ケンタッキーダービー2019 日本馬マスターフェンサーが6着と好走も全く話題にならない

アメリカ競馬最大の注目レースに日本馬が出走

ケンタッキーダービー2019のロゴ

5月5日(日)、日本では令和初の競馬のGⅠレースとなるNHKマイルカップが行われましたが、実はこの日の早朝(アメリカでは4日の18時)、アメリカでは第145回目となるケンタッキーダービー(Kentucky Derby)が行われていました。

ケンタッキーダービーは”ダービー”の名が表すように、アメリカ競馬で3歳牡馬の頂点を決めるクラシックレースの一つなのですが、その歴史は古く、1875年から行われて今年で145回を迎えました。

アメリカでは年末近くになるとブリーダーズカップと呼ばれる各種のGⅠがまとめて行われる競馬のお祭りともよべるような日があるのですが、テレビなどの視聴率や観客動員数ではまだまだケンタッキーダービーの比ではないと言われています。

映画の題材やシーンの一部などでも取り上げられるの多いレースなので、アメリカの人達の関心度の高さも伺い知れますし、日本人でもこのレース名前ぐらいは聞いたことがある方も多いでしょう。

さて、そんなケンタッキーダービーですが、今年のレースでは実は日本からマスターフェンサー(父ジャスタウェイ、角田晃一きゅう舎)という生まれも育ちも日本産の馬が出走していたのですが、一着入線馬の史上初の降着騒ぎなどもあり、ほとんど話題になりませんでした。

そこで今回はそのマスターフェンサーについて競馬や海外競馬にあまり興味のない方向けに取り上げてみたいと思います。

(画像引用:「ケンタッキーダービー)公式サイト(英語) より)

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「ケンタッキーダービー」とは

ケンタッキーダービー(Kentucky Derby)とはアメリカのチャーチルタウン競馬場で行われるクラシックレース(三歳限定の格式高いGⅠレース)の第一弾となり毎年五月の第一週に行われます。

当初は本馬イギリスのダービーと同じく1マイル1/2(約2,414m)・ダートの条件で行われていましたしたが、1895年から距離は1マイル1/4(10ハロン:約2,012m)に短縮され、現在に至ります。

毎年約2万頭のサラブレッドが生産される競馬大国アメリカの中でもっとも注目されるレースであり、アメリカのすべてのホースマンが目指すレースとなので、当然出走するも容易ではありません。

かつては出走するまでもサバイバルレースと呼ばれていたほどですが、現在は出走を指定レースの着順に応じたポイント制(Road to the Kentucky Derby)で決定しており、よりぽっと出の馬が勝つのが難しいレースとなっています。(日本のヒヤシンスSなどいくつかのレースもポイント対象レースとなっています)

またケンタッキーダービーの後に行われるクラシックの残り二冠、プリークネスステークス(ダート9.5ハロン)とベルモントステークス(ダート12ハロン)がダービー終了から一か月のうちに行われるため、三冠の達成は非常に難しい内容になっています。

つまり、三冠すべてに出走するだけでも実力の他に身体的なタフさが必要となります。

要はですね、アメリカのとんでもないレース体系の中でも最大のレースなわけです。

2019年のケンタッキーダービーの結果と内容

一着入線馬が十七着降着となる前代未聞の結果に

今年のケンタッキーダービーですが、映像を見ていただければ分かるようにかなりの泥んこ馬場で行われています。

アメリカのダートは日本と違い砂というよりも粘土に近いといわれているためかなり水が浮いている感じが、公式発表も不良だったようです。

レースは一番人気だったマキシマムセキュリティ(Maximum Security)が終始逃げる形をとり最後まで先頭を守り切る形となりました。

時折表示されていたラップタイムを拾い出すと

22秒31 - 46秒62(24秒30) - 1分12秒50(25秒88) - 2分3秒93(51秒43)

このように、スタートから段々とペースが落ちていっていることが分かりますが、しょっちゅう僕も海外のレースを見ているわけではないものの、これぞアメリカのレースという感じですね。

レースに出るまでもサバイバルならレースの中身もサバイバルというのがアメリカ競馬なんですが、最後は各馬がヘロヘロになるのは日本競馬に慣れていると新鮮に映るかもしれません。

