さあいよいよ今週は春のGⅠ戦線でもクライマックスと言える第84回日本ダービー(東京優駿:東京競馬場2400m:GⅠ)がやってきました。前半戦の最後には人気投票で出走馬の決まる宝塚記念(GⅠ)もありますが、やっぱり春競馬の主役は日本ダービーですよね。今回もオークスに引き続きサクッと的中させましょう!(画像引用:JRA公式サイトより)
今年唯一、三冠馬になる権利のある皐月賞馬アルアインが日本ダービーを連続して制することがきるのか、好走組の二着ペルシアンナイト、三着ダンビュライトの巻き返しはあるのか、それとも昨年から期待されていたレイデオロが本領発揮となるのか注目が集まります。
レース展望
先週のオークス(GⅠ)はソウルスターリングが2分24秒1というレースレコードで勝利したことやトライアルの青葉賞(GⅡ)も2分23秒6という好時計で決まったことからかなりのタイムがでることが予想されます。
恐らく2分23秒から悪くても24秒台で決着することは間違いないでしょうが、例年の傾向からスローペースになることも考えにくく前半の1000mの通過が59秒から60秒、1800mあたりの通過が1分49前後で落ち着かせておいて、残り3ハロンは34秒前後の上り勝負になることでしょう。
こういった流れになった場合先行馬あればかなりのスタミナか実力が必要でしょうし、中段待機の場合は一瞬の脚と自在性、後方待機であれば33秒台のロングスパートができる末脚と勝負根性が必要になってくるでしょう。
勝ち馬はこの条件を満たす馬となります。
出走馬の血統評価と寸評
アルアイン(4枠7番)
父:ディープインパクト 母の父:Essence of Dubai(Seattle Slew系)
5戦4勝の皐月賞馬です。唯一の敗戦はシンザン記念(GⅢ)での6着ですが、レース内容を見ると、直線に入りいざ加速しようとした段階で前の馬に挟まれかなりのブレーキをかけており、重馬場であったことからも逆転は難しく完全に度外視できます。つまり事実上の無敗馬となります。
前走の皐月賞は前目の位置から四コーナーで一旦溜めて1分57秒8というレースレコードで勝利したように、特徴は先行力とそのスピードの持続性となりますが、いかにもこの勝ち方はスピードの持続力に優れたSeattle Slewの系統によく見られるケースであり、ディープインパクトというよりもこちらのほうに近いきがします。
末脚は33秒台を記録したことがないため、ヨーイドンのレースになると少し決め手という点で不安なところがありますが、勝ちに行くとなると皐月賞と同じようにある程度前目の位置から抜け出すという戦法が必要となるでしょう。
こうなるとある程度スローな展開が必要になってくるのですが、同じように先行抜け出しでダービーを勝った馬としてワンアンドオンリー(父ハーツクライ)やメイショウサムソン(父オペラハウス)、キングカメハメハ(父Kingmambo)、サニーブライアン(父サンデーサイレンス)などがいますが、こういった戦法を取るとなるとスタミナが本当に必要となってくるためそれぞれの血統構成を見ると、いかにもアメリカンな(ガンガン先行するタイプ)血統を持った馬が上記の馬の中にいないという点が気になります。
そう考えると、もしかしたらキングカメハメハのような化物タイプという可能性はあるかもしれませんが、本質はかつてのタイキブリザードのような善戦タイプなのかもしれませんね。
相手次第ではありますが、少し軸にはしにくいと思います。ベストは2000m前後のような気がしまし、東京コースならもしかしたらもっと短い距離がいいのかもしれません。
ペルシアンナイト(6枠11番)
父:ハービンジャー 母の血:サンデーサイレンス
皐月賞二着馬で6戦3勝二着二回、三着一回でまだ複勝圏をはずしていませんが、前走は少し出来過ぎた感の印象があります。レース展開も前の馬有利な展開でしたし、四コーナーでコースのロスを抑えられたのポイントだったので、着順ほど評価はできないような気もします。
オークスでは四頭が出走して二着(モズカッチャン)、四着(ディアドラ)にくるなど今旬な種牡馬であるハービンジャー産駒ですが、モズカッチャン(母の父キングカメハメハ)やディアドラ(母の父スペシャルウィーク)のように末脚勝負の馬というよりも、勝負所での器用さが目立つタイプのような気がします。
血統的に2400mはこなせるとは思いますが、レースぶりを見る限り長い直線をしっかりと最後まで伸びるイメージがないので馬券的には切ってもよく、あくまで抑えまでではないでしょうか。
ハービンジャー産駒の傾向はまだはっきりとはしていませんが、ここまで見る限り、仕上がりの早い器用な芝の万能型というタイプという印象を受けます。また、血統的には近親にゴールドアリュールなどダートで活躍馬が多いのも気になります。
