日本人選手の活躍が例年ほど見られず、我々にとって少し話題性に乏しく感じるアメリカのメジャーリーグ(MLB)の世界ですが、実はニューヨークヤンキースの一人の新人が話題となっています。
その若者の名はアーロン・ジャッジ(Aaron Judge)25歳。ポジションはライトで、今年の新人王どころか、MVPまで取ってしまうのでは?と言われている逸材です。
ヤンキースに現れた久々の生え抜きスター選手
ヤンキースと言えばかつてジョー・トーリが監督を務めた90年代後半から00年代前半が一番近い黄金期でしたが、この頃はいやゆる”コア4“と呼ばれるホームグロウン(生え抜き)選手が主力におり、人気とともに高い実力と結果を示していました。
コア4とはデレク・ジーター、ホルヘ・ポサダ、マリアノ・リベラ、アンディ・ペティットの4人を指しますが、ジーターを筆頭にメジャーリーグ全体の中でも歴史に残るような選手達が自分の球団から出てきて活躍すれば、そりゃあニューヨークは盛り上がりますし、強いはずですよね。
しかも他にもバーニー・ウィリアムスもホームグロウンの選手としていましたから、これに金の力にものを言わせて補強されたらライバルチームはどうしようもありません。憎たらしいぐらい強かったですね。
ただ、皆さんもご存知のゴジラこと松井秀喜が入団したあたりから、この生え抜き選手たちの高齢化も進み、黄金時代が終わってしまいます。
その後、外部からの補強により、ヤンキースもそこそこの成績は残しますが、やはり生え抜き選手の活躍もないと、いくら強さを求めるヤンキースファンとしても嬉しさは半減だったでしょうね。(一番一喜一憂していたのは先代のスタインブレインオーナーでしょうが・・・)
最近のヤンキースにはコア4ほどのインパクトのある成績や印象を残せるホームグロウンの選手がブレッド・ガードナーぐらいしかいなかった(僕が覚えていないだけかも)わけですが、そんなニューヨークに現れた超新星こそがアーロン・ジャッジなわけです。
おそらくこのまま怪我をせずにキャリアを詰めばあのジーターに並ぶ人気と実力を得ることは間違いないでしょう。
アーロン・ジャッジのプロフィールと今年の成績
プロフィール
1992年4月26日カリフォルニア生まれの25歳。背番号99でポジションは主にライト
身長200.8cm 体重128kg(で、デカイ)
2013年の大学在学時にドラフト1巡目(全体32位:MLBは完全ウェーバー制になります)でヤンキースに指名され卒業とともに入団し、3年間はマイナーリーグで順調に経験を積んだ後、昨年2016年に待望のメジャーデビューを果たします(出場は27試合のみ)。
そして本格的なメジャーリーグデビューとなった今年に一気にブレイクしてしまったわけです。とにかく今年の数字がもう凄いの一言です。
現在までの成績(2017年)
年 | チーム | 打率 | 試合数 | 打数 | 得点 | 安打 | 二塁打 | 三塁打 | 本塁打 | 塁打数 | 打点 | 三振 | 四球 | 死球 | 犠打 | 犠飛 | 盗塁 | 出塁率 | 長打率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2017 | ヤンキース | .330 | 79 | 282 | 72 | 93 | 13 | 3 | 27 | 193 | 62 | 99 | 58 | 3 | 0 | 0 | 6 | .449 | .684 |
※以上は2017年7月5日現在のものとなります。(Sportsnaviより)
実は最近まで三冠王だったわけですが、とにかく注目は恵まれた体格を活かした長打力ですね。三振は300打席未満で99と若干多いのが気になりますが、打率も高くすでに恐怖の新人どころか僕が超新星とよぶ理由がよく分かると思います。
プレイスタイル
動画を見ていただくと分かりますが、引っ張った時のホームランなどは同チームにいた若干アレックス・ロドリゲスを彷彿とさせるものがありますし、また引きつけて右方向へ打った時などはジーターぽくもありますね(ただジーターと比べると、インコースを上手くさばくなど、まだそこまでのいやらしさはないですね)。
単なる引っ張る打者ではない上に、当たると右方向でも簡単にスタンドインしてしまうパワーがあるので こういう打者はメジャーリーグでしかお目にかかれない選手であり、メジャーの面白いところですよね。
守備と走塁に関してはざっくりとしか見ていないのですが、2m超の選手としては動きにそれほどモッサリ感もなく、かなり動ける選手であり平均以上だと思います。
アメリカンフットボールの選手としてアメリカの有力大学から誘われていたというのも納得ですが、こういった選手は節制していないと30歳を超えたあたりから途端に動けなくなるので、イチローなどを見習って今のクオリティを保ってもらいたいもんですね。
ヤンキースでの役割
最近は主に三番を任されることが多くなってきましたが、最近のメジャーリーグでもなかなか安定して40本塁打を打つことのできる打者が少なくなってきました。
かつてのアレックス・ロドリゲスなどと同じように求められるのはやはり一発でしょう。現在のヤンキースに長距離砲と呼べる選手もいないので、おそらくある程度三振が増えようが現在のところ求められるのはそこでしょう。
あの松井秀喜との共演も
実はあの松井秀喜と球団の公式コント?でアーロン・ジャッジと共演しています。恐らくマイナー選手の巡回コーチをしていた縁でしょうが、いかに松井がヤンキースの選手として認められており、人気があったことがよく分かりますね。(松井の横にいるのはガードナーみたいです)
以上、あまりメジャーリーグを見ない方のために期待の選手として紹介しましたが、アーロン・ジャッジという名前を覚えておくと、おそらく職場の野球好きのおっさん達にはお!知ってるねと話が弾むとだと思います。
大柄なので怪我をして選手生命が短くなる可能性もありますが、さらにとんでもない化物的な数字を残すかもしれませんので今後に注目です。