週刊少年サンデーが瀕死! その理由を考えてみた

週刊少年サンデー

三大少年誌の一角もいまや30万部がやっとの危機的状況

週刊少年サンデー(以下サンデー)が売れていません。それもとんでもなく売れていないようです。

ご存知のようにサンデーと言えば小学館が発行している少年向けのマンガ雑誌ですが、かつて集英社の週刊少年ジャンプや講談社の週刊少年マガジンとともに週刊マンガ雑誌の三強を形成していました

僕が青春時代を過ごした80年代~90年代にかけては、まさしく全盛期であり、最盛期には230万部売れていた時期もあったそうです。

さすがに週刊少年ジャンプの最高発行部数約650万部(1995年)というのはとんでもない数字ですが、ジャンプの人気作品がのきなみ終了し暗黒期に入った時期にはマガジンとともに肉薄した時もありました。

今は子供の数も減り、ジャンプやマガジンもかなりの部数を落としていますが、それでもなおそれぞれが180万部、75万部近くの売りあげているそうですが、最近のサンデーの売り上げは大体約30万部前後だそうです。

三誌以外のマンガ雑誌だと10万部を切る雑誌がほとんどなですが、十年前の2008年頃にはまだ90万部売れていたことを考えると、十年で三分の一になっているという現状は、かなりの危機的な状態と言ってもいいでしょう。

一人暮らしをし始めたころなんかはコンビニに出ているようなマンガ雑誌をほぼすべて買っていた僕にとっては、サンデーが一番輝いていた頃も知っていたわけで寂しい限りなんですが、なぜサンデーほどの雑誌が今売れなくなってしまったのか、僕なりに考えてみたいと思います。

今回はコラム風の独り言でお送りします(笑)。

スポンサーリンク


週刊少年サンデーの全盛期

最高発行部数は1983年の228万部

雑誌の発行部数などは日本雑誌協会(社)などやWikipediaなどで調べることができるのですが、サンデーが一番売れたのは1983年の228万部が最高のようです。

この頃、僕は小学生だったわけですが、調べなおしてみるとこの時代は「タッチ」(あだち充)や「六三四の剣」(村上もとか)、「ふたり鷹」(新谷かおる)などがサンデーで連載されていた時期です。

さすがに小学生だった僕は少ないこづかい(たしか月500円ぐらいしかもらっていませんでした。ただ、たまに祖母から五千円ぐらいこっそりもらってヘソクリにしてましたが・・・)からジャンプを時々買うのが限界だった時期なので、この時期のサンデー作品はこじんまりした食堂など食べ物屋に行った時に読んだり、コミックになったものを少し後になって読むという状況でした。

そのため、リアルタイムでサンデーを読み込んいたというわけではないのですが、当時の印象としては、この時期のサンデーはストーリーや設定・キャラクターなどに重点を置いていた感じでした。

また当時のサンデーやマガジンは小学生の子供向きという感じではなく、高校生から少し上の世代に向けた内容の作品が多かったと記憶しています。だから今の子供、感覚的にウケる作品はおそらくそれほど多くないような感じでしたね。(「六三四の剣」なんかはウケそうな気はしますが)

例えるなら、今ならビッグコミックオリジナルにサンデーは少し近い感じだったんですが、イロモノ系マンガの代表格とも言える島本和彦先生(「アオイホノオ」などの作者)の「炎の転校生」などが違和感なく溶け込んでいた(と言っても当時から異質でしたが・・・)ことを考えても前時代的な時期であり、大人が読むマンガ雑誌でしたね。

そういった意味では読み手を選ぶ感じもして大衆的とは言えず、”真の意味での全盛期”ではないと僕は思います。

個人的には90年代が黄金期

では、いつがサンデーの”真の全盛期”なのかというのは、実は僕の中でははっきりとした答えが出ているわけではありません。

ただ、ざっくりとした言い方になってしまいますが、90年代こそサンデーは輝いていた時期であり、ジャンプやマガジンにはない独自性を保っていた時期でもあると思います。

それこそ子供から大人まで老若男女のマンガ好きに読まれていたのはこの時期でしょう。

当時の僕の分析では”王道少年マンガ”で総合力のジャンプ、絵は下手なもの多いけど”ストーリーやキャラクター”ならマガジン、”絵がきれいで読みやすい、入り込みやすい”のがサンデーというマンガ雑誌の評価でしたが、どの作品をいつ読んでも楽しめる、マンガとしてのウマさを一番感じさせる作品が多いのがサンデーという印象でした。

ホームランバッターは少ないけど、どこからでもヒットを打てるマシンガン打線というのがサンデーでしたね。

Wikipediaなどで当時の連載作品を振り返っても

「らんま1/2」、「拳児」、「機動警察パトレイバー」、「うっちゃれ五所瓦」、「YAIBA」、「帯をギュッとね!」、「スプリガン」、「健太やります!」、「うしおととら」、「TOUGH」、「今日から俺は!!」、「GS美神 極楽大作戦」、「H2」

など、これ以外にも同クラスの作品がたくさんあり、この後も「名探偵コナン」や「ガンバ!Fly High」、「MAJOR」、「じゃじゃ馬グルーミン★UP!」などが出てきますので、今さらながらさすが三大少年誌の一つという内容でしたね。

いや、ほんと改めて見るとスゴいラインナップですし、今このラインナップを再録しただけでジャンプさえ上回りそうな気がしますしす。(マジでそう思う)

本当に当時のサンデーは平均点が高い作品が多く、読み飛ばすような作品が少なかったと思います。

スポンサーリンク


誰が、いつ読んでも受け入れやすいのがサンデーの特徴だったはず

さて、ここからが現在のサンデーの問題点を語っていきたいと思いますが、前述した通り、かつてのサンデーの良さとは、しっかりとした画力や絵柄をベースとした作品の読みやすが最大の特徴だったと思います。

