障害レース出身オジュウチョウサンは第二のメジロパーマーになれるのか?【有馬記念】

有馬記念

アーモンドアイの裏で話題となった”障害王”オジュウチョウサン

年を取ると一年が経つのは想像以上に早く感じるものですが、競馬をやっていると尚更早く感じるのは気のせいでしょうか。

昨年はキタサンブラック(父ブラックタイド)の引退レースとなった有馬記念に一喜一憂したと思ったら、もう今年のレースを迎えることになりました。

2018年を振り返ると、春先は王者キタサンブラックの引退によってどの馬が覇権を握るかに注目が集まりましたが、スワーヴリチャード(父ハーツクライ)の台頭かと思った矢先にアーモンドアイ(父ロードカナロア)というとんでもない化物牝馬が登場し、一気に話題は彼女一色になりました。

古馬戦線ではレイデオロ(父キングカメハメハ)やディアドラ(父ハービンジャー)なども印象的な活躍を見せはしましたが、先日のジャパンカップのアーモンドアイの走りによってまとめて吹き飛ばしてしまったと言ってもいいでしょう。

まさしく2018年の競馬界はアーモンドアイの年だったわけですが、今年の競馬界を別の意味で盛り上げた馬が存在します。

それが今週(2018年12月23日)開催されるの第63回有馬記念(中山競馬場、GⅠ、芝2500m)の人気投票で3位に選出され、出走することになったオジュウチョウサン(父ステイゴールド)という馬です。(画像引用:「JRA」公式サイトより)

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オジュウチョウサンとは

平地では大敗し障害入り

このオジュウチョウサンがなぜ話題になっているかはタイトルにもあるように、この馬が障害レース出身でかなりの成績を残したということもあります。

少しだけこの馬の戦績を紹介すると、この馬は2011年生まれで同期のダービー馬はワンアンドオンリー(父ハーツクライ)となり、世代的にはキタサンブラックの一つ年上になります。

あまり世代的なレベルは高いとは言えない世代でしたが、オジュウチョウサンは新馬未勝利戦を二戦走りますが、いずれも見どころなく大敗します。

二戦とも二桁人気だったことを考えると、まったく期待されていなかったというわけですが、中央競馬でこのように結果を残せなかった場合、進む道は二つに絞られます。

一つ目は地方競馬に移籍する方法であり、もう一つは障害レースに転向するという方法です。

どちらも間違いなくそれまでの相手から弱くなるわけで、ここから結果を残す馬もいるわけですが、この馬の場合は後者を選択しました。

障害レースの初戦こそしんがり負けを喫しますが、きゅう舎の移籍後しばらくしたのちに平地も含めて初勝利をあげます。

すでに四歳にはなっていましたが、結局この年は障害レースで3勝しましたが、重賞レースでは勝つことはできませんでした。

五歳になり本格化、そして重賞九連勝

ここまでは平地でイマイチだった馬が障害に入ってちょっと活躍しただけでしたが、年が明けると馬が変わったように活躍し始めます。

五歳緒戦こそ二着敗れますが、次走の中山グランドジャンプ(J・GⅠ)に勝利し、重賞初勝利とともにGⅠ(J・GⅠ)初勝利をあげ、障害レースではあるものの頂点に立ちます。

凄かったのはこの後からなんですが、なんとこのオジュウチョウサンは翌年(2017年)、翌々年(2018年)まで重賞レースにだけ出走し、すべてに勝利し重賞九連勝(中央競馬の最多重賞連勝記録)します。

特に障害レース最後となった今年の中山グランドジャンプなどは二着に2秒4の大差をつけるほどの凄まじいパフォーマンスだったのですが、このあたりで馬主さんや調教師さんあることに気付き始めます。

あれ、この馬平地でも走るんでね?

(あくまで僕の想像ですw)

ということで平地のレースに復帰します。

下級条件ながら二連勝

障害レースでは石神騎手を背に連勝を重ねてきたオジュウチョウサンですが、二歳時以来の久しぶりの平地レースとなる開成山特別(500万円以下の条件戦:この馬が条件的に出走できる一番下のクラスのレース)では鞍上に武豊騎手を迎えます。

すでに障害レースでは圧倒的とも言える成績を残していたため、平地未勝利ではあるものの、一番人気でレースに挑みますが、この時点ではファンも関係者も半信半疑だったでしょう。当然興味本位や武豊効果もあったと思います。

しかしながらオジュウチョウサンは三馬身差をつけ完勝し、期待に応えます。

そして次戦となったのが先月(2018年11月3日)に出走した南武特別(1000万円以下)だったのですが、このレースではさすがにファンも冷静になってきたのか三番人気に落ち着きますが、高速馬場の東京コースもどこ吹く風で勝利します。

このレースではGⅠを五勝もした名牝アパパネの二番仔ジナンボー(父ディープインパクト)や将来的なオープン入りも期待できるブラックプラチナム(父ステイゴールド)も出走していました。

そこそこの相手を勝利したことにより、関係者は有馬記念への出走をついに名言します。

人気投票で三位に選出される

通常、競馬のレースには希望すれば格上のレースだろうと、どの馬も出走できる権利が一部のレースをのぞきありますが、当然危険防止のためにフルゲート18頭というシステムが存在します。

基本的には獲得賞金順や指定されたレース(トライアルレース)の上位馬に優先出走権が存在するのですが、この有馬記念ともう一つのグランプリレース宝塚記念にのみ別の条件が存在します。

それが人気投票でこのレースに登録された馬のうち十位以内に選出されるというものなんですが、見事この条件を満たすことができたため、平地の重賞では出走できない可能性があるオジュウチョウサンでも出走が可能になったわけです。

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障害レース出身馬がGⅠレースで通用するのか?

