期待大!マンガ「線は、僕を描く」週刊少年マガジンの新連載が面白い!(感想)

線は、僕を描く

「聲の形(こえのかたち)」以来の名作になる予感

マンガの新連載のほとんどは、ひっそりと始まりいつの間にか終わってしまうものですが、知る人ぞ知る名作もあれば、話題にもならなかった駄作も多数存在します。

それこそ誰もが知る大ヒット作品や名作・面白い作品を生みだすことのほうがある種奇跡的とも言え、一部の天才にしか与えられない結果でしょう。

出版社やマンガ家もその方法やコツを分かっていれば苦労はしないでしょうが、読者側としても、いつだって面白い作品がないかアンテナをはっていますよね。

そういう意味で、マンガ雑誌の新連載というのは恰好の場であるんですが、今週の週刊少年マガジン(2019年第29号:2019年6月19日発売)の新連載作品「線は、僕を描く」という作品が、かなり目を引く内容だったので取り上げて紹介したいと思います。

週刊少年マガジンと言えば、このサイトでは応援しつつもその迷走ぶりに、応援の意味を込めてけなしてしまうことのほうが多いのですが、今回の作品は特によく、

どうした週マガ? やればできるじゃん!

と思わず感心したほどで、いつもはパラパラと速読気味に読む僕が、不意に読み込んでしまったほどです。

この感覚は、近年の新連載の中ではすでに実績のあったマンガ家さんをのぞくと2013年から2014年にかけて連載された「聲の形(こえのかたち)」の最初の読み切り以来のような気がします。

マンガ好きの方にならご存知の方も多いとは思いますが、この「線は、僕を描く」が隠れた名作として名高い「聲の形(こえのかたち)」になり得るのか、感想などを書きながらまだ未読の方向けに作品をフォーカスしてみたいと思います。

(画像引用:週刊少年マガジン公式サイト「線は、僕を描く」より)

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「線は、僕を描く」とは

「線は、僕を描く」とは砥上裕將 (とがみ ひろまさ)さんの小説が原作となります。

砥上さんは本作で第59回メフィスト賞を受賞し、小説家デビューとなったわけですが、その後、堀内厚徳(ほりうち あつのり)の作画により、週刊少年マガジン(講談社)2019年第29号からマンガとしての連載がスタートしました。

あらすじ

両親を交通事故で失った大学生の青山霜介(あおやまそうすけ)は、とあるアルバイト先の展覧会場で一人の老人に呼び止められます。

霜介は一緒にお昼ご飯を食べようと誘われ、展覧会場の控室で来賓用の弁当を食べながら会話をし、ともに展覧会場の水墨画を見ることになります。

水墨画に関してはまったくの素人だった彼ですが、その感性や所作を老人に気に入られた霜介は”内弟子にならないか?”と誘われます。

実はその老人とは教科書にも載るほどの巨匠篠田湖山その人だったわけですが、”なんの冗談で自分が”と思いつつも、言われた通り後日湖山の家を訪ねます。

先日の非礼を詫びつつも水墨画について湖山から手ほどきを受ける霜介でしたが、一枚、一枚と書いていくうちにハマりこみ描き続けます。

ウトウトと昼寝をしていた湖山は目を覚ますと、その作品の出来上がりに当初感じた彼の感性を再確認します。

夜になり、湖山の孫で年頃の女性の千瑛(ちあき)が訪ねてきますが、湖山は彼女に素人である霜介がいずれ千瑛のライバルになると告げます。

突然祖父がとったどこの者かも分からない内弟子に対抗心を燃やす千瑛と、はじめて描く水墨画の魅力に徐々に魅了されていく霜介との二人の物語が始まります。

と、こんな感じのはじまりでした。(思い出しながら書いているので間違えていたらいずれ修正します)

砥上裕將

1984年福岡県生まれの水墨画家。

『線は、僕を描く』水墨画動画

堀内厚徳

週刊少年マガジンで「SEKAI NO OWARI物語」(短編。前・後編)、別冊少年マガジンで「ベイビー・ワールドエンド」で連載経験のあるマンガ家。

@horiutikani

マンガ版を読んだ感想

名作になる予感

さて、ここからは第一話を読んだ感想ですが、冒頭にも書いたとおり

非常に良い

と思います。

大絶賛と言ってもいいぐらいで、この記事を書き始めた時には”名作確実!”とも書いていたんですが、まだ第一話だけだったので、二話目以上につまらなくなってしまうと恥ずかしいので、冷静になり全体的にテンションを下げて控えめなタイトルにしました(笑)。

ただ、近年連載が開始されたマガジンの新連載(「EDENS ZERO」なども含みます)の中では非常に安定感を感じましたし、水墨画というこれまで誰も描かなかったジャンルでしっかりと最後まで読ませる展開だったという点で、非常に印象的でした。

これは他のライバル誌、例えば週刊少年ジャンプの岸本斉史先生の新作である「サムライ8 八丸伝」など実力派の先生の作品に比べても遜色のない内容だったように感じます。

第一話は主人公がはじめて水墨画に触れるというプロローグとも言える内容で、特に何かが起こるというストーリーでもなかったんですが、それでいて読ませる展開というのは、原作と作画がうまくマッチしているのだろうと感じました。

これは絵はウマいけどまったく魅かれない同誌の「化物語」とは真逆とも言えますね。

週刊少年マガジンらしくない内容なのが心配

次にこの作品についてですが、読めば分かりますが水墨画がテーマになっているので、かなり週刊少年マガジンぽくない内容です。

僕は比較的人よりも少女マンガも読んでいるほうだとは思うんですが、例えば何も知らずにこれは作者が女性だと言われても信じてしまうような内容になっています。

どちらかと言えば内面や感性をテーマにしているので、このあたりが現代の若者に評価されるか気になるところですが、ネットなどでは今のところこの作品の評判はいいようなので、しっかりと最後まで描き切ってほしいなと思いますね。

そういう意味でも、どうしたマガジン?(笑)と思ったわけです。

現在のマガジンの連載作品の中ではかなり異質ですが、それが逆にいいエッセンスにはなるのかもしれませんね。

「ましろのおと」や「3月のライオン」が好きな人に合いそう

まだ第一話ですし、あまりネタバレをしたくないのでダラダラと書くつもりはないのですが、おそらくこの作品のジャンル的には月刊少年マガジンで連載されている「ましろのおと」に雰囲気は近くなると思うので、この作品や将棋マンガの「3月のライオン」が好きな人にはハマりこむ要素があるように感じます。

あとはどういった展開、登場人物が出てくるかにより内容や評価は変わってくると思いますが、個人的には原作が小説なのでそこはしっかりと話が展開していくのではないかと予想します。

突然現れた名作候補ですが、第一話を読んでない人はちょっと読んでみて欲しい作品ですね。

なぜ主人公が気に入られたかという部分に関しては、ちょっとマンガ的展開で説明不足でしたが、それはこれから描かれていくのではないかと思いますが、はたしてどうなることやら。

うん、まず読んでみて(笑)

第一話は公式サイトで読めます。

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