本日(2017年5月14日)に東京競馬場で行われた”夏の古馬牝馬マイル王決定戦”第12回ヴィクトリアマイル(GⅠ)ですが、不安要素もなく断然の本命と見られた一番人気ミッキークイーン(浜中俊 騎乗)が見せ場なくまさかの7着に沈み、6番人気クリストフ・ルメール騎乗のアドマイヤリードが直線鋭く伸びてGⅠ初制覇となりました。
実績馬が結果を残すものの、荒れると言われたヴィクトリアマイルですが、2着に11番人気デンコウアンジュが飛び込み、枠連3-5で112.3倍の万馬券、3連単になると9,187倍(100円が918,700円)というデータが示す通りの結果になりました。
第12回ヴィクトリアマイル全着順
着順 | 馬番 | 馬名 | 騎手 | タイム | 体重 | 人気 | ||
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1 | 5 | アドマイヤリード | C.ルメール | 1:33.9 | 422 | -4 | 6 | |
2 | 10 | デンコウアンジュ | 蛯名正義 | 1:34.1 | 1 1/4 | 444 | 0 | 11 |
3 | 3 | ジュールポレール | 幸英明 | 1:34.1 | クビ | 452 | -2 | 7 |
4 | 2 | スマートレイアー | 武豊 | 1:34.1 | アタマ | 470 | -6 | 4 |
5 | 4 | ソルヴェイグ | 川田将雅 | 1:34.2 | クビ | 470 | -6 | 9 |
6 | 8 | クイーンズリング | M.デムーロ | 1:34.3 | 3/4 | 466 | 0 | 5 |
7 | 11 | ミッキークイーン | 浜中俊 | 1:34.4 | 1/2 | 440 | 2 | 1 |
8 | 15 | フロンテアクイーン | 北村宏司 | 1:34.5 | 1/2 | 462 | 0 | 12 |
9 | 12 | ウキヨノカゼ | 吉田隼人 | 1:34.5 | クビ | 490 | 8 | 8 |
10 | 7 | ルージュバック | 戸崎圭太 | 1:34.6 | 1/2 | 452 | -2 | 2 |
11 | 14 | レッツゴードンキ | 岩田康誠 | 1:34.6 | クビ | 496 | -10 | 3 |
12 | 1 | アットザシーサイド | 田辺裕信 | 1:34.6 | ハナ | 438 | -6 | 13 |
13 | 6 | アスカビレン | 池添謙一 | 1:34.7 | クビ | 470 | 2 | 10 |
14 | 13 | ヒルノマテーラ | 四位洋文 | 1:34.9 | 1 1/2 | 464 | 2 | 17 |
15 | 16 | クリノラホール | 北村友一 | 1:35.2 | 2 | 446 | 4 | 16 |
16 | 17 | リーサルウェポン | 内田博幸 | 1:36.2 | 6 | 442 | 10 | 15 |
17 | 9 | オートクレール | 黛弘人 | 1:41.7 | 大差 | 440 | 2 | 14 |
レース回顧
一応リアルタイムとYouTubeにあったパトロールビデオと二回ほどレースを見させていただきましたが、まず勝ったアドマイヤリードは本当に鋭く伸びましたね。1000mの通過が稍重とはいえ1分1秒とGⅠにしてはスローペースだったせいで、結果的には一瞬の脚の鋭さでまさったアドマイヤリードが制したという印象でした。二着に来たデンコウアンジュも一番人気ミッキークイーンとほぼ同じ位置にいてこの馬(というかジョッキー)がバタバタともがいているのとは対照的にグイーンと伸びていきましたね。上位に来た馬は等しく伸びているため、ここが勝ち負けのポイントでした。
また勝ったアドマイヤリードですが、パトロールビデオで見るとよく分かりますが抜け出す時にスマートレイヤーの横を抜けてきていますが、本当に狭い隙間を抜けてきています。一瞬仕掛けが遅れたら行き場を失っていたと思いますので、好判断好騎乗はさすがルメールといったところでしょう。
一番人気ミッキークイーンに関しては、ジョッキーの浜中が”手前を3回ぐらい変えていたけど、理由が分からない”との発言をしていますが、正直なところ今回、個人的には騎乗ミスではないかと思います。レース結果を振り返ってみれば分かりますが、勝ち馬とのタイム差は0.5秒。アドマイヤリードが上がり3ハロン(600m)を33.4で走ったのに対してミッキークイーンは33.8なんですが、上りの差がほぼそのまま着差となって現れていますが、33.8なら正直なところ末脚は伸びてはいますよね。
僕も直線見ていてアレレ?こりゃ延びないかと思ったんですが、スタッツを見る限りは前半スローの上がり勝負になっているだけですよね。結果的にミッキークイーンが一着に来ようとすれば上がり32.9で上がらなければいけなかったわけですが、そりゃ無茶な話ですよね。
あくまで結果論ではありますが、稍重というレース条件やスローな展開ということを考えるともっと前につけるとか4コーナーでのコースロスを出来るだけ減らしたり、仕掛けを早くするという選択肢はなかったのでしょうか。元々エンジンのかかりが若干遅い馬というのは分かっていたはずなのに、少し横綱相撲をしすぎたという印象を受けてしまいます。スマートレイアーの武豊がスローを見越して?前目につけて早めに動いていたのとは対照的でしたね。
おそらく不利を受けないように安全に回ってきたのでしょうが、4コーナーで少しだけ外に膨らんだのも致命的だったと思いますし、今回の着順はもう一回やれば上位7頭は大きく着順が変わるような気がします。
最後に二着にきたデンコウアンジュですが、もがくミッキークイーンの横で鋭く伸びましたが、前走までの凡走続きは何だったんでしょうね。血統的にも父メイショウサムソン、母の父マリエンバードじゃとてもじゃないが買えません(笑)。