「七つの大罪」:このマンガが面白い(10)

七つの大罪

”このマンガが面白い”シリーズはこのブログのネタのない時に差し込む苦し紛れ(笑)企画ですが、第10回目の今回は週刊少年マガジン(講談社)で連載中の人気マンガ「七つの大罪」です。

実は10回目ということで自分的に特別なマンガを取り上げたわけでは全くないのですが、今回は人気ゲームアプリであるモンスターストライクと昨日(2017年9月15日)からコラボが始まったので思い出して取り上げてみました。

自分的にこの企画で取り上げる作品に対しては、ある程度の線引きはしているものの、意外とラインは低かったりしますんで、もしかしたら読んで”全然おもんないやないか!”となる可能性もありますので、そのへんはあらかじめご了承ください。

ま、僕の作品ごとの思い入れに関しては文章中の熱量などからお察しください(笑)

(画像引用:講談社 週刊少年マガジン「七つの大罪」より)

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「七つの大罪」とは

2012年より講談社の週刊少年マガジンで連載されている作品で作者はかつて週刊少年ジャンプ(集英社)で「ライジングインパクト」を連載していた鈴木央(すずき なかば)さんとなります。

作品は中世ヨーロッパをモチーフとしたSFファンタジー作品で、作品には騎士や悪魔(魔神)、魔法などが登場するほか、円卓の騎士など「アーサー王物語」をモチーフとした登場人物が数多く登場します。

2014年にはテレビアニメ化もされており、累計部数はすでに2000万部を突破している人気作品です。

あらすじ

かつてブリタニア大陸随一リオネス王国でもその名をはせた元大罪人で組織された騎士団「七つの大罪」は10年前の王国へ謀反の罪でお尋ね者になっています。

その「七つの大罪」リーダー”憤怒の罪”のメリオダスは、自ら営む移動式酒場でひとり、店主をしながら身を潜めていますが、ある日リオネス王国の第三王女であるエリザベスと出会います。

ただ実はこのころ、リオネス王国は本来王国を守護するはずの聖騎士の謀反により混乱に陥っており、エリザベスは王都から脱出してきたわけで、旧知の間柄でもあるメリオダスに王都奪還の助力を求めるというお話ですが、その謀反には人間以外の力も加わっていて・・・という中でどんどん話が展開していきます。

「FAIRY TAIL」の後を引き継ぐマガジンの王道少年マンガ

さてここからが感想となりますが、見出しにもあるように完全な王道系の作品です。

以前に記事でも取り上げた「FAIRY TAIL」でも王道系少年マンガのテンプレートどおりで面白かったと書きましたが、この作品も同じように変化球一切なしのTHE少年マンガと言えます。

まさしく勧善懲悪の分かりやすい作品なんですが、一見すると澄ました大人には少し子供っぽい内容と感じられる人もいるかもしれませんが、個人的にはこういった王道系は全く嫌いではありませんし、頭を空っぽにしてドンドン読み進めることができるという点で僕は非常に評価しています。

マガジンも「FAIRY TAIL」の終了により一つの軸を失ったわけですが、週刊少年ジャンプと違い、この「七つの大罪」や「ダイヤのエース」といったジャンルの違う王道系マンガがしっかりしているという点で、まだジャンプのような明らかに特定のジャンルのファン向けの雑誌になり下がったという落日感は感じませんね。

中二魂をくすぐる剣と魔法の世界

内容に関しては男子だけでなくファンタジー好きの女子のハートも鷲掴みにする、”ありがち”な中世ヨーロッパ風の世界感のお話ですが、キリスト教で有名な「七つの大罪」や「アーサー王物語」をうまくミックスさせて独特の世界観を作り上げていることが評価できます。

同じような作品は古今東西たくさんありますが、例えば現在週刊少年ジャンプで連載中の「ブラッククローバー」あたりとの違いは、もちろん画力などの差はあるものの、ある程度世間の人が知っていたり、聞いたことがあるような名前や話を絡めることにより、親近感や物語の入りやすさを演出しているような気がします。

登場人物にはランスロットやアーサーも出てきますが、おそらく中学生ぐらいであれば何となく聞いたことあるなと感じるでしょうし、大人であれば”アーサー王の話なの?”とある程度の予測を立てながら話を読み進められますし、このあたりの予想を元ネタをある程度踏襲しながら裏切ることで、読者の斜め上を行くことができるので、よい効果を生んでいますね。

