血統を知って競馬が楽しくなる:血統で馬券攻略(初級編)

サラブレッド

競馬の歴史=サラブレッドの歴史

競馬というのは不思議なスポーツで、日本にある他の公営ギャンブル(競輪や競艇など)に比べると格段にマイナスイメージの少ないスポーツではないでしょうか。

これにはJRA(日本中央競馬会)のイメージ戦略の成功なども理由に上げられるのでしょうが、元々はイギリスなどをはじめとするヨーロッパ各国の貴族のスポーツとしてはじまったことや、日本でも上流階級を中心に広まったことも影響があるでしょう。

それぞれの目的は違うのでしょうが、貧乏人から大金持ちまで楽しめることがやはり競馬の特徴です。

また、競馬のいいところはギャンブル的要素を排除しても純粋にスポーツとしての楽しめる点も魅力であり、”人3馬7”と言われるように、サラブレッドこそが主役であることも忘れてはいけませんね。

そしてサラブレッドこそが競馬の歴史であり、18世紀頃から始まったサラブレッドの生産はこの頃から管理されはじめ、血統はこの頃のサラブレッドから記録が残っているわけです。

このブログでも以前は取り上げることが多かった競馬(現在は徐々に姉妹サイトのウマナミにシフトさせています)ですが、今回はそのサラブレッドの血統について語っていきたいと思います。

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すべてのサラブレッドは三頭の馬にいきつく

ご存知ない方も多いかもしれませんが、サラブレッドは元々自然に発生した品種ではなく、18世紀に人為的に開発・品種改良された馬となります。

17世紀までは存在しなかったサラブレッドですが、貴族同士で所有馬の競走をはじめるうちにそれが競馬となり、サラブレッドの生産が始まります。

足の速い馬同士を配合させながらより速い馬を作っていったのがサラブレッドの始まりなんですが、現在世界中に存在するサラブレッドの父系をたどると、なんとすべてのサラブレッドが三頭の馬にたどりつきます。

この馬たちがいわゆる三大始祖と呼ばれるサラブレッドの始まりなのですが、それらがゴドルフィンアラビアン(1724年生まれ)、バイアリーターク(1679年頃生まれ)、ダーレーアラビアン(1700年頃生まれ)となります。

それぞれの馬は元々ターク種やアラブ種であり、シリアやトルコ産だと言われていますが、最近のDNA研究では三頭ともターク種であり、近い関係にあったのではないかと言われているそうです。

しかしながら、最近はさらに血統淘汰の歴史が進み、現在父系の95%がダーレーアラビアン直系の血を引く種牡馬で占められており、時代が進めばサラブレッドの始祖はダーレーアラビアンと言われる時代もそう遠くないのかもしれません。

日本でもバイアリータークの血を引く種牡馬(メジロマックイーンやトウカイテイオー)が最近まで残っていたんですが、日本でも直系はほぼ絶滅状態になっています。

ダーレーアラビアン系もさまざまな系統が発展しているわけではない

現在、ほとんどの種牡馬がダーレーアラビアンの血をひくことは前述のとおりなんですが、300年も歴史があると様々な系統に分かれているように思えるものの、実はそうではありません。

例えば少しだけ例を挙げるとすると、現在の種牡馬の系統には大きく分けて、ノーザンダンサー系、ミスタープロスペクター系、ナスルーラ系、ヘイルトゥリーズン系が存在しますが、いずれもファラリス(Pharalis、1913年産)というイギリスの馬一頭にいきつきます。

ダーレーアラビアンの他の系統も300年経つうちにこのファラリスの系統に駆逐されてしまっているのです。

19世後半にも似たケースがあります。

それが”セントサイモンの悲劇”と呼ばれるものなのですが、当時セントサイモン(1881年、イギリス産)の血を引く馬があまりにも大活躍したために、サラブレッドのほとんどがセントサイモンやその父ガロピンの血を引く馬だらけになってしまいました。

そうなると当然異系の種牡馬に配合していかなければいけなくなるのですが、それによりセントサイモンの血は行き馬を失い、直系が一気に廃れてしまう結果を招いてしまったのです。

日本ではサンデーサイレンスの血を引くサラブレッドが活躍しているのはご存知の方も多いのでしょうが、実は血が一極集中するということは、血の発展のためにはかなり諸刃の剣になってしまうのです。

最近だとディープインパクトがセントサイモンのケースかなり酷似しており、産駒は総じて走るものの牡馬に超一流馬や種牡馬として目立った活躍する馬が登場してこないので、父系が続かないという可能性が高まっています。

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各系統ごとの特徴

この記事を書き始めたころは、血統別の馬券の買い方などを解説しようと思ったのですが、そもそも論から書いてしまったので、このままだと今日中に終わらなさそうです(笑)。

