9文字で繰り広げられるおもしろ馬名の歴史
毎年日本の競馬界では7,000頭近くのサラブレッドが生産されているそうですが、サラブレッドの場合血統こそすべて(出所の分からない馬は売れない)なので、ほぼすべてに名前がつけられます。
それが馬主の特権であり、最初の仕事なわけですが、この競走馬の馬名は適当につけてはいいものではなく、当然ルールが存在します。
JRAの命名ルールとして大まかに説明すると
- カタカナ9文字以内
- 商品名やブランド名など宣伝目的の名前
- GⅠを勝った馬と同名
- 父馬や母馬と同じ名前
以上のようなルールがあるのですが、たった9文字しかでありながら、長い競馬の歴史の中にはかなり面白く、個性的な名前の馬が存在します。
そこで今回は僕が覚えている、気になった珍馬名の馬をいくつか取り上げてみたいと思います。
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オレハマッテルゼ
筆頭は実績的にもNO1のオレハマッテルゼです。競馬ファンならまずこの馬が思い浮かんだんじゃないでしょうか。
なんと2006年にはGⅠレースである高松宮記念を勝利し、種牡馬入りもしています(2013年に死亡)。
名前の由来は石原裕次郎さんの映画「俺は待ってるぜ」が由来なそうなんですが、馬名の申請についてはその申請時の由来の説明で恐らく判断され、曖昧な部分もあります。
おそらくこれがこれから公開される映画であれば間違いなくアウトでしょうが、JRAさえ納得すれば通ります。
気になる馬主は競馬界では”珍馬名製造機”として有名な小田切有一さんで、これから出てくる馬の多くがこの方の競走馬です。
38戦9勝。高松宮記念など重賞2勝。
ネコパンチ
そのまんま”猫パンチ”です(笑)。まぁ馬名的に特にアウトになる理由はないですよね。
この馬は誰もがネタ的な馬で名前倒れだと思っていましたが、息の長い活躍で最終的にはGⅡレースである日経賞を勝利しています。
ホント気付いたら重賞を勝っていた謎の馬です。
馬主は桐谷茂さん。56戦5勝で日経賞を勝利しています。
ユキチャン
この馬が何と言っても有名なのはサラブレッド中でも大変めずらしい白毛馬だからです。
白毛は珍しく、ほとんどが白毛馬からしか生まれない(突然変にもあり)のでかなり希少です。
そして何気に良血でお父さんはクロフネ、お母さんシラユキヒメの父はあのサンデーサイレンスで地方重賞などを4勝しているダートの強豪馬でした。
この馬の兄弟や妹はシロクンやマシュマロ、ブチコなどいずれも白毛の珍馬名なんですが、いずれも中央のレースでそこそこ勝っており日本最強の白毛一族と言えます。
ディープインパクトやキングカメハメハ、マカヒキのオーナーとして有名な金子真人さんが所有していました。
17戦5勝で1億2千万稼いでいます。
ソンナノカンケーネ
中央未勝利のネタ馬なんですが、そのまんまですね(笑)。
本来は”そんなの関係ねー”と行きたかったところですが文字数制限にひかかってこの名前に落ち着いたんでしょうね。
地方に行って2勝しています。
馬主は加藤信之さんです。
モチ
そうです”餅”です。
やはりというべきか小田切有一さんの所有馬ですが、この馬は三歳時にオープンクラスである若駒ステークスを勝っており、皐月賞にも出走しています(18頭中17番人気で17着)。
恐らく記念馬券で単勝を勝った人も結構いたでしょうね。通算37戦3勝。
ロバノパンヤ
僕が子供の頃はロバが実際に引く移動パン屋さんの”ロバのパン屋”がいたもんですが、そこから由来した馬名です。
ユニコーンステークス(GⅢ)で二着に入るなどそこそこ活躍した馬で二億円近く賞金を稼いでいます。
小田切さんの馬で、通算49戦4勝。
メロンパン
小田切有一さんの所有馬で2戦未勝利で引退した牝馬なんですが、面白いのはこの馬が良血のマル外(外国産馬)ということですね。
お父さんはヒシアマゾンなどを送り出したTheatrical(シアトリカル)で、名前は”メロンパン”ながらバリバリのアメリカ娘です(笑)。
子供のワナはしっかりと重賞を勝利(新潟2歳ステークス)していますが、確実に”罠”から名前がきている珍馬名ですし、他の産駒もロロ、チクタク、トモダチ、ガンバリッコなど、想像の上を行く名前がついています。
小田切さんの場合、紹介しようとすると所有馬だけで実は1ページ埋まってしまうんですよね(笑)。
モグモグパクパク
この馬も小田切さんの所有馬ですが、別に食べ物関係ばかりで名前をつけているわけではない(笑)のですが、珍馬名はやっぱりこの系統です。
通算29戦5勝でオープンクラスまで行った結構強い馬です。
あなたの思い出の珍馬名馬募集
他にも思い出したら追記していきたいと思いますが、みなさんの思い出の珍馬名の馬なんかいたらコメントいただくとありがたいと思います。
個人的にはナイスナイスナイスとかマチカネタンホイザとか面白い名前だなぁと25年ぐらい前は思っていたんですが、今回の馬のラインナップを見るととてもじゃないが紹介できませんでした。