アジア相手ですら苦戦している日本のバスケットボール
日本のプロスポーツとして野球やサッカー、テニスやゴルフはよく知られているとは思いますが、スポーツニュースでの取り上げ方を見れば、どのスポーツが好まれているか、認識されているかは一目瞭然でしょう。
今回取り上げるバスケットボールも一時期の運営団体同士の混乱などから抜け出し、2016年から統一されたプロリーグB.LEAGUE(Bリーグ)が存在しているのですが、まだまだ一般世間の認知度と言えば?と言えるでしょう。
僕の地元にもチームは存在していますが、地元メディアの取り上げ方もごくわずかであり、どうやって経営が成り立っているか不思議なレベルです。
こういった問題はマスコミを始めとした地元メディアがいかにコンテンツとして盛り上げるかが成功のカギだとは思いますが、僕がゴリゴリのバスケファンではないにしても残念であり、もどかしい部分ではあります。
これもコンテンツとしての魅力が現状ないのが原因だとは思いますが、実際に世界ランキングを調べてみても今日現在(2018年8月17日)の日本の男子バスケットボールのランキングは49位(FIBAランキング)であり、サッカーの55位(FIFAランキング)に比べて多少上回っているとは言っても競技人口や世界的な盛り上がりを考えると、雲泥の差と言えます。
この49位という順位も実際アジアの中では八番目であり、オーストラリアの10位、イランの25位、次いで中国(29位)、フィリピン(30位)、韓国(33位)ということを考えるといかに世界的基準から離れているかが分かると思います。
先日ワールドカップアジア一次予選で男子の代表がオーストラリアに初めて勝ったというニュースもありましたが、それまでの予選の経過四連敗で最下位だったことを考えると素直に喜べない部分もあります。
このように他のプロスポーツと比べると前途多難とも言える日本のバスケットボール界なのですが、未来への希望がないのかというと実はそうではありません。
現在、バスケットの本場アメリカを中心として、日本の多数の才能が磨かれているので、今回はその一部を紹介したいと思います。
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八村塁(はちむらるい)
何と言っても現在の日本バスケットボール界最大の有望株と言えば八村塁(はちむらるい)君でしょう。
1998年富山県出身の20歳であり、現在はアメリカのNCAA(全米大学体育協会)の強豪ゴンザガ大学に所属し、一年目から全米学生選手権で準優勝の一員となるなど活躍しました。
当初は言葉の壁や体の線が細かったこともあり、当初はリザーブの選手だったものの、徐々にシックスマン(試合のカギを握る六番目の選手)てして評価を受け、現在は主力の一人にまで成長し、NBAに一番近い日本人と言われています。
中学の部活からバスケを始めるなどそのスタートは早くはありませんが、日本のプロレベルより高いと言われるNCAAでトップレベルのフォワード(パワーフォワードやスモールフォワード:分かりやすく言うと攻撃に絡む選手です)として活躍しておりいずれNBAでもドラフトされるのではないかと言われていますね。
特徴は動画を見てもらえれば分かりますが、現在205㎝体重105㎏前後と言われる恵まれた体格でありながら、そのサイズを感じさせない俊敏な動きでしょう。
ガードやNBAのトップクラスのプレーヤーほどのスピードがあるわけではありませんが、デカい日本人はなんとなく動きがノロいというイメージを完全に拭い去ってくれる日本人のトッププロスペクトであることは間違いありません。
インサイドで体を張れるだけでなく場合によっては外からシュートを打てるのは魅力ですね。
とにかくNCAAの決勝トーナメントで普通にやれているだけで凄いと思いますが、課題は試合によって少し波があるところと、NBAで活躍するとなると身長もあと5㎝ほしかったところですね。まぁ、それは贅沢の言い過ぎでしょうか(笑)。
お父さんがベナン人でお母さんが日本人です。
先日のオーストラリア戦の勝利も八村君の活躍のおかげですね。
渡邊雄太(わたなべゆうた)
今回取り上げる有望株はいずれもお父さんが日本人ではないハーフの選手ばかりなんですが、この渡邊雄太君はお父さんお母さんともに日本人の純日本産選手です。