そこで今回は初級編とタイトルに少し付け加えて、現在流行している競馬の血統の系統について大まかな特徴を書いておきたいと思います。

ノーザンダンサー系

主な系統:サドラーズウェルズ系、ダンジグ系、ストームキャット系、

ノーザンダンサーとは1961年にカナダで生まれたサラブレッドなのですが、1960年代後半から80年代まで血統の勢力図を完全に塗り替えたのがこの馬になります。

とにかく産駒がすべて走ったので、最盛期には種付け料が95万ドル(当時のレートで約2億円)まで高騰し、その子供たちも種牡馬として大活躍したので、現在一大系統として存在しているわけです。

特徴

ノーザンダンサーの誕生から50年が経ち、とにかく世界中で色々な種牡馬が存在しているので種牡馬ごとに特徴が全く違ってきていのですが、サドラーズウェルズ系はヨーロッパではガリレオが、アメリカではキトゥンズジョイやメダグリアドーロが大活躍しています。

元々はサドラーズウェルズと言えばスタミナと底力が特徴でしたが、最近は直仔のガリレオ、さらにその孫のフランケルなどの活躍などもあり、短い距離や軽い芝コースにも対応を見せ始めています。

日本ではまだまだスピード競馬に対応できる馬が少なく、一部の外国産馬や持ち込み馬が中長距離活躍しているのみでしたが、今年はモズアスコット(父フランケル)が安田記念に勝利したのは僕にとっては驚きでした。

次にダンジグ系は80年代から90年代にかけて直仔が大活躍したのですが、その最大の武器は圧倒的な先行力を活かしたスピードです。その直仔たちはアメリカを中心に活躍を見せましたが、前向き過ぎる気性やスタミナ面み問題があることから、その仔たちは種牡馬としてあまり血を拡げることができませんでした。

しかしその中からデインヒルが現れます。シャトル種牡馬(他の地域への貸し出された種牡馬)のパイオニアであるデインヒルがオーストラリアで活躍し始めた頃にダンジグ系が復活します。

それまでサーゲイロード系種牡馬の天下だったオーストラリアで9回のリーディング種牡馬に輝くだけでなく、その仔たちも彼の後を引き継いでトップ種牡馬に君臨した他、ヨーロッパで独占状態だったサドラーズウェルズ系の牙城を崩し、イギリスやフランスなどでその存在感を見せはじめます。

日本でもダンジグ系は、80年代から90年代にかけて日本でも何頭か持ち込まれ走りましたが、スピードはあるものの単調な走りをする馬が多く、距離やグレードが高くなるとその底の浅さを見せ始める馬が多かったのは世界中のダンジグ系の馬と同じでした。

ところが日本でもデインヒルによりダンジグの血が復活します。フランスで育まれたデインヒルの血をひくハービンジャーが種牡馬として活躍しはじめたことにより、サンデーサイレンス系との配合が多く行われるようになっています。

アメリカで元々強かったダンジグ系ですが、面白いことにそのアメリカでは現在あまり活躍しているとは言えません。シアトルスルーやミスタープロスペクターの系統が強いという原因はあるのですが、地域により求められる資質が違うのが血統の面白いところですね。

逆にアメリカで強いのがストームキャット系で、こちらの系統は逆にヨーロッパではイマイチです。スピードとダンジグ系より距離が持つことが特徴ですが、アメリカではスタートからどんどん飛ばしていくレースばかりなので、前向きな気性(逃げや先行脚質)が幸いしているという印象はあります。

日本では直系が大レースで活躍していませんが、母系に入ってサンデーサイレンスの系統との相性がよく、父系とは違いなぜか後ろから鋭い脚を使う馬く、超一流馬にこの配合がよく見られます。

直系ではヘネシーやヘニーヒューズという種牡馬がいますが、こちらはアメリカ出身の馬らしく、スタートからどんどん行く馬が多く、大レースにも弱いという真逆のタイプを出しているという不思議な種牡馬です。

ストームキャットは父系と母系で特徴が違うということは覚えておいたほうがいいでしょう。

僕なりの分析ではこの系統はスピード競馬に対応できる日本向きの血だと見ていますが、父系が大舞台でだめなのは気性のせいなのではないかな?と見ています。

ミスタープロスペクター系

主な系統:キングマンボ系、ファピアノ系、イルーシヴクオリティ系、フォーティナイナー系

ミスタープロスペクター1970年にアメリカで生産された種牡馬なのですが、現役当時はイマイチだったものの、種牡馬に入ってから大活躍したサラブレッドです。

特筆すべき点として、他の主流系統のノーザンダンサー、ナスルーラ、ロイヤルチャージャーがファラリスの孫のネアルコ(1935年、イタリア産)の血を引くのに対して、この系統のみネアルコの血を持っていない点です。

