GⅠがある週や気になる重賞競走がある時はヘッポコ予想をお恥ずかしながら公開しているこのブログですが、今回はいつも偉そうに語っている血統に関する記事で、テーマはあの「ディープインパクト」です。
今回からまたブログの新たなシリーズとして種牡馬ごとの自分なりの評価を書いていく”僕の血統論”というシリーズを始めようというわけなんですが、実はここ10年以上は競馬をながら見していた状態で僕は少し”浦島太郎”状態になっています。
以前別の記事には書きましたが、僕は90年代初頭から2000年前後にかけては、あの大ヒットゲーム「ダービースタリオン」や「ウイニングポスト」の影響もあり、田端至さんなどが書いた3000円ぐらいする種牡馬辞典を毎年買って穴があくまで読んでいました(一応競馬を始めたほうが早かったですね)。
ま、いわゆるただの血統マニアなわけですが、そんな僕の脳内種牡馬データも前述したように去年までは種牡馬を気にせずに結果だけ見ていただけなので、かなり古くなっていたりします。
だからこのブログの予想も、当該種牡馬というよりも、実は一世代前の父の父だったり二世代前などのイメージとその馬の現役時代のイメージから結び付けて評価をしていることが多くなっています。
そんなこともり、今回のシリーズはかつての血統マニアの僕があらためて各種牡馬の産駒などを見直しながら、自分なりにアップデートしていくための狙いもあります。
そして一回目は当然のごとく現在というか日本歴史市場でもトップクラスの大種牡馬ディープインパクトなわけです。(画像引用:社台サラブレッドクラブ「ディープインパクト」より)
ディープインパクトの血統
父
*サンデーサイレンス |
父の父
Halo 1969 |
Hail to Reason 1958 | Turn-to | |
Nothirdchance | ||||
Cosmah 1953 | Cosmic Bomb | |||
Almahmoud | ||||
父の母
Wishing Well 1975 |
Understanding 1963 | Promised Land | ||
Pretty Ways | ||||
Mountain Flower 1964 | Montparnasse | |||
Edelweiss | ||||
母
*ウインドインハーヘア |
母の父
Alzao 1980 |
Lyphard 1969 | Northern Dancer | |
Goofed | ||||
Lady Rebecca 1971 | Sir Ivor | |||
Pocahontas | ||||
母の母
Burghclere 1977 |
Busted 1963 | Crepello | ||
Sans Le Sou | ||||
Highclere 1971 | Queen’s Hussar | |||
Highlight |
(Wikipedia 「ディープインパクト」より)
父サンデーサイレンスも言わずと知れた名種牡馬ですが、日本競馬に更なる高いスピード能力を伝えるとともに勝負強い産駒を多数送り出しました。
サンデーサイレンス産駒の特徴は母系に影響される場合が多く、ディープインパクトのように圧倒的な末脚を武器にしていた馬は意外と少なく、どちらかというと好位につけて相手を競り落とすのが得意な馬が多かったような気がします(と言っても多種多様ですが・・・)。
ディープインパクトのように産駒がどれも似ているのと比べると、色々なタイプの産駒を送り出していたノーザンテーストに近いイメージですね。
母系はリファール系のAlzaoにBustedが絡んでいるのでヨーロッパ色が強く、底力のあるスタミナ血統という感じがしますが、一昔前だと僕は少しジリっぽいな感じたでしょうね。
母系の重さにサンデーサイレンスがうまくはまって、スピードの底上げを行えたのではないでしょうか。
ディープインパクト産駒の個人的イメージ
- 上級馬は圧倒的な決め手を持っている場合が多いが、反面後方待機の馬が多く展開やコースに影響される場合が多い。
- 末脚が切れない馬は出世しない。
- 直線でしっかり伸びてくることはほぼ間違いないが、あくまで実力通りに走るため、勝負づけの終わった馬にリベンジを果たすタイプではない。(力どおりに走り、人気薄の激走がない)
- 距離は不問であるが、GⅠクラスになると1200mや3000m以上の極端な距離は前述のように末脚が通用しなくなり(繰り出せなくなり)勝ちきれない。
- ダートはあくまで条件戦まで
- レースに行っての器用さに若干欠ける
- GⅠをいくつも勝つような大物がいない。あくまで末脚がうまくハマって勝つイメージ。(ブログ友達のはしくれさんからジェンティルドンナ!という悲痛な叫びwがありましたが、あくまで全体を通してのイメージで、母系の質がいい割に彼女のようなタイプがほとんどいないということです:ちゃんとこの馬のことは頭にあります)
- サンデーサイレンスは母系を活かすイメージだったが、ディープインパクトは母系不問で自分の特色を強く出している
主な産駒の分析
ジェンティルドンナ
母の父:Bertlini(Danzig系) 母の母の父:リファーズスペシャル(Lyphard系)
主な戦績:ドバイシーマクラシック、有馬記念、ジャパンカップ二回、牝馬三冠などGⅠ7勝(国内6勝)
