そう言えば増えてきた白毛馬 その血と現状を調べてみた

”ブチ柄の白毛馬”ブッチーニがデビュー戦圧勝!

一流馬同士が激突する重賞レースは、騎手の駆け引きや枠順、馬場状態など様々な要素が絡みながら紙一重になるので、予想にも力が入り競馬の醍醐味とも言えます。

しかしながら一流馬も最初から一流馬だったわけでなく、彼らにもデビュー戦があり、いくつかのステップレースを経て、大舞台へと駆け上がってきています。

毎週末競馬を楽しむ競馬ファンにとっては、新馬戦などのデビュー戦の内容をチェックしながら、密かに将来のダービー馬を見つけたと勝手に妄想していたりするものなのですが、チェックしていた馬が成り上がっていく様を見るのも一つの楽しみとも言えます。

毎年、どんな若駒が出てくるのかチェックするのもやっぱり面白いものです。

そんな中、先週一頭の馬がデビューし、勝利しました。

名前はブッチーニという三歳馬なのですが、こんなイタリアの女たらしのような名前をしていますが、実は女の子(牝馬)です。

しかも父がキングカメハメハ、天下のノーザンファーム出身という良血馬なので、注目されるのは当然とも言えますが、このブッチーニ、未勝利戦を勝っただけでありながら白毛ということでちょっとしたニュースとなりました。

2019年3月9日 阪神2R 3歳未勝利 ブッチーニ

レースが行われたのは2019年3月9日の阪神競馬場の第2レースに行われた未勝利戦(ダート、1400m)でした。

ブッチーニ自体は初めてのレースということもあり、新馬戦への出走が可能だったのですが、距離や条件、相手関係などを見ながらこのレースを選んだと思われます。

通常一度レースを経験しているほうが有利ということもあり、ブッチーニは単勝8.9倍の五番人気でした。

レース内容は、動画を見ていただければ分かるように、スタートが悪かったものの、ほぼ馬なりで進み、直線では一頭だけ余裕の走りをしています。

どこまで行けるかは現時点では未知数ですが、強いレース内容なので一つ上のクラスぐらいなら楽々通用する、こう見た競馬ファンも多かったでしょう。

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馬の毛色

非常に珍しい白毛

なぜ白毛馬だと話題になるのか?

それはその毛色の希少性にあります。

馬の毛色というものは大きく分けると十種類ぐらい存在するのですが、JRA(中央競馬会)で登録される毛色の種類となると、鹿毛、黒鹿毛、青鹿毛、青毛、芦毛、栗毛、栃栗毛、白毛このあたりがメジャーな毛色になります。

初心者のために分かりやすく言うと、黒ぽいほとんどの馬が鹿毛や黒鹿毛、白い馬や灰色の馬が芦毛、明るい茶色の馬が栗毛なのですが、白い馬の中でも特に真っ白の馬が白毛となり、上に挙げた8つの毛色の中では非常に珍しくなるわけです。

僕が競馬をはじめた90年代なんかは白毛馬の出走はゼロではなかったようなのですが、実際はダービースタリオンなどゲームの中でしか、目にすることがありませんでした。

他の毛色の特徴と活躍した競走馬を挙げておきます。

鹿毛(かげ)

サラブレッドによく見られる毛色で、やや暗めの茶色となります。

広い意味では黒鹿毛や青鹿毛を含めて鹿毛と呼びますが、サラブレッドの血統分類では独立した毛色となります。

サラブレッドの半分近くがこの毛色のようです。

ディープインパクト、キタサンブラック、ウォッカなどがこの毛色になります。

黒鹿毛(くろかげ)

黒鹿毛もよく目にする毛色ですが、鹿毛の馬よりより黒く、暗いこげ茶色になります。

真っ黒な個体もあるため青鹿毛などと区別がしにくいのですが、腹や内また部分が褐色になっているようです。

ナリタブライアン、スペシャルウィーク、ブエナビスタが有名ですね。

青鹿毛(あおかげ)