そのため他の系統の繁殖牝馬にも配合がしやすく、今もなおアメリカから繁殖牝馬が輸入されるのはこういった理由があります。

特徴

現在もアメリカでは大活躍しているミスタープロスペクター系ですが、元々ヨーロッパではそれほど相性は良くありませんでした。

ただ代を経てその傾向は変わりつつあり、最近はキングカメハメハの父キングマンボの系統がヨーロッパでも通用する馬を送り出しています。日本でもキングカメハメハの系統が大活躍しているように、キングマンボ系の日本との相性はいいですね。

アメリカではファピアノやイルーシヴクオリティの系統が活躍していますが、この系統は日本では距離が持たず、あまり大舞台では活躍ができていません。

あとフォーティナイナーの系統は直系ではアドマイヤムーンを介して活躍している馬が多いですが、とにかくどんな系統につけても走るということで、大舞台で活躍することはそれほど多くないものの、二勝、三勝と数字を稼げる馬が多く、馬主孝行な馬が多いですね。条件戦で強い系統です。

全体的にはマイル以下で活躍する馬が多いのですが、キングマンボの系統はヨーロッパでも活躍を見せ始めていることにより、中長距離にも対応を見せ始めていますね。

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ナスルーラ系

主な系統:シアトルスルー系、グレイソヴリン系、ネバーベンド系

ナスルーラ系は80年代から2000年あたりまでは世界中で見られた系統なのですが、最近ではアメリカのシアトルスルー(ボールドルーラー)系をのぞき、勢いがありません。

ヨーロッパではブラッシンググルームの系統やネバーベンドの血をひくミルリーフの系統、日本ではプリンスリーギフトの血を引くテスコボーイの系統やグレイソブリン系の活躍が見られたのですが、日本ではサクラバクシンオーとトニービンの系統が細々と残るぐらいでヨーロッパではすでに影が薄くなっています。

特徴

もう本当にアメリカでだけ存在感があるという感じのナスルーラ系ですが、正確に言うとナスルーラというよりもシアトルスルーの系統が頑張っている感じです。

ミスタープロスペクターが短中距離路線ならシアトルスルーは中長距離という感じで住み分けをしており、走りはどちらも前向きという点で共通しています。

シアトルスルーは母系に入り、日本で活躍している馬も多いのですが、面白いことに総じて先行馬がばかりになりますね。またアメリカで走っている馬は総合力で勝負するような感じですが、日本だと走る馬は結構上までいくものの、GⅠやGⅡになるとなぜかこの系統は勝負弱くなります。

他のナスルーラ系に目をやると、2000年以前はヨーロッパでグレイソブリンやネバーベンドなどのナスルーラ系が決め手や底力を武器に活躍していました、が安定して大物を出すタイプではなかったことや、競馬のスピード化などもあり現在ではその存在感を完全に失っています。

日本ではサクラバクシンオーとジャングルポケットの系統だのみというのが現状ですが、前者はスピードタイプ、後者はスタミナタイプに出てはいるものの、大舞台で強いとは言えず、これからこの系統が残るかというと少し厳しそうです。

全体的にナスルーラの系統で共通して言えるのは、気性が激しい馬が多いということは昔から変わりませんね。

ロイヤルチャージャー系

主な系統:ヘイロー系、ロベルト系、サーゲイロード系

最後のロイヤルチャージャー系ですが、ご存知日本で大活躍のサンデーサイレンスの系統であり、日本の4割のサラブレッドがこの系統と言われています。

また元々オーストラリアではこのサーゲイロードの系統のサートリストラムという種牡馬君臨したこともあってか現在はデインヒル系には押されているものの10数%のシェアが残っていますが、ヨーロッパではあまり見なくなった系統と言えますね。

アメリカではヘイローとロベルトの系統が残ってはいますが、芝ではたまに活躍馬を出すもののダート主流のレースプログラムということもあり、存在感はそれほどありませんね。

特徴

共通して言えることはダートよりも芝を得意とする種牡馬が多いという点です。

ヘイローの血を引くサンデーサイレンスもアメリカのダートのレースで大活躍した競走馬でしたが、産駒は主に芝レースで大活躍しており、その適性は芝のレースにこそあるという印象があります。(ただゴールドアリュールが産駒から出たようにダートがまったくダメというわけではありません)

またもう一つの特徴としては時計の出やすい馬場への適性もあるという点であり、サンデーサイレンスが日本競馬界に根付いていることや、スプリント戦の多いオーストラリアで活躍していたことはこういった理由があるためだと思います。

ロベルト系は若干中距離よりにはなりますね。

最近ヨーロッパやアメリアではサンデーサイレンスの血をひく競走馬が走って重賞を勝つようなことが多くなってきましたが、この系統は極端に言うと日本でガラパゴス的に発展している系統であり、他の系統にはない爆発的なスピード能力と独自の血が今世界中で求められていると言えます。

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今回は競馬、血統初心者用の入門編

以上最近主流となっている血統を解説してみましたが、次回は血統で具体的にどういった馬券の買い方をしたらいいかなど、具体的な説明をしてみたいと思います。


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