日本馬の凱旋門賞挑戦の歴史を振り返る

日本では秋競馬を迎えていよいよ盛り上がりを迎えてきました。

春先はどちらかと言えばどうしても日本ダービーがメインなので、3歳馬が主役の雰囲気がありますが、秋が来ると古馬との対決が増えるので、現3歳世代の実力差がどのくらいあるかなど、楽しみも多くなりますね。

これから盛り上がりを迎える日本競馬に対して、本場ヨーロッパの競馬のピークは一足早く、今年の10月1日には大一番でもある「凱旋門賞」がフランスで行われるわけですが、今年は日本から昨年の有馬記念と菊花賞を制したサトノダイアモンドが挑戦を予定しています。

そこで今回はこれまでの日本(調教)馬のこれまでの凱旋門賞挑戦の歴史を振り返ってみたいと思います。

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凱旋門賞とは

凱旋門賞(Prix de l’Arc de Triomphe)とはフランスのロンシャン競馬場(2,400m)で行われる世界最高峰のレースの一つであり、アメリカのブリーダーズカップクラシックやUAE(アラブ首長国連邦)のドバイワールドカップと並び競馬関係者の憧れであり、伝統や格式では今も世界で最高とも言えるレースとなります。

かつてはフランスやイギリスのダービー馬が古馬になって活躍するレースでしたが、近年は斤量差などを活かして、3歳牝馬の活躍も目立ちます。

日本調教場の凱旋門賞挑戦の歴史

日本の調教場では1969年のスピードシンボリの挑戦に始まり、現在まで20頭近くが凱旋門賞に挑戦してきましたが、エルコンドルパサーやオルフェーヴルの2着(二回)を最高にいまだに勝ったことがありません。

  • 1969年 スピードシンボリ 着外
  • 1972年 メジロムサシ 18着
  • 1986年 シリウスシンボリ 14着
  • 1999年 エルコンドルパサー 2着
  • 2002年 マンハッタンカフェ 13着
  • 2004年 タップダンスシチー 17着
  • 2006年 ディープインパクト 3着(※レース後に禁止薬物反応があり失格)
  • 2008年 メイショウサムソン 10着
  • 2010年 ナカヤマフェスタ 2着、ヴィクトワールピサ 7着
  • 2011年 ヒルノダムール 10着、ナカヤマフェスタ 11着
  • 2012年 オルフェーヴル 2着
  • 2013年 オルフェーヴル 2着、キズナ 4着
  • 2014年 ハープスター 6着、ジャスタウェイ 8着、ゴールドシップ 14着

いずれもそうそうたる日本のGⅠホースたちが調子の万全な時期にしっかりとした準備をした上で挑戦していますが、勝てそうで勝てません。

1999年のエルコンドルパサーなどは日本(調教)馬として久々の凱旋門賞の挑戦ということで、僕もドキドキしたことはよく覚えていますが、当時は自分の働いていたお店で、有線放送を競馬チャンネル?に変えてリアルタイムで聴いたのをよく覚えています(店長だったので堂々と変えてやりました(笑))。

あとで映像を見た時も、もう一回やれば・・・と悔しかったですね。

やはり日本馬が凱旋門賞制覇に一番近づいたのは2012年のオルフェーヴルに間違いはないと思いますが、当時はだれもが最後の最後までついに日本の馬が凱旋門賞を勝つ日が来たかと思いましたよね。(結果的には交わしたはずの3歳牝馬トレヴが差し返してきた)

翌年もオルフェーヴルは2着に来ますし、本当に強い馬なんだなと実感しました。

また、日本競馬史上最強馬とも言えるディープインパクトの時も前哨戦の結果もよく絶好の気配でしたが、日本のレースで見せていたような圧倒的な差し脚は鳴りを潜めて、なんとか3着という感じでした(後日向こうの厩舎の滞在中に与えた薬が禁止薬物にひかかり失格になりました)。

前哨戦のGⅡあたりのレースだとしっかりと勝ち負けできているんですが、さすがの凱旋門賞といったところでしょうか。

日本調教場の血統的レベルが世界最高に並んだとは言え、まだまだ世界の壁は高いと言えるかもしれませんし、ヨーロッパの競馬関係者も簡単に東の果てからぽっと来た馬たちに勝たせるわけにはいかないと、意地もあるんでしょうね。

日本馬が凱旋門賞制覇のために必要な資質は?