ダンビュライト(1枠1番)
父:ルーラーシップ 母の父:サンデーサイレンス
皐月賞三着。6戦1勝二着一回三着三回(皐月賞、弥生賞、きさらぎ賞)
改めて皐月賞を見直してみると分かりますが、四コーナー付近からかなり早めに追い出していますが、勝った馬の集団に並びかけたところで仕掛けを遅らせたアルアイン、ペルシアンナイトに置いていかれていますが、よーく見るとゴール板付近でもう一回詰めていますね。
こういった点から直線の長い東京コースは合いそうな気がしますが、問題は三戦連続三着ということです。父ルーラーシップもそうでしたが肝心なところで勝ちきれないという匂いがしますが、父の無念を息子が晴らすというシナリオがあってもおかしくないような気がします。
血統的にはルーラーシップの父キングカメハメハ産駒より距離適性はあるでしょう。面白い存在かもしれません。掲示板には載ってくるとは思っていましたが、枠順が最内、鞍上も武豊ということで勝つチャンスが上がってきました。
ただ、やっぱり二着(か三着)までかなーという気がしますね(笑)。
クリンチャー(3枠5番)
父:ディープスカイ 母の父:ブライアンズタイム
皐月賞四着。新馬戦を12着と大敗していることや皐月賞を迎える時点では重賞出走経験がなかった(レース前の時点で3戦2勝)ため13番人気でしたが、先行して上位に食い込むことができました。直線入り口では一瞬先頭でしたが見せ場はここまででしたね。
上りタイムを調べてみるとここまで4戦していますが最高でも34.8と少し決め手の部分で劣るということや、4コーナーで同じ位置にいたダンビュライトに競り負けたという点から今回この馬は切ります。
レイデオロ(6枠12番)
父:キングカメハメハ 母の父:シンボリクリスエス
皐月賞五着馬ですが、この馬は他の馬と違い昨年の12月以来の実戦だったという点で負けを割り引く必要があると思いますし、先行馬が有利だった展開の中後方待機馬として唯一掲示板に載ってきたということは評価できると思います。上りもサトノアレス(13着)の33.9に次ぐ34.0を記録した点からも決め手という点では十分でしょう。
鞍上は先週のオークスを制したルメールで、今回のダービーに関しても自信があるようなコメントを出していますので二週連続GⅠ制覇も十分可能だと思います。
血統的にはキングカメハメハ産駒のダービー馬としてドゥラメンテ(母の父サンデーサイレンス)がいますが、末脚が強力な点から共通点はあると思います。
ただちょっと気になるデータが下のデータです
キングカメハメハ産駒の芝のGⅠホースの母の父
- ドゥラメンテ(日本ダービー、皐月賞)・・・サンデーサイレンス
- レッツゴードンキ(桜花賞)・・・マーベラスサンデー
- ラブリーデイ(宝塚記念、天皇賞・秋)・・・ダンスインザダーク
- ロードカナリア(スプリンターズステークス二回、高松宮記念、安田記念)・・・Storm Cat
- アパパネ(牝馬三冠、阪神JF、ヴィクトリアマイル)・・・母の父Salt Lake(Vice Regent系)
- ローズキングダム(ジャパンカップ、朝日杯FS)・・・サンデーサイレンス
レイデオロの母の父がシンボリクリスエスなんでちょっと気になって調べてみたんですが、キングカメハメハ産駒のGⅠホースのほとんどがサンデーサイレンスやその系統種牡馬なんですよね。
もしかしたら本番で母の父のシンボリクリスエスと同じように本番で二着というパターンも少し見えてくるのは気にし過ぎでしょうか。ソエの影響でしばらくレースを使えなかったということからもまだ成長途上で、藤沢厩舎であることからも本番は秋以降という可能性もあります。
またちょっと調べてみたところ、母の父シンボリクリスエスの芝の一流馬が思いのほかいません。良質の牝馬に種付けされているため素質がある馬が多いのでしょうが、もしかしたら底力という面で割引が必要かもしれませんが、血統面から見ると勝ちきるまでには少し危うさの見える馬だという気がします。
スワーヴリチャード(2枠4番)
父:ハーツクライ 母の父:Unbridled’s Song
皐月賞六着。共同通信杯がかなり強い勝ち方だったために僕が皐月賞で本番にしていた馬でしたが、本番は4コーナーから一番人気ファンディーナとともにまくり気味に進出してきたものの、突き抜けることができませんでした。
後ろから来たレイデオロにも先着されているということで、当然評価はあちらのほうが上になりますし、皐月賞を見る限りではダービー向きかというと少し疑問が残ります。
ハーツクライ産駒のダービー馬としてはワンアンドオンリーがいますが、もしかしたら勝ちに行くには同じように先行策をとるしかないような気がします。ちょうど共同通信杯は先行して仕掛けを遅らせる戦法でしたが、この馬が勝つとしたら少し色々な条件(先行してスローになる)が必要な気がします。