魅力的な仲間と強力な個性を放つ敵キャラクター

実はこの作品、絵が独特なタッチということもあって、序盤はそれほど面白いとは感じず、極めて普通のマンガかなと感じていたんですが、第二部に入ったあたりから面白くなってきたような気がしますね。

少しネタバレ気味に書くと、序盤は七つの大罪が全員揃うわけではなく、少し小物感のある相手に圧倒的な力をもつ主人公側があっさり勝つので、予想不能な展開的ドキドキというよりも、小さなエピソードを挟みながら核心に近づいていくだけだったんですよね。

だから主人公メリオダスもなんか強いチンチクリンな少年風のおっさん、仲間の「強欲の罪」で不死者のバンもなんだか性格悪そうな奴という感じであまり魅力を感じさせる雰囲気ではありませんでした。

ただ、面白くなり始めたのはやはり少し敵が強化されてきたあたりからなんですが、七つの大罪の力の正体が明らかになったり、眠っていた力を開放していくようになってから物語はどんどん面白くなっていったような気がします。

ちょうど「ドラゴンボール」で言えば、割と和気あいあい気味だった物語が、ピッコロ大魔王の登場により絶望感が出てきて、真のバトルマンガになってきたところと似ているような気がします。

また、この「ドラゴンボール」へのオマージュなんでしょうが、戦闘力と同じようなものとして最近は闘級という要素がこの「七つの大罪」には登場してきます。

ありがちと言えばありがちなのですが、このマンガには魔法という要素もあるので、RPGゲームのような魔力など要素ごとの闘級もあり、単純な数字の大きさが強さの比較にならないところもうまくインフレ具合を抑えているように感じます。

やはり敵の個性が強くなってくると話は盛り上がりますね。

イマイチ面白くないと感じるマンガとの差

最後に現在のジャンプの王道系マンガと一体何が違うのかを考えてみたいのですが、現在ジャンプにも「ブラッククローバー」や「鬼滅の刃」、「僕のヒーローアカデミア」このあたりと何が決定的に違うのかと考えた場合、画力や主人公の魅力と、周辺キャラクターの立ち具合にやはり若干の開きがあるように感じます。

「七つの大罪」がすべて揃っているかというと若干主人公の魅力という点で弱さはあるのですが、前述の三作品に関してはどこか一つづつ確実にダメな部分が存在しているように感じます。

もちろんこれらのマンガが面白いという方たちの意見も僕も”ああ、このあたりが面白いんだな”と理解できる部分はたくさんあります。

まず、「ブラッククローバー」であれば絶対的に画力が追い付いていないこともありますし、主人公が魔力を使えずに周りは魔法を使えるという対比は非常にいいものの、主人公以外のキャラクターのそれぞれの差を考えた場合、少し色分けが弱いと感じます。

たとえば「七つの大罪」であれば、このあたりを種族の違い(妖精がいたり、巨人がいたり不死者、魔法使いなどがいます)で解決できていますので、もうひとつ何かしらの捻りが欲しかったところです。

次に「鬼滅の刃」に関してですが、こちらも画力不足は明確ですし、全体的にキャラクターの描写が6頭身ぐらい(勝手なイメージです)でまとまっています。

ストーリーはですね、何となく面白いことをやろうとしているのは理解できるんですが、せっかくのお話もこの敵味方問わずチンチクリンなせいで、お互いの魅力が半減している所は、キャラクターや設定のオリジナリティを殺しているように感じます。

もう少し、身長差をつけたり種族的や出自の要素があればもっと面白くできた作品と感じて残念です。

「僕のヒーローアカデミア」に関しては、前二つよりは少しいいかなとは感じますが、どうにもこうにも主人公が主人公である必要がないですよね。

そして全く魅力的ではないし、成長による爽快感もあまり感じることができません。

また、この作品に関して少し感じるのは元々あくまでヒーローの高校のような舞台設定であったのが、どんどん話が飛躍しており敵が強化されていっているものの、大人のヒーローの強さがあまり感じることができません。

このあたりの設定の整合性や説得力があればもう少し、納得しながら読めるとは思いますが、こういった王道系の作品でサクサク読めずにツッコミをいれたくなるというところが三作品の改善すべき点であるように感じますね。

最後は週刊少年ジャンプのダメ出しのような形にはなってしまいましたが、上記のようなことを突き詰めていくと、王道作品も簡単なようでいて簡単でないなと感じてしまいます。

これを作者のセンスといってしまえばそれまでなんですが、続きが気になる作品はいまだにこの「七つの大罪」のほうで間違いありません。