ここからは僕が個人的に感じていることを書いていきたいと思います。

凱旋門賞にフロックはない

まず力関係に関してですが、やはり日本でGⅠを勝てる馬でないと勝つのは無理でしょう。

日本競馬のようにGⅠでも展開がハマって逃げ切ったり、超ハイペースで前が止まって末脚の鋭い馬が大外一気というパターンはレースの性質上難しくなります。

ヨーロッパのレースは日本で言えば超スローペースのラップで進み、ほぼ一段となって残り600mからの決め手勝負になりますので、うっかりペースメーカー役の馬が逃げ切るなんてことはありませんし、騎手たちも超一流なので乱ペースに惑わされるなんてことがありません。

決め手がある馬でなければ勝ち負けできない

これまでの日本馬の出走歴を見れば一目瞭然ですが、先行タイプや差し馬でもジワジワ延びるタイプの馬が大敗しているのがいい例です。

タップダンスシチーやメイショウサムソンなどに関しては脚質や血統的にもしかしたら好走するかな?と僕も注目していたのですが、日本馬どおしである程度の決め手や競り合いでの強さがなければ難しいと言えます。

適性を見せるステイゴールド、決め手を消されるディープインパクト

血統面で言えばオルフェーブル、ナカヤマフェスタが都合三回2着にきているので、ゴールドシップが大敗しているものの、ステイゴールドが血統的には一応適性を見せていることになります。

逆にディープインパクトは自身も含めてキズナ、ハーブスターなどそこそこの成績を収めているものの、勝ち負けまでは行っていません。

個人的な分析ではステイゴールドに含まれるディクタスの血が洋芝などの深い芝によるスタミナの消費を抑えてくれているのではないかと感じているのですが、逆にディープインパクトに関しては、切れすぎる末脚(トップスピードの高さ)がロンシャン競馬場の馬場では発揮できないためイマイチ伸びきれないのではと分析しています。

ディープインパクト産駒の一流馬は最後の3ハロンで1ハロンあたり10秒台のラップを刻める馬が多いのですが、ヨーロッパの重い馬場ではせいぜい12秒台が限界なので、一気に交わすのはどうしても難しいのでしょう。

またディープインパクト産駒に関しては3000m以上のレースで他の距離ほど結果を出せていないだけに、距離適性の面でも若干不安があるのではないかと感じます。

サトノダイアモンド 凱旋門賞の前哨戦フォア賞を惨敗

今週の日曜日(2017年9月10日)に今年の凱旋門賞に出走予定のサトノダイアモンドが凱旋門賞の前哨戦の一つであるフォア賞(GⅡ)に出走しました。

フォア賞と言えばロンシャン競馬場(フランス)2400mという凱旋門賞と同条件で行われるため、日本馬の腕試しレースとして使われそれぞれ結果はのこせているわけですが、今回出走したサトノダイアモンドは6頭中の4着に沈みました。

今回は菊花賞や有馬記念を制していたサトノダイアモンドということもあり、ディープインパクトの中でもスタミナを備えていそうな馬ということで僕も注目していましたが、内容がよくないですね。

僕もこのあたりのレースは勝つのは当たり前で、どういった内容で勝つのかを注目していたのですが、直線までスムーズに進み手ごたえも抜群に見えましたが、残り400mから追い始めるとバタバタとするだけで全く伸びず、終いには手前を変えて苦しそうにしていました。

ヨーロッパ初戦、休み明けという割引は必要でしょうが、果たしてこれが理由なのか、やっぱりディープにロンシャンの2400mは長いのか不安な内容でしたね。

個人的には前者というよりも後者が敗因と見ているのですが、本番ではいい意味で裏切ってもらえることを期待したいと思います。