これまで障害レース帰りで重賞レースを勝った馬は七頭

普通に考えて障害レース出身の馬だと重賞レースで勝つことすら怪しいイメージがあるかもしれませんが、1984年のグレードレース制定後に障害レース帰りで重賞レースを勝った馬は七頭いるそうです。

三十数年間だと七頭ぐらいはいるだろうというのが正直なところですし、若い競馬ファンもある程度納得のデータでしょうが、僕のようなある程度の年数の競馬をやってきたファンになると思い出される馬が一頭存在します。

それはメジロパーマー(父メジロイーグル)という馬なのですが、この馬はなんとGⅠを二勝しています。しかも有馬記念と宝塚記念の両グランプリレースを同一年に勝利するという派手なことをした馬ですが、アラフォー以上の人になると忘れている人はいないでしょうね。

鞍上は失礼ながら当時地味で芋臭いイメージのある若手騎手だった山田泰誠(やまだたいせい)に父メジロイーグル譲りの逃げ戦法という、どちらかと言えばキワモノ系の馬だったのですが、この年から馬券を買い始めた僕にとっては、非常に印象に残っている馬であり、今でも大好きな馬の一頭でした。

メジロパーマーは障害入り前にすでにGⅡ勝ちの実績馬だった

ただ、このメジロパーマーの例があるので、オジュウチョウサンにもチャンスがあるのかというと状況は少しだけことなります。

それはメジロパーマーが障害入りした時点ですでに札幌記念(当時はGⅢ)を勝っていた実績馬であったという点と、障害レースは二戦しか走らなかった点です。

元々オープンクラスでもある程度は通用していたメジロパーマーは、レースで大敗したことを期に重賞レースに挑戦したわけですが、一説によると障害レースの緩急のあるペースなどが一本調子だった走りに落ち着きをもたらしたとも言われており、内面的な変化に効果的だったと言われています。

また障害レースに出走や障害物を飛び越える練習をすることにより、腰が弱かった馬などがしっかりしてくるケースなども聞いたりしますね。

転倒や落馬の危険性のある障害レースですが、その効果はマイナス面ばかりではないわけです。

身体的、内面的な成長が追いついてきた?

メジロパーマーとは少し状況が異なるので、障害レースによってどんな効果が働いたか不明ですが、僕なりの解釈・分析だと、元々晩成傾向だった馬が普通に成長してきただけというような気がします。

それは血統面を見ると明らかなわけですが、父ステイゴールドと言えば自身や産駒は古馬になって大成長してきた馬がほとんどです。

また大成しない馬も多く存在しますが、その理由は激し過ぎる気性がレースに行っていい方向に向かわないためとも言われており、オジュウチョウサン自身も若い時何か内面的な問題を抱えていた可能性も考えられます。

つまりは父系を考えると障害入りはいいキッカケだったとも言えるわけで、他の有力馬達とは別路線で鍛えられてきた馬とも言えますね。

そういった意味でも面白い馬というわけです。

また血統的には魅力がないわけではなく、この馬のお兄さんであるケイアイチョウサン(父ステイゴールド)はラジオNIKKEI賞(GⅢ)に勝利、他の兄弟も複数の勝利を挙げているわけで、まったく走る下地がないわけではありませんでした。

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有馬記念では買いか消しか?

ということで肝心の有馬記念でこの馬が来るかどうか?というわけですが、僕なりの見解では

消し

です。

今回すでに枠順も1枠1番に決定しておりいい所に入ったとは思うのですが、消しだと思う理由は四点です。

  • リップサービスをする武豊騎手から強気のコメントが聞こえてこない
  • GⅠだと決め手不足
  • おそらくスローから最後は一気にペースが上がって消耗戦になる
  • これまでのレースよりはペースが速くなるがそこについていけるか心配

何と言っても決め手はあの武豊騎手が、結果に対して楽しみというニュアンスのコメントが聞こえてこない点なんですよね。

強い馬はしっかり強いという騎手なので、どうも脚力やスタミナがあるというコメントだけでは弱すぎず、むしろ弱気な発言に感じますし、かつて不振期のナリタブライアンに乗った時でさえ、何とかなりそうな雰囲気のコメントはしてたぐらいですから、今でも武豊ファンの僕としてはどうしても買えるようなコメントではないんですよね。

まとめ

以上のように今回は例年とは違った意味で楽しみな有馬記念となりそうですが、競馬のお祭りレースである有馬記念は今年は12月23日に開催されます。

今年は天皇賞・秋を制したレイデオロも出てきますが、1枠1番のオジュウチョウサンという馬にも注目してレースを見てください。

競馬って馬券を買わなくても馬に色々なストーリーが存在して非常に楽しいもんですよ。


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