さらに、スポーツを題材とした作品も取り入れることにより、初見で読んでもなんとなく話が分かる、とっつきやすさは最大の武器でした。

スポーツ物やバトル物を取り入れるということは、ストーリーの先が見えやすくなるので、読んだことない作品でも話にすんなり入り込みやすいわけです。

みなさんも経験あると思いますが、はじめて読んだマンガ雑誌が癖の強い絵柄や設定だと、目には止まりませんよね。そういう意味では初心者には非常に優しい雑誌だったはずなんです。

それが今はどうでしょう。

「MAJOR 2nd」や「BE BLUES」などはスポーツものということもあって、途中参加もしやすい作品だと思うんですが、現在連載中の作品の多くは、日常のほのぼの系要素をふんだんに取り入れたものが多く、かと言って画力や絵面(えづら)がそれほど高いわけではないので、非常に初心者には受け入れられにくい作品が多くないでしょうか。

それでいて、主人公をはじめとするキャラクター設定やデザインも少し詰め切れていないという印象を受けます。

「うしおととら」などを例にとると分かりやすいんですが、昔の作品は今でもパッと主人公や主要キャラの絵が浮かびますが、今サンデーでやっている作品が十年経った時に、パッと思い浮かぶ主人公がいるかというと非常に厳しいというのが実情でしょう。

そう考えると現在の作品は全体的に内容が内向きであり、作者が自分の好きな話と絵を書いているという印象を受けます。言ってしまえば、外に向かっていない(一般的な読者に受けようと思っていない)という印象を受けるんですよ。

スポンサーリンク


もっと主人公をヒーロー化してみては?

最近のサンデー作品に限ったわけではありませんが、最近のマンガ作品は時代のせいか、主人公のヒーロー感が薄れてきているという印象を受けます。

ジャンプでも「ONE PIECE」や「僕のヒーローアカデミア」、「約束のネバーランド」などが現在連載中で人気がありますが、主人公もある程度の能力が備わっていますが、どちらかというとみんなで協力して目の前の危機を乗り越えるという展開が多いと思いますし、最近は「HUNTER×HUNTER」などのように主人公が下手したら何にもしないなんてこともありますね。

これに対して昔の作品、「北斗の拳」や「キン肉マン」、「ドラゴンボール」、サンデーで言うと「拳児」や「うっちゃれ五所瓦」、「スプリガン」などは主人公の活躍を中心として話が展開していました。

どちらがいいというのは難しいところですし、個人的な感覚の問題もあると思います。

また、サンデーは元々後者のタイプの作品が多かったのですが、現在のサンデーがどうかというと後者でありながら、なおかつ全体(主人公のまわり)としてのパワー(キャラの魅力)が足らないという印象を受けます。

「ONE PIECE」は極端な言い方をすれば、ちょっとアホで天然な主人公を魅力的な仲間がサポートするという構図がしっかりできているんですが、今のサンデーのほとんどの作品にキャラクター全体にパワーがあるかというと疑問です。

伝統的にサンデーは日常系のほのぼの展開の作品はうまいと思うし、今も多いと思うんですが、昔の作品に比べてキャラクターに華がなくては、中々読もうという気にはなりにくいと思うんですよね。

パッと見ただけでそのキャラクターが主人公の仲間なのか敵なのかという味付けも曖昧な作品が多く、色々な意味で中途半端な作品が多いというのが個人的にはどうしても気になるわけです。

となるとですね、見出しにも書いたように主人公を強くする(魅力的にする)のが手っ取り早いと思います。

その代表的な例を挙げるとすればジャンプ系の「ワンパンマン」なんかがいい例ですが、この作品は圧倒的な主人公の力を面白おかしく、時にはまわりからミステリアスな存在として描くことで絶妙なバランスで成立しています。

それこそストーリーは変わったことをするわけでもなく、様々な印象的な雑魚キャラクターを登場させることで、話の抑揚をつけているわけで、今のサンデーに足らないのはこの登場キャラクターたちの強弱だと思うんですよね。

現在はすでに連載が終了していますがサンデーには先日まで「マギ」という作品もありました。

この作品は最近のいかにもサンデーという感じの作品でしたが、キャラクターはいかにもビジュアル優先という感じで後半は主人公が埋没している印象でした。

あくまで例に出しただけで、この作品が悪いとはいいたくはないんですが、結局何が言いたいかというと今のサンデーの作品にはスーパーヒーローやスターがほとんど存在しないということを言いたいわけです。

90年代の作品で例に出した作品を知っていれば、どの作品も主人公がパッと思いつくはずです。それこそ主人公だけでなく、仲間やライバルキャラなんかも当然すぐに出てくるものがほとんどでしょう。

そう考えるとですね、ほのぼの系やみんなで協力して敵を倒す!、という同じようなやり方では手遅れになってしまうわけで、今こそ「うしおととら」や「B・B」、「スプリガン」など骨太な作品をやったほうが、かつての栄光を取り戻す第一歩になると僕は感じます。

以上、個人的な考えを述べてみましたが、かつてのどこを切っても面白いサンデーに早く戻ってほしいと思います。

関連記事

コメント

  1. サンデー好き名無しさん より:

    現在サンデーに連載してる中では「蒼穹のアリアドネ」のラシルがヒーロー化し易そう

    • neCOSTA より:

      「蒼穹のアリアドネ」は確かジャンプで一回読み切りで発表してましたね。

      僕は八木先生の「CLAYMORE」は設定や展開が面白く好きだったんですが、あれに比べると少しカッコよさに欠けるのがもったいないなぁと感じてました。
      王道作品なので今のサンデーはこういう作品は増やしたほうがいいと思うんですがね