いずれ両親ともに日本人(この言い方も微妙ですがニュアンスはご理解ください)の選手も珍しくなってくるでしょうが、206㎝93㎏という日本人離れした身体の秘密は、両親ともにバスケットボールの実業団でプレイしていたほどの選手だったというのがカラクリのようです。
八村君を超える身長でインサイドの選手として使いたくなりますが、色々動画を見ていると活躍はアウトサイドからのシュートが多いですね。
ハンドリングやディフェンスもうまいオールラウンドプレーヤーでセンター以外ならどこでもそつなくこなしそうですが、こういったタイプは日本だと使い方を間違えそうで怖いですね。
1994年香川県生まれの23歳で、高校(尽誠学園)卒業後は有力校の一つジョージ・ワシントン大学で活躍し、NBAのメンフィス・グリズリーズと2-way契約を結んでいます。
現在は支配下登録されただけのプロ契約ではありますが、日本人としては現在一番高い舞台に挑戦していることになり期待しましょう。
渡辺飛勇(わたなべひゅー:Hugh Hogland)
次は今年代表初選出となった渡辺飛勇という選手ですが、1999年生まれの19歳です。
現在アメリカのポートランド大学に在籍中ですが、経歴は異色です。
お父さんがアメリカ人お母さんが日本人でハワイ生まれハワイ育ちということもありアメリカ名はHugh Hogland(ヒュー・ホグランド)というそうです。
注目は身長207㎝体重106㎏という日本代表の中でも最高クラスの身体に、垂直跳びは80㎝オーバーという身体能力ですが、ワンステップすればジャンプは90㎝はらくらく超えるとも言われています。
また大学進学はバスケットではなくバレーボールで奨学金を狙っていたそうで、真剣にバスケに取り組み始めてからまだあまり時間はたっていないものの、身体能力の高さはバレーのおかげのようです。
父方の祖父のダグ・ホグランドは1950年代にサンフランシスコ49ersに6年間在籍したプロのアメリカンフットボールプレーヤーでオフェンスのラインマンとして活躍したようです。
父方の親戚が多く住んでいるポートランド大学は中堅校のようですが、年齢・キャリア的にはこれからの選手という感じですね。
日本代表には母親の”うちの息子を代表合宿に参加させるにはどうしたらいいかという”電話がきっかけだったと言われています。
動画でチラッと見た感じだとパワー>スピードのセンターよりのプレーヤーという感じがしますが、テクニック的にはまだまだこれからという印象です(素人の僕が言うのもなんですが・・・)。
田中力(たなかちから)
2002年5月4日生まれで神奈川県出身の16歳です。
お父さんはアメリカ人でお母さんが日本人なんですが、2017年に中学生で日本代表に選出されたほどの逸材です。
横須賀市立諏訪小学校から横須賀市立坂本中学校に進み中学校を卒業したばかりですが、小学生時代にはチーム得点87点中85点を決めたという伝説もあります。
現在はアメリカに渡り錦織も指導を受けたエリート養成機関IMGアカデミーで英才教育を受けていますが、これから身体を含めてどういった成長をしていくか楽しみな存在ですね。
中学時代の動画を見る限りは今は攻撃特化型のフォワードという感じですね。
大人に比べるとまだまだシュートの正確性は及ばないようですが、将来性も含めてその才能に関係者が絶賛しています。
シェーファーアヴィ幸樹(シェーファー・アヴィゆうき)
詳しい情報がないのですが、八村塁君と同級生のようなので、1998年生まれだと思われます。
現在ジョージア工科大学に所属し技術を磨いているようですが、スポーツ系メディアの記事によると現在2m5㎝107㎏ということで渡辺飛勇君と体格は近いようですね。
注目は渡辺君と同じく極めてバスケットのキャリアが短いようで、高校1年までサッカーをしていて、転校を機にバスケを始めただけなのに、バスケを始めて3年で代表に選出されています。
サッカーをしていた時代は背は高いもののフィジカルが弱く自らクラウチ(元イングランド代表の長身プレーヤー)のようだったといっているようですが、アメリカに渡り体も大きくなったのでどういった選手になるか楽しみですね。
リバウンドが強いのが武器のようですが、リアル桜木花道がどんな選手になるのか楽しみですね。
魅力は”伸びしろ”でしょうか(笑)