黒鹿毛に比べてより黒い部分が多いのが青鹿毛ですが、個体によっては黒鹿毛や青毛との見分けは非常に難しいと言われています。

身体の大部分が黒色の毛でおおわれながら、脚の付け根部分や目や鼻のまわりなど、一部分が褐色になっているのが特徴です。

サンデーサイレンスやフジキセキ、マンハッタンカフェがこの毛色ですが、サンデーサイレンスの影響で日本に青鹿毛や青毛が増えたと言われています。

青毛(あおげ)

黒一色の馬が青毛となりますが、青鹿毛との見分け方はやはり目や鼻の部分がポイントのようで背う。

シーザリオ、ヴィルシーナ、ヴィヴロスなどがこの毛色ですが少数派の毛色になり、出現率は1%以下だそうです。

芦毛(あしげ)

成熟期には真っ白な馬体になるのが芦毛ですが、若いうちは黒色、灰色、もしくは最初から白い馬がいるなど、個体差が大きいのが特徴です。

メジロマックイーンやビワハヤヒデ、クロフネ、オグリキャップなど芦毛の大物は目だつので、非常に人気馬が多いですね。

芦毛の遺伝力は強く優性遺伝なので、父親か母親のどちらかが芦毛であれば子供が芦毛となる確率は高くなります。ただ、そこは厳しいサラブレッドの世界、比率的には全体の7%前後のようです。

肌がピンク色の白毛と違い肌は黒色なので、鼻まわりなどは黒色です。

栗毛(くりげ)

鹿毛に比べて明るい黄色に近い毛色をしているのが栗毛となります。

鹿毛との違いは部位による黒ずんだ部分がないことで、馬体はほぼ均等な色をしているのが特徴です。

オルフェーヴルやタイキシャトル、マヤノトップガンなどが栗毛ですが、光によってより見栄えがする馬体であり、神々しく見えますね。どの馬もかなりカッコいいです。

鹿毛の約50%に次いで多いのが栗毛で大体23%前後いるそうです。(三位は黒鹿毛の14%)

たてがみが金色の個体は尾花栗毛とも呼ばれており非常にド派手なのが特徴です。

上あげた馬だとタイキシャトルが尾花栗毛ですが、他にはトウショウファルコなんかが有名ですね。

あと栃栗毛(とちくりげ)もありますが、栗毛より赤みが勝っていたり暗めの色をしているのが特徴となります。

サッカーボーイ、サクラローレルなんかがこの毛色ですが、このあたりは素人だとまったく区別がつかないと思います。

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突然変異が白毛誕生のきっかけ

芦毛やアルピノではない

真っ白い馬と言えば芦毛が一般的ですが、専門的に言うと芦毛と白毛は遺伝的には別物のようです(僕は専門家ではないのでこういう表現にしておきます)。

一般的に芦毛馬の多くは若いうちはねずみ色だったり黒っぽい色をしていることが多いのですが、白毛馬は最初から白毛(斑状の模様はあるものの大部分が白色)のようです。

分かりやすい見分け方として、口まわりなどが黒い部分などがピンク色なのが白毛だと言われています。

また白色の毛色だと、色素を失ったアルビノ種が思い浮かびますが、の特徴である目が特殊な色をしているわけではないようです。

白毛誕生のメカニズム

サラブレッドの世界では非常に珍しい白毛馬ですが、”最初の白毛”は突然変異がきっかけではあるものの、意外や意外、その遺伝力は非常に強く優性遺伝となります。

馬の毛色の中では芦毛も優性遺伝と言われていますが、完全解明されていないものの、白毛馬は芦毛に対しても優性となり、お父さんかお母さんのどちらかが例え突然変異で産まれても白毛であれば50%の確率で白毛の馬が誕生します(メンデルの法則)。

ただ、血のスポーツでもありながら経済スポーツでもあるのが競馬です。

その子供たちが走らなければ血は淘汰されるので、世界中に白毛馬が数えるほどしか存在しないのもこのあたりが原因とも言えるかもしれません。

中央競馬で白毛馬が勝利したのは2007年が最初(ホワイトベッセル)と、比較的最近のことになります。

日本で突然変異的に誕生した白毛のサラブレッドは三頭のみ

サラブレッドは血のスポーツなので、血統管理などは昔から非常に厳重に行われています。

イギリスなんかは18世紀から管理しているぐらいなので物凄い世界なのですが、日本で公式に突然変異(父、母ともに白毛以外の毛色)で誕生したした白毛馬は三頭だと言われています。