そして問題は今回逃げ切ったはずのマキシマムセキュリティが降着になっている件ですが、確かに三コーナーから四コーナーの途中で外側に向かって走り後続馬の進路を妨害しています。

パトロールビデオを見ると曲がる気がなかったかのような進路の取り方(さらによく見ると四コナー手前では内にきれこんで接触している)であり、降着そのもはやむなしという感じはしますね。

日本の現在の降着システムであればおそらく順位の変更はなかったのですが、今回は進路を邪魔した馬が十六着に終わったということで着順はその下に回されています。

かつても日本もこういった降着制度をしいており、ケースとしては1991年の天皇賞・秋でメジロマックイーンが一着入線から十八着に降着になったのと同じですね。

日本やヨーロッパと降着制度の基準が違うのはどうかという議論はありますが、スタートからガンガン飛ばしていくアメリカ競馬の質を考えると個人的にはこの降着制度のほうがあっているような気はします。

レースは結局二着で入線した十四番人気(日本でのオッズ)のカントリーハウス(Country House)が繰り上がりとなり145頭目のケンタッキーダービー馬としてその名を刻んでいます。

日本馬マスターフェンサーは内から追い込んで六着

そしてほとんど話題になることなく出走していたマスターフェンサー(赤い帽子に赤い勝負服)ですが、レースは直線に入るまで最後方を進みながら、いつの間にか内からスルスルと伸びてきての六着でした(七着入線)。

僕も正直なところスタートからまずついて行けないだろうなとは思っていたんですが、その予想通りというか、想像を上回る(笑)四コーナーまで最後方でした。

まぁ、ここまでは僕も含めてアメリカの競馬を少しでも知っている人だったら想定の範囲内だったんですが、ここからまさかの六着というのは意外でしたね。

最近の日本競馬のスローな展開やそういった調教になれていると、まず追走だけで精一杯というのはしょうがないんですが、これまでの日本調教馬のアメリカでの結果を考えるとよく伸びてきたなという感じはしますし、かなり出来過ぎた結果に思えました。

いや、ほんとケンタッキーダービーで六着というのは本当にすごいと思います。(だからもうちょっと話題になってもいいと思うんだけど・・・)

初めてだったケンタッキーダービーへの日本産馬の挑戦

実は今回出走したマスターフェンサーですが、日本調教馬ではこれまでスキーキャプテン(1995年、14着)、ラニ(2016年、9着)での出走があったんですが、いずれも海外で産まれた馬たち(調教は日本)だったので日本産の馬としては初めての出走でした。

しかも血統を見てもスキーキャプテンがStorm Bird(ストームバード)、ラニがTapit(タピット)というアメリカでも当時の文字通りトップ級の種牡馬ということを考えると、ジャスタウェイという日本になじみの深い種牡馬の産駒が好走したのは、日本の競馬関係者にはかなり驚きだったはずです。

また、マスターフェンサーの戦績も日本では決して抜きんでていたわけではなく、出走時点では六戦二勝、オープンクラスでは伏龍ステークスでは二着は入っていたものの、ヒヤシンスSでは四着に終わるなど”ちょっと成績を残していた程度”のものでした。

つまりはもうちょっと実績のある馬を連れていけば結果もより上位に食い込めた可能性もあり、これまでどちらかと言えばヨーロッパに偏っていた日本馬の遠征も、今回を機会にアメリカも選択肢の一つとして考えられてくる可能性も考えられます。

日本で走ったからと言って海外で走るとは限りませんが、こういった一つの挑戦が後身に影響を与えていくことでしょう。

また、日本産馬・調教馬かすぐにこのレースを勝つのはまだ時間がかかるかもしれませんが、日本の血統レベルは十分に世界に通用することが最近は知られていきたので、このケンタッキーダービーを制したサンデーサイレンスの孫や子孫たちがこのレースを制する日なら、そうは遠くないかもしれませんね。

牡馬の米クラシック最高着順はラニの三着

なお、マスターフェンサーはクラシック第二弾プリークネスステークスや第三弾ベルモントステークスを目指すそうですが、できればラニのベルモントステークス三着を上回る結果を期待したいところですね。

次走プリークネスステークスは2019年5月14日(日本時間15日)にピムリコ競馬場で行われる予定です。


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