ディープインパクトは大丈夫か?心配される血統淘汰の歴史

消滅

今回は競馬の血統のお話で最近も取り上げた「ディープインパクト」に関するお話ですが、少しコラムのような形でお送りしたいと思います。

先日の記事(ディープインパクト産駒の傾向と特徴:僕の血統論(1))ではディープインパクトに関する自分なりの傾向や特徴をまとめてみましたが、実はこの時触れようと思っていたことがありました。

それがタイトルを見れば分かりますが、ディープインパクトの父系としての断絶の心配です。

ディープインパクトと言えば2010年に産駒がデビューした後、2012年から今年までぶっちぎりの1位を独走している日本を代表する大種牡馬です。

そんな馬鹿なと思われる方も多いとは思いますが、一方ある程度長いこと競馬を見てきた方には同じような心配をされている方も実は多いのではないかと思い取り上げてみることにしました。

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ノーザンテースト系の消滅

競馬ファンなら社台ファーム系の馬の血統表を見ればよく出てくる馬なので、ご存知の方も多いでしょうが、かつての日本の大種牡馬ノーザンテーストです。

ノーザンテーストと言えば社台、社台と言えばノーザンテーストというぐらい現在の社台ファームグループの礎を築いた大種牡馬なんですが、1980年代に輸入されたあと通算10度の種牡馬リーディングに輝いています。

90年代に入って首位から陥落した後も上位をキープしており、僕が毎年買っていた種牡馬辞典でも常に最初のほうのページの載ってた馬です。

僕が競馬に熱中していた90年代はピークは過ぎていましたが、それでも出てくる馬出てくる馬ほとんどにノーザンテーストの血が入っていたんですよね。

それぐらい産駒がどれも走った馬だったんですが、牡馬の中からもダイナガリバー、アンバーシャダイ、ギャロップダイナといったGⅠホースを送り出しました。

ただ牡馬よりも牝馬がとにかく活躍したんですが、それでもアンバーシャダイの産駒成績も良好でその中からメジロライアンが登場し、さらにその子供のメジロブライトも活躍しました。

ただ、この昭和の大種牡馬ノーザンテーストの父系は現在完全に消滅しています。

牝馬が活躍しているという不安

牡馬のGⅠホースがあまりいないからしょうがないという意見があるかもしれませんがノーザンテーストとディープインパクトには共通点はあります。

それがまず牡馬にGⅠを何勝もするような大物が登場していないということと、牝馬に活躍している馬が多いということです。

僕はここがかなり心配です。

かつてノーザンテーストは父系というよりも、母の父としてその力を発揮してサンデーサイレンスなどとも抜群の相性を見せました。

何にでも合う種牡馬だったわけでノーザンテースト系の牝馬は大変重宝されたわけですが、こうなるとどういったことが起こるかというと、牝馬にノーザンテースト系の馬が多くなって当然配合できなくなるわけです。

だからノーザンテースト系の牡馬は非ノーザンテースト系の良質な牝馬か、外国から違う系統のいい馬につけるしかないわけです。

ただ、ここでその牡馬がGⅠを何勝もしているような馬でないと少々博打になってしまうわけで、ディープインパクト産駒で種牡馬入りした馬も数が多くなってくると、さらにそこで競争が始まってしまいます。

つまりはそこそこ牡馬が活躍しているのも危ないような気がするんですよね。

種牡馬の世界は2,3年で結果が出なければ種付け頭数が一気に100頭から10頭に落ちると言われている世界です。

そんな中ディープインパクト系の種牡馬同士、しかも限られた牝馬の中で種付けをして結果をだすのも非常に難しくなってくるわけです。

サンデーサイレンス系の発展

その他にもやはりサンデーサイレンスの血が日本に根付きすぎているという点が心配です。

ディープインパクトはサンデーサイレンスが送り出した間違いなく一番の大物ですが、彼が登場するまでにもフジキセキやダンスインザダーク、ステイゴールド、スペシャルウィークが種牡馬としても成功しその勢力を広げています。

ディープインパクトの血が入っていない牝馬はまだたくさんいるにしてもサンデーサイレンスの血が入っていない牝馬はほとんどいなくなっているわけで、こういった点でディープインパクトの子供にあたる種牡馬にしてもサンデーサイレンスは3代前にあたりギリギリつけられるかつけられないの血の濃さになってしまいます。

こういった点からもよほどの大物が登場しないが限りはそういった博打もうちにくくなってしまいます。

オルフェーヴルというサンデーサイレンスの孫世代の大物の登場

最後にディープインパクトの父系の不安は、同じサンデーサイレンスの子供のステイゴールドからオルフェーヴルという超大物が出たという点でしょう。

オルフェーヴルは凱旋門賞を二年連続二着するなど、ヨーロッパでも欲しがられそうなディープ級の活躍馬ですが、この超大物の存在はこれからのディープインパクトの父系の発展にはかなりの障害でしょう。

ディープインパクトの子供となる種牡馬たちたちもサンデーサイレンス第三世代同士このオルフェーヴルと争わないといけないわけで大変なわけです。

またオルフェーヴルには血統的に見ると母の父に日本で育まれた血統で生み出されたメジロマックイーン、母の母の父には前述のノーザンテーストでいい具合に世代が進んでいます。

こういった点でサンデーサイレンスのよほど近い血を避ければ比較的自由に種付けが行える点で汎用性も高くなります。

ディープインパクトの血統もそれほどつけにくいとまでは言い切れませんが、その産駒になってくると、実績や血統的密度などの比較になるとどうしても分が悪くなってしまいます。

そういった点などからもやはり父系の発展には超大物の登場は不可欠なように思えてしまうわけです。

以上勝手な心配なんですが、歴史は繰り返すと言います。

ノーザンテーストを首位から陥落させたトニービンやブライアンズタイムでさえも、大物を送り出しながら父系はブライアンズタイムの系統が細々と活躍しているぐらいです。

その後サンデーサイレンスは見事日本の血統を支配することには成功しましたが、まだ最近の話です。

まだまだ結果が出始めるのはこれからになりますが、ディープインパクトの息子のディープブリランテも種牡馬としてそこそこのスタートは切れていますし、サンデーサイレンスのひ孫世代がどういった戦いを見せるか今後も注目していきたいと思います。