それが1979年のハクタイユー、1983年のカミノホワイト、1996年のシラユキヒメとなりますが、これらを詳しく見ていきたいと思います。

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ハクタイユー(1979年生まれ、牡馬)

父ロングエース(黒鹿毛)、母ホマレブル(栗毛)から生れたのハクタイユーとなりますが、日本(中央競馬)で初めて登録された白毛馬のようです。

牡馬なので種牡馬入りしていますが、八頭の子供が誕生してそのうちの五頭が白毛だったようです。

  • ミサワパール(1991年産・牡)
  • ミサワボタン(1993年産・牡)
  • ハクホウクン(1994年産・牡、ミサワパールの全弟)
  • ホワイトワンダー(1996年産・牝、ミサワパールとハクホウクンの全妹)
  • ハクタイヨー(2001年産・牡)

さらにハクホウクンが種牡馬入りして孫世代までその血は繋がっているようなので、現在のところ四世代続いている系統となります。

カミノホワイト(1983年生まれ、牝馬)

父カブラヤオー(黒鹿毛)、母クレナイオーザ(栗毛)から生れたカミノホワイトですがこちらは牝馬となります。

中央で走って1戦0勝、調べてみたところ一頭だけ確認しましたが、なんとこの一頭が前述のミサワボタン(父ハクタイユー)ということで、なんと白毛同士から誕生した奇跡の白毛ということになります。

ただ、このミサワボタンですが中央競馬に所属された記録はあるものの(美穂・成宮きゅう舎)、未出走だったようです。その後は行方不明になっていますね・・・。

シラユキヒメ(1996年生まれ、牝馬)

父サンデーサイレンス(青鹿毛)、母もアメリカ産のウェイブウインド(鹿毛)から産まれたのがシラユキヒメとなり、生産も現在のトップブリーダーであるノーザンファーム(当時としてはあくまで社台ファームの一部門という感じでしたね)となります。

ウェイブウインドの系統から特別活躍した馬が出ていないので、名牝系とは言えないところですが、サンデーサイレンスをつけられているというだけで、そこそこ期待されていた血統ということは予想できます。

このシラユキヒメの子供たちが現在の一大白毛軍団を構成しつつあります。

  • シロクン(2003年産・牡、父ブラックホーク)
  • ホワイトベッセル(2004年産・牡、父クロフネ)
  • ユキチャン2005年産・牝、父クロフネ)
  • シロベエ(2008年産・牡、父クロフネ)
  • マシュマロ(2009年産・牝、父クロフネ)
  • ブラマンジェ(2010年産・牝、父クロフネ)
  • マーブルケーキ(2011年産・牝、父キングカメハメハ)
  • ブチコ(2012年産・牝、父キングカメハメハ)
  • シロニイ(2014年産・牡、父キングカメハメハ)
  • シラユキヒメの2015(2015年産・牡、父キングカメハメハ)
  • ブッチーニ(2016年産・牝、父キングカメハメハ)

シラユキヒメは12頭の子供たちを産んでいるのですが、2007年産のママズディッシュ(父クロフネ)だけが芦毛というだけで、ものすごい白毛率となります。そしてほとんどが一流種牡馬がついており、中々侮れません。

ほとんどが中央でデビューしており、中央の重賞を勝っている馬こそいませんが、三番仔ユキチャンは地方の重賞を荒らしたほどの強い馬であり、兄弟姉妹で計20勝近くをあげるなど勝ち馬率は中々の高さだと言えます。

ブッチーニを含めると白毛の血を受け継ぐ牝馬は六頭いるし、勝ち頭ユキチャンもすでに三頭の白毛馬を産んでいるので、そう遠くない未来に中央の重賞を勝つ馬が出てもおかしくありませんね。

ブッチーニの次走も気になりますが、二つ上のお兄さんのシロニイはすでに中央で四勝とオープンクラスまであと少しなので、この馬たちに注目してみるのも面白いかもしれません。


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