確実に最後は伸びてくるとは思うんですが、直線目一杯伸びてくるよりも一瞬抜け出してゴール前で差されそうな予感がするんですよね。
サトノアーサー(3枠6番)
父:ディープインパクト 母の父:Redoute’s Choice
毎日杯は皐月賞馬アルアインの2着でしたが、それ以来の出走となります。毎日杯では断然の1.2倍だった評判馬ですが未知の勢力として期待できるのはもはやこの馬とアドミラブルのみとなりますが、果たして皐月賞組を打ち破ることができるか注目です。
毎日杯は父ディープインパクトを彷彿とさせる末脚で後方から追い込んできましたが、レース内容を見る限り東京2400mは合っているでしょう。
問題は勝負所で動けるかという点になりますが、こればっかりはキャリアが少なく何とも言えません。
ただ、内枠に入れたということはプラスだと思いますので、勝ち負けまで絡んでくるような気がします。アルアイン、ペルシアンナイトと同じく池江厩舎ですが調教師は実力で言えばこの馬が一番強いと言ってるので、のっかってみてもいいかもしれません。
カデナ(7枠13番)
父:ディープインパクト 母の父:French Deputy
弥生賞の勝ち馬も皐月賞は後方から伸びきれず9着。弥生賞の時も指摘しましたが、レースそのものは比較的早くない流れの中、先行したマイスタイル以外は伸びずに、後ろの馬が差す形になっただけなので過大評価は禁物だと思います。
脚質的にもあまり器用そうでないことや、もしかしたら早い時計に対応できないという可能性もあるので今回も切りたいと思いますが、実は血統構成が昨年のダービー馬マカヒキと同じですよね。
他の馬に付け入るスキがあるだけに、ちょっと気になる一頭ではあります。
ダイワキャグニー(7枠15番)
父:キングカメハメハ 母の父:サンデーサイレンス
プリンシパルステークスの勝ち馬。キングカメハメハ×サンデーサイレンスという配合と上位馬との対戦がないので簡単に切れないと思いますが、脚質に先行タイプということや弥生賞の内容が比較的楽なペースで先行しながらあっさり止まってしまったことを考えて、今回は見送りたいと思います。
父キングカメハメハはどちらかというと一発激走型というよりも、有力馬は元々高い素質を見せていた馬が能力で勝つということが多いので、現段階ではそこまでの馬ではないかなと思い、切ることにします。
アドミラブル(8枠18番)
父:ディープインパクト 母の父:シンボリクリスエス
青葉賞の勝ち馬。タイムや血統構成からかなり期待はできるもののやはりトライアル組がそれほど信頼できないのも日本ダービーというレースの特徴なので判断が難しくなります。
ディープインパクト産駒という点や底を見せていないという点で簡単に見切ることはできませんが、大外枠ということや、母の父がシンボリクリスエスということで最高レベルでのレースでは競り負けそうということで、マイナス面も目立ちます。
勝たれたら勝たれたでしょうがないとは思いますが、過去のデータや血統面から見るとダービーを勝ち切るタイプの馬ではないとも言えます。
青葉賞の勝ち馬で人気をして本番に期待されたものの、本番では凡走、数年経ったら代表的な勝ち鞍青葉賞(GⅡ)のみという馬も過去にたくさんいましたので、こうならないとは限りません。
馬券から切った馬
アメリカズカップ(1枠2番)
父マンハッタンカフェ。皐月賞で負けすぎ(18着)。馬体重もデビューからドンドン減ってきていて押せる点がありません。
マイスタイル(2枠4番)
父ハーツクライ。弥生賞は逃げ粘り2着も皐月賞は16着。先行タイプであるものの上がり3ハロンは新馬戦以外では35.0が最高と決め手がなく、また時計のかかる馬場のほうがいいようなタイプだと思います。
トラスト(4枠8番)
父スクリーンヒーロー。皐月賞13着のあと、NHKマイル(GⅠ)にも出走している(8着)のでローテーション的にも厳しいですし、力不足でしょう。ダービーは先行すると思いますが、粘れるほどのスピードやスタミナがあるとは思えません。
マイネルスフェーン(5枠9番)
父ステイゴールド。二歳時にホープフルステークス(GⅡ)を2着と好走しているものの、青葉賞は離された9着(アドミラブルと2.4秒差)と見せ場がありませんでした。差し馬でありながら上り3ハロンも未勝利戦の時に記録した34秒7が最高とまったく変える要素がありません。マイネル軍団なので記念出走でしょう。
ベストアプローチ(5枠10番)
父New Approach(その父はあのガリレオ)。弥生賞の4着馬なんですが皐月賞の時も書いたようにレース内容から弥生賞組の過大評価は禁物だと思います。青葉賞も2着に終わったことから上位馬との勝負づけは済んでいる馬だと判断します。
