スロースターターのイチローも今年は44歳
先日の記事ではマイアミマーリンズに所属するイチロー(43歳)古巣シアトルマリナーズの本拠地セーフコフィールドでホームランを放ち、メジャーで通算17シーズン(プロ通算では25年)連続ホームランを打つという新たなイチロー伝説を作ったことをお伝えしましたが、実は現在少しヤバい状況です。(画像引用:MLB公式サイトより)
本日(現地時間では2017年4月30日)の試合で4月の日程を終えましたが、4月の月間記録が下になります。
年 | 打率 | 試合数 | 打数 | 得点 | 安打 | 二塁打 | 三塁打 | 本塁打 | 塁打数 | 打点 | 三振 | 四球 | 死球 | 犠打 | 犠飛 | 盗塁 | 出塁率 | 長打率 |
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2017 | .148 | 19 | 27 | 2 | 4 | 1 | 0 | 1 | 8 | 1 | 8 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | .179 | .296 |
ちょっとまずいですね。
例年4月の打率は低いことで有名なイチローですが、僕の感覚では2割は打っていたはず(過去の月間打率を調べようと思ったんですが見つかりませんでした)なんですが、これだと下手なバッティングのいいピッチャーの打率より低いかもしれませんし、気になるのはその三振数で、首脳陣のイメージとしても決してよくはないはずです。
イチローは極端に三振が多くなる時期と三振をしなくなる時期があるので、このまま掛け算した数字がシーズン結果となるとは思えませんが、なんと言っても今年44歳。ビッグネームにリスペクトは払われるものの、契約はバッサリ切るメジャーの世界なので、早く調子を上げてファンや首脳陣をほっとさせてほしいところですね。
イエリッチ、スタントン、オズーナのマーリンズ若手外野三羽烏の調子も悪くないので難しいところはありますが代打で結果を残すしかありません。
メジャーに在籍する40歳以上の選手の状況
現在(2017年5月1日)メジャーリーグに40歳以上の選手は、バートロ・コローン(1973年生まれ)、R.A.ディッキー(1974年生まれ:ともにアトランタブレーブス)、上原浩治(1975年生まれ:シカゴカブス)、ジェイソン・グリーリー(1976年生まれ:トロントブルージェイズ) 、フェルナンド・ロドニー(1977年3月生まれ:アリゾナダイヤモンドバックス)、カルロス・ベルトラン(1977年4月生まれ:ヒューストンアストロズ)の6人が在籍し、イチローを含めて7人となります。(今年度中に40歳になる選手としては元阪神タイガースのライアン・ボーグルソンやホワキン・ベノアがいます)
興味深いのはほとんどが投手ということで、最年長野手のイチローに次ぐ存在はヤンキースアストロズのベルトランになりますので、いかに野手で現役を続けることが難しいことがよく分かります。去年まではデビッド・オルティスやアレックス・ロドリゲス、ピアジンスキーなどの大物がプレイしていましたが、これでいよいよイチローはシーラカンス並みの希少種になってきたわけです。
少しだけ40歳以上の選手の現在の状況を紹介しておきますと、強豪ブレーブスに所属する”かつての剛腕”コローンや”ナックルボーラー”ディッキーは先発ローテーション投手として例年通りの仕事をしており、われらが日本の上原浩治投手もセットアッパーとして安定した成績を残しています。グリーリーやロドニーに関しては少し調子が上がってこないようですが、彼らもイチローと同じく早く復調する必要がありますね。
殿堂入りも噂されるかつての”5ツールプレーヤー”ベルトランですが、今シーズンはアストロズと1年1600万ドルという巨額契約を結んでプレーしていますが、イチローと違い現在はバッティングのみの選手となっていますので、数字としてはかなり高いものを期待されているものの、調子としてはまだまだこれから上げていかなければいけない状況です。契約が契約だけに数字次第でシビアな判断をされる可能性があります。
以上、メジャーの年長選手を軽く振り返ってみましたが、ほとんど野手が残っていないことを見てもやはりイチローの凄さが際立ちます。現状は少し厳しい状況ではありますが、新たなイチロー伝説をまた見せてもらいたいものですね。