いきなり僕が上にあげた産駒のイメージからまったく外れる馬が出てきました(笑)が、勝つときは大体33秒台後半から34秒台前半の脚を繰り出しているように、やはり鋭い末脚を武器にしており、スローな展開を好位につけて抜け出すのが得意ですね。
逆に敗れたシーンは比較的ペースが速めで消耗戦になった時に末脚が不発で敗れています。
ここまで勝てたのはスタートの良さにあると思いますが、牝馬ながら年度代表馬になったほどの名馬で、ジャパンカップを2勝している所は凄いと思います。
サトノダイヤモンド
母の父:Orpen(Danzig系) 母の母の父:サザンヘイロー(Halo系)
主な戦績:菊花賞、有馬記念、日本ダービー2着、皐月賞3着、天皇賞春3着 ※現役馬
ジェンティルドンナの次に代表的なディープインパクト産駒は・・・となって悩みました。やはりジェンティル以外GⅠを勝ちまくっている馬があまりいません。
キズナやマカヒキというダービー馬にしようかと思いましたが、有馬記念も勝っておりスケール感でこちらを選びました。
圧倒的な切れ味というよりも中位からのロングスパートが得意な感じがします。
かつてはDanzigと言えばスピードの権化というほど世界的に大活躍していましたが、意外と直系が伸びていません(母系ではライバル種牡馬であったNureyevの血のほうが伸びている気がする)。
ジェンティルドンナとともに母系にDanzig系なのは興味深いところですが、マカヒキとともにぼくはこの馬が今後どういった戦績を残すか注目しています。
この馬たちの結果でディープインパクト産駒の傾向が固まる気がしますが、今のところの傾向だとあと一回GⅠ勝てるかどうか感じがするんですよね。
この馬が菊花賞、有馬記念を勝っていながら天皇賞・春が3着だったことで、やはりディープは長距離では弱点とは言わないまでも信頼しずらいと感じました。
マリアライト
母の父:エルコンドルパサー(Mr Prospector系) 母の母の父:Riverman
主な戦績:エリザベス女王杯、宝塚記念
古馬混合GⅠを2勝していますが、重賞勝ちはこれだけです。
特徴的なのはいずれもやや重のレースを勝っているということで、切れ味がディープ産駒にしてはないことや負けている時は馬券に絡んでいないなど、若干スピードが足らずに勝負強いのは父系よりも母系のRivermanやRibotぽいですね。
ディープ産駒ぽくはないですね。
勝ったレース別の分析
古馬の混合GⅠの勝ち馬
- トーセンラー(マイルチャンピオンシップ)25戦4勝
- ダノンシャーク(マイルチャンピオンシップ)39戦7勝
- リアルインパクト(安田記念)30戦5勝
- スピルバーグ(天皇賞秋)30戦5勝
- ショウナンパンドラ(ジャパンカップ)18戦5勝 ※他に秋華賞勝ち
- ミッキーアイル(マイルチャンピオンシップ)20戦8勝 ※他にNHKマイルカップ
- サトノアラジン(安田記念)24戦7勝 ※現役
- ジェンティルドンナ
- サトノダイヤモンド
面白いところはマイルのGⅠが多いというところでしょうか。
また目立つのは非常に取りこぼしが多いところでGⅡやGⅢを印象ほど勝ちまくっていませんね。クラシックホースがほぼいないのは特徴的とも言えます。
クラシックレースで勝ち負けできない馬はGⅠではマイルまでと見ていいのかもしれませんね。
クラシックホース
- マルセリーナ(2011年桜花賞)22戦4勝
- ジェンティルドンナ(2012年牝馬三冠)19戦10勝
- ディープブリランテ(2012年日本ダービー)7戦3勝
- アユサン(2013年桜花賞)8戦2勝
- キズナ(2013年日本ダービー)14戦7勝
- ハープスター(2014年桜花賞)11戦5勝
- ショウナンパンドラ(2014年秋華賞)18戦5勝
- ミッキークイーン(2015年オークス、秋華賞)15戦5勝※現役
- シンハライト(2016年オークス)6戦5勝
- ヴィブロス(2016年秋華賞)9戦4勝※現役
- ディーマジェスティ(2016年皐月賞)9戦4勝※現役
- マカヒキ(2016年日本ダービー)9戦5勝※現役
- サトノダイヤモンド(2016年菊花賞)※現役
- アルアイン(2017年皐月賞)6戦4勝※現役
注目は桜花賞での強さでしょうか。ファーストクロップのマルセリーナから4年続けて勝利しているなど桜花賞に抜群の相性を見せているのは間違いありません。
また牝馬を見ていくと面白いのは桜花賞を勝った馬たちはオークスでも好走しているものの、どちらかと言えばその後の成績は尻すぼみに終わっているのに対して、オークスを勝った馬たちはその後も安定した走りを見せている点です。
このようなことから2400mを勝ち抜けるような牝馬はかなりの力を持っているとみていいのかもしれません。
ただ基本的に距離が伸びて若干決め手が甘くなる傾向があるので、母系の構成は注意しておいたおく必要があると思われます。
次に牡馬についてはですが、日本ダービーに相性がいいのに対して皐月賞は勝ち切れていません。
皐月賞はどうしてもゴチャゴチャしたレース展開になるので、レースに行っての器用さの欠ける長くいい脚を使うタイプのディープインパクト産駒は少し割引が必要なのでしょう。
以上とりあえずですが、今後産駒のGⅠホースをピックアップしながらこの記事もアップデートします(今さらこの記事を仕上げるのにめっちゃ時間がかかりそうなことに気づきましたw)。