差し馬ですが上り3ハロンは34.5秒ぐらいが限界ということもあり決め手不足なのも理由です。
ジョーストリクトリ(7枠14番)
父ジョーカプチーノ。ニュージーランドトロフィー(GⅡ)の勝ち馬ですがNHKマイルは12着と大敗しました。ローテーション的には厳しいですし、血統的にスタミナの血はもっているものの、速い時計のレースに対応できないなどマイナス要素が多すぎます。決め手もあるほうではありません。
キョウヘイ(8枠16番)
父:リーチザクラウン 母の父:ダンスインザダーク
シンザン記念(GⅢ)の勝ち馬ですが、前走NHKマイルは勝ち馬から1.4秒差の14着、前々走のアーリントンカップも1.4秒差の7着と、後方待機で見せ場なく敗れていますのでとてもじゃないですが馬券に入れることができません。
ただ血統的には興味深く、父リーチリザクラウンはダービーを2着、その父はスペシャルウィークで母の父ダンスインザダークなので、東京2400mが得意な馬がならんでいることですね。
1600mまでしか使われていませんが、血統的にはダービーのほうが距離といいコースといい向いているんですよね。
さすがに能力不足だと思いますが、とんでもない大穴を狙うなら三連単の三着枠としてこの馬は買えなくはないですね。
ウィンブライト(8枠17番)
父:ステイゴールド 母の父:アドマイヤコジーン
スプリングステークスの勝ち馬で皐月賞8着。スプリングステークスそのものが見どころのなかったレースなのと、さすがにGⅠだあと決め手不足、外枠という面などからマイナス要素が多く消します。時計がかかるような馬場だと面白いのは面白いんですがね。
参考レース
皐月賞2017(GⅠ)
非常に皐月賞らしいレースでしたね。このレースで終いしっかりとのびてきたダンビュライトやレイデオロは評価できますし、高速馬場と言えども伸びそうで伸びなかったスワーヴリチャードは僕の中では若干評価を落としました。
1着 アルアイン
2着 ペルシアンナイト
3着 ダンビュライト
4着 クリンチャー
5着 レイデオロ
6着 スワーヴリチャード
8着 ウィンブライト
9着 カデナ
13着 トラスト
16着 マイスタイル
18着 アメリカズカップ
青葉賞2017(GⅡ)
日本ダービーのトライアルレースですが、やはり相手が軽いのと出走頭数が本番に比べて少ないので額面通りには評価しにくいですね。このレースに毎年だまされますからね。
1着 アドミラブル
2着 ベストアプローチ
日本ダービー2017最終予想
本来ならレイデオロの本命と行きたかったのですが、キングカメハ×シンボリクリスエスということで評価を下げ、東京2400mということからディープ産駒のサトノアーサーの印を逆にあげました。
ダンビュライトはおそらく三着~五着はまちがいないのでしょうが、やっぱり武豊ジョッキーは軽視できないことと、例年よりレベルが低いということで本来なら△といきたかったのですが▲にしました。
アルアインは父ディープインパクトおりも母系の血が出ているような印象を受けるので、東京2400mが合ってないと考え、正直掲示板が精いっぱい(五着か六着あたり)なのではないかと思っているのですが、もしかして左回りになってさらに能力爆発もあるかと思いとどまりました。
スワーヴリチャードに関しては決め手の部分でレイデオロよりは下だと考えた他、アルアインと同じような脚質の印象はあるので、実績やポジション取りの器用さの面などからアルアインより評価は下にしました。
逆に切ろうかと思っていたのですがカデナをやはりディープ産駒が怖いということで入れました。これは各馬がイマイチ信頼できないということからですが、おそらくは馬群に沈むような気がするので保険です。
アドミラブルに関してはデータ上からも二着が精いっぱいなのではないかと予想します。
◎サトノアーサー(6)
〇レイデオロ(12)
▲ダンビュライト(1)
△アルアイン(7)
×スワーヴリチャード(4)
×カデナ(13)
注アドミラブル(18)
仮想投票
基本勝ち馬はサトノアーサーかレイデオロと想定してこの買い目とします。三連単の予想であれば、個人的にはダイワキャグニーとキョウヘイなんかが三着の大穴枠として面白かなとは感じます。
1-6、1-12
6-12、6-7、4-6、6-13、6-18
4-12、7-12、12-13
現在の収支
ここまで
5戦2的中 (投資6,000円 回収3,720円)
回収率62.0%
オークスは五着までほぼ完全的中でした!
お友達予想
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