新連載その作品の名は「MF GHOST(エムエフ ゴースト)」
2017年もすでに9月を迎え、世間も夏から秋への装いになってきましたが、今週の週刊ヤングマガジン(講談社)では注目の新連載がスタートしました。
それがしげの秀一先生の新連載作品「MF GHOST(エムエフ ゴースト)」です。
前作「セーラーエース」は突然の打ち切り?終了
しげの秀一先生と言えば、4月にこのブログでも取り上げて(「セーラーエース」打ち切りで週刊ヤングマガジンもいよいよ終了)多数の反響があったように、連載の突然の終了には、編集部の打ち切り説や作者のもうやめたい説など様々な憶測が飛びました。
前作「セーラーエース」の終了時点で、すでに次作は得意のモータースポーツでの連載を行うというアナウンスがありましたが、それから約5か月、いよいよ待ちに待った注目作品「MF GHOST」がベールを脱いだわけです。
個人的にそこそこ面白いと感じていた「セーラーエース」をわざわざ突然打ち切ってまで始めるべき作品だったのかレポートしたいと思います。(画像引用:講談社「週刊ヤングマガジン」公式サイトより)
Contents
「MF GHOST」とは
「MF GHOST(エムエフ ゴースト)」は「頭文字D(イニシャル ディー)」や「バリバリ伝説」などのヒット作で有名な、しげの秀一先生による講談社の週刊ヤングマガジン第40号(2017年9月4日発売)で連載が開始された作品です。
あらすじ
いつものように僕が今日読んだなりのあらすじです。
舞台は202X年、今から約10数年後の日本が舞台となりますが、車社会は今よりさらにエコ化や安全化などが進み、電気自動車や自動運転の技術が発達し、かつて人気を博したモータースポーツは完全に過去のものになっています。
しかし、世界でもそれが標準化してきた中、突如日本発祥で生まれ大人気となったレースがMFG(エムエフジー)と呼ばれる公道レースです。
MFGとは日本の公道を舞台に市販車で行われる市販車ベースのレースを、ドローンを使ってライブ配信を行い世界中で大人気になっていますが、そんな日本にある日、日本人とイギリス人のハーフでイギリスのレーシングスクールをトップの成績で卒業したカナタ・リヴィントンがやってくるというお話です。
ま、一話目はこんな感じでした。
主人公はまだ出てきただけです。
感想
さあついに始まりましたしげの秀一先生の新連載。
「セーラーエース」を打ち切ってまで投入してきた作品だったので注目してましたが、
ほぼ「頭文字D」、下手すると続編でした(笑)
えーとですね、つまらなくはなかったんですよ。ただ、中身は「頭文字D(イニシャルディー)」そのものでした。
僕も久々にワクワクしながら読み始めましたが、さすがしげの秀一作品というべきか、読者のハートをつかむのはお手の物といった感じで、このあたりのスタートは中々ウマい作者ですよね。
だてに大ヒット作品を2つも生み出していません。新連載のスタートとしてはいい感じでしたし、今後とりあえず面白くなりそうな雰囲気はあったものの、率直に思ったことは
この作品は長く続かないような気がする
ということです。
なぜそう感じたのかなんですが、長いことマンガを読んできていると分かるのは、この作者の作品の特徴として共通しているのが
最初は面白いが途中から中だるみしてきて最後は絶対グダグダになる
やっぱりこれですよね。
「バリバリ伝説」もそうでしたが「頭文字D」も序盤は本当に面白いんですよね。
設定の妙というか主人公の天才ぶり(しげの作品の主人公はみんな天才です)が未知の敵に発揮され、まわりに認められていくかというのが、ワンパターンではあるものの爽快であり読んでいて面白いんですが、両作品ともだんだんとレースシーンが長くなって、グダグダになってしまいます。
まぁ、これはバトルマンガならでは宿命ですよね。
それでも他の歴史的作品は新しい敵や要素を盛り込むなどして、作品としてのテンションを保てるわけですが、この作者はこの部分に関してはあまり上手くないような気がします。
だから主人公の魅力・キャラクターや物語の設定などで序盤にいかに貯金(読者)を作っておくかというのがこの作者のとっての生命線だと思います。
だから、今回長い目で見るとダメだと思ったのは、「頭文字D」と酷似していて真新しさが全くないという点なんですよね。
既視感たっぷりなんです。だからどうしてもこれからどうなる?といったワクワク感がないんですよね。
まだ連載が始まったばかりで、これから物語がどう進んで行くかは分かりませんが、おそらく公道でのレースがメインとなるのは間違いないでしょう。登場する車も今回GT-Rが登場してきたので、どうやら現代(今)のスポーツタイプの車がメインのようです。
結局のところ「頭文字D」との違いは登場人物と出てくる車が少し変わったことