GⅠ)以来の出走となります。
安田記念は先行馬が2着に入ったロゴタイプ以外潰れ、差し馬有利の絶好の展開でしたが、母系に引き継がれるの善戦血統の血筋が響いてか最後の最後に伸びきれず5着に終わっています。
GⅠ戦線を走ってきていまだ掲示板を外していないというところは評価はできますが、レースぶりは母系の影響を強く受けているように感じます。
そう考えると若干合わなそうな札幌競馬場もこなせそうな印象を受けますが、最後の直線はいつもと同じように一瞬伸びて最後は勝ち馬と脚色が同じになってしまうという形が思い浮かびます。
あとは鞍上がルメールでどこまでプラスに働くかでしょうね。
もちろん馬券からは外せませんが、馬場条件などがピッタリとは言えず、やはり2着か3着までという印象を受けます。
サウンズオブアース
父:ネオユニヴァース 母の父:Dixieland Band
非常に判断の難しい馬になりますし、この馬が予想のポイントになるような気がしますが正直分かりません(笑)
実績はGⅠ2着三回、GⅡを2着四回と抜群の実績を誇っていますが、勝利したのは21戦中2回と何かが足らないのは明らかです。
またレースが2017年3月にドバイで行われたドバイシーマクラシック(GⅠ、7頭中6着)ということで、どこまで仕上がっているのかも分かりません。
血統的にはこれまた難解なネオユニヴァースです。
種牡馬成績の10位ぐらいを常にキープしており、GⅠホースもヴィクトワールピサを始めとして、ロジユニヴァースやアンライバルド、今回出走を回避したネオリアリズムなど時折勝負強い産駒を送り出しています。
恐らくネオユニヴァースの母の父にはイギリスの名馬Krisが入っているのでパワーがあるタイプですが、ネオユニヴァース産駒の傾向として好走時と凡走時の差が激しいのが予想を難しくさせています。
産駒特徴は強烈な末脚を持っているわけではなく、ここぞという時に好意差しをしてくるタイプが多いので、ネオユニヴァースの最大の特徴であったと言われる頭の良さ(レースセンスの良さ)を引き継いでいる産駒がこの馬も含めて上級馬の特徴と言えるかもしれません。
サウンドオブアース自体は母の父がDixieland Bandということで少し軽い(底力やスタミナに欠ける)という印象を受けますが、競争成績などを見ても極端な長距離はあまり得意ではないのかもしれませんね。
こういった馬は来たら来たでやっぱり、来なければ来ないでやっぱりとなりそうで、当日の状態がポイントになるでしょうね。
ただ予想段階では休み明け+前走海外というマイナス要素が大きいものの、一発のあるネオユニヴァースなので外せません。
ただ、不振に陥るのが早い傾向があるので、過信は禁物でしょうね。
サクラアンプルール
父:キングカメハメハ 母の父:サンデーサイレンス
今年に入って中山記念で2着に入って、6歳ながら本格化か?と思いましたが、前々走の大阪記念(GⅠ)の13着はしかたないにしても、函館記念は見せ場なく9着に終わりました。
恐らくそこまでの器ではないような気がします。
血統的にはキングカメハメハ×サンデーサイレンス×ノーザンテーストでエアスピネルと非常に血統構成が似ていますし、キンカメ産駒らしくレースセンスの良さで勝負するタイプですが、今回は完全にエアスピネルの劣化版という印象を受けるので、切ります。
キングカメハメハ産駒に激走はまずないと見ていいでしょう。
サングラス
父:スタチューオブリバティ 母の父:ダンスインザダーク
この馬知りませんでしたが、まず血統表を見て思った第一印象はスピードが若干なさそうなんでダートのほうがいい血統なのかなと思いましたが、やっぱりダートで勝ち上がってきた馬でした。
すこしバランスが悪そうな血統ですし、ここはやはり敷居が高く難しいでしょう。
タマモベストプレイ
父:フジキセキ 母の父:ノーザンテースト
前走の函館記念は13番人気なら激走して2着に食い込むなど波乱の片棒を担ぐ形になった同馬です。
すでに7歳ということや血統的に一世代前の印象なので全く軽視していましたが、よく見ると祖母ダイナホットはあのサッカーボーイの母ダイナサッシュの妹(つまりはステイゴールドの近親)で洋芝で激走する要素が入っていたことに後から気づきました。
あと大敗しているレースは極端な長距離やGⅠレースなどで、それらをフィルタリングすると中々この馬の戦績は舐めたらダメでした。
さて今回のレースですが、これまた微妙なところです。
何と言ってもフジキセキの産駒傾向も昔からイマイチつかみづらいところがあったんですが、今回のメンバーもヤマカツエース以外は若干弱点の見られるメンバーが揃っているので、もしかしたら大穴枠として面白いのかもしれません。
ツクバアズマオー
父:ステイゴールド 母の父:Giant’s Causeway
前走函館記念の予想では、底力不足と見ながらも相対的な力関係から、僕も対抗馬にした一頭ですが、休み明け・重馬場と不利な条件が重なったとは言えかなり情けないレースでした。
実はこの馬はステイゴールド自信と同じように本格化後の秀才タイプ(実力馬)と見たのですが、凡走が続いてどうやら一流馬ではないという判断に至りました。
叩き二走目を見てからと判断してもいいとは思いますが、決め手不足などの点から若干足らないと見ます。
ディサイファ
父:ディープインパクト 母の父:Dubai Millennium
二年前の札幌記念の勝ち馬ですが、すでに8歳馬ということや近走ぱっとしないことから消します。
ディープインパクト産駒の特徴として、レースによって突然鋭い末脚を繰り出してくるというタイプのないですし、力通りに走る点などからも大番狂わせは難しいでしょう。
母の父Dubai Millenniumもシーキングザゴールドの子ということや母の母の父がDanzigで、調子が一旦落ちるとダメなタイプの印象を受けます。
ナリタハリケーン
父:キングカメハメハ 母の父:サンデーサイレンス
お祖母さんが僕もよく知っているあのファビラスラフィンということでなぜか気になる馬ですが、ダートから芝路線へ転向2戦目、函館記念(GⅢ)は馬場状態が悪い中最後方から追い込んで勝ち馬とは0.4秒差の7着でした。
ちなみに1番人気サトノアレスは6着だったわけですが、僕が穴馬として指定してはいましたがソコソコ力のあることはやはり分かりました。
問題はこのメンバー相手にどこまでという感じでしょうが、同レース3頭目のキンカメ×サンデーサイレンスですが母系に関してはエアスピネルに勝るとも劣るとも言えない血統だと思います。
戦績を見るとキングカメハメハ産駒らしからぬ不器用さはあるようですが、こういったタイプがまともにスタートできるとまた違ったレース結果になるかもしれないという、希望はあります。
それが今回なのか?という疑問はありますが、超穴枠としてはまだ面白い馬だと思います。
マイネルミラノ
父:ステイゴールド 母の父:Polish Precedent
勝つか凡走という同馬ですが、戦績だけ見ると脚質的には直線の短いローカルのほうが相性がいいという印象を受けます。
ただ、これという特徴が今までの戦績から見えてこないので判断の難しいところですが、血統的にはステイゴールドらしい勝負所でのスピードをベースに、母系はDanzigをはじめ、Buck passer、Silver Hawk、Storm Birdなど芝・ダートを問わず大物を送り出してきた名種牡馬が並びます。
この馬が一流馬とは言いませんが、一発あってもいいかもしれません。
マウントロブソン
父:ディープインパクト 母の父:Mr. Greeley
前走は福島テレビオープン(OP)を勝利しており、札幌記念の事前投票でも上位人気していますが、個人的には少し人気し過ぎではないかと思います。
おそらく上位人気の理由としてレベルの高いと言われる4歳世代のクラシックで大崩れしていないことと、ディープインパクト産駒というのが原因のような気がします。
勝った福島テレビオープンについてはレース内容をチェックしてみると出走馬がほぼ一段となったのを末脚の差で勝利しています。
ただ全成績をチェックしてみると、ディープインパクトにしてはそれほど鋭い末脚を見せるタイプではなく、相手が弱かっただけという印象を受けました。
血統面を見てみると父ディープインパクトは末脚のしっかりとした大種牡馬なのはご存知の通りで極端な距離でない限り芝なら弱点はないと思います。
ただ、気になったのは母系です。
母の父Mr Greeleyですがその父はGone Westでミスタプロスペクター系ながら上級馬を送り出すタイプではなく日本での実績がありません。
また遡っていくと同様に母の母の父、母の母の母の父まで見ても、あまり底力があるタイプの種牡馬が見当たらず、全体的に軽い印象を受けます。
弱い相手には勝利してGⅠになると勝ち負けできないというのは、まさしく血統どおりなわけで、前走もう少しみどころのある勝ち方をしてくれれば評価はできたものの、人気し過ぎと改めて感じてしまいます。
ただ怖いのが香港の魔術師モレイラが乗っているところでしょう。
ヤマカツエース
父:キングカメハメハ 母の父:グラスワンダー
実績に関してはやはり前走大阪杯(GⅠ)での3着が光りますし、GⅡを3勝しており実績面では一つ抜けています。
近走を一通りチェックしましたが、タイプとしてはキレ味はないものの長くいい末脚を繰り出すタイプで、父キングカメハメハというよりも母の父グラスワンダーに近い印象を受けました。
実際に不安定な同馬の実績を見ても母系が強く出ているような気がします。
恐らく普通に回ってくればこの馬が勝ち負けするのは間違いないとは思いますが、この馬が負けるケースとして考えられるは極端なスローペースになって前残り、もしくは一瞬の切れ味で負けるといったところではないかと思います。
ロードヴァンドール
父:ダイワメジャー 母の父:Storm Cat
大阪杯(GⅠ、14着)以来のレースとなります。
前々走金鯱賞はヤマカツエースの2着に逃げ粘っていますが、レース内容をチェックしてみると平均ペースをギリギリ逃げ残った形になっていますが、ホントあと数十メートルあったら一気に交わされていた内容だったので出来過ぎた結果という印象を受けます。
想像通り大阪杯は全く通用しませんでしたが、一定のスピードを持続するという能力は父ダイワメジャーやその産駒によくあるレースぶりなので、その基本スピードがどこまでのものなのかが重要な気がします。
そう考えてみると時計を持っていない同馬は一流馬になれるとは少し考えにくく、望みは展開だけなような気がします。
札幌記念2017最終予想
◎エアスピネル(13)
〇ヤマカツエース(3)
▲サウンズオブアース(7)
△タマモベストプレイ(6)
×ナリタハリケーン(2)
×マウントロブソン(5)
今回は力的にはエアスピネルとヤマカツエースの力が抜けていると判断しました。
当初は本命(◎)はヤマカツエースにしていたんですが、ヤマカツエースを中心に考えた場合、各馬が不利なく回ってきて一番怖いのが何かと考えると、この馬が末脚の切れ味で唯一負けるのはエアスピネルしかないと判断しました。
また状態の差も4か月空けと不利な面もあり、鞍上もヤマカツエースが池添謙一、エアスピネルが武豊からルメールに変わって新たな持ち味を発揮しくれると考えました。
問題はエアスピネルの”好走グセ”なんですが、ヤマカツエースがGⅡを勝ちまくるのもちょっと出来過ぎなような気がしますし、そろそろエアスピネルも勝つんでない?ということでの本命となりました。
よく考えると今まで走ってきたメンバーを考えると相当メンツが落ちています。
問題は三番手なんですが、サウンズオブアースは実績を買っての消去法です。あとタマモベストプレイ、ナリタハリケーン、マウントロブソンは横並びと見ました。
仮想投票
今回は三連単です
13-3から7、6、2、5と3-13から7、6、2、5
あと2点余ったので13-7-3と13-5-3
を追加の計10点で各100円の計1000円です。
(本当は三連単なんで25点買いぐらいしたかったんですけど、仮想予想なんで10点に抑えました)
現在の収支
これで3戦連続外れたことになり、現在のところ11戦4的中
投資12,000円 回収8,240円
回収率68.7%
正直なところデータがたくさんあるGⅠレースやダートの予想は得意なんですが、GⅢなんかになると知らない馬や激走する馬がいるので相性は最悪です。
ブログ友達の競馬ページも参考にどうぞ
- 梅木官兵衛さんのブログ「梅木官兵衛のブログ」(僕と同じくGⅠ中心の予想となります)
- はしくれさんのブログ「競馬で生活する僕」(毎週予想記事があります)
- ケンヂさんのブログ「脱サラ目指して競馬予想」(毎週予想されていますが、各馬の分析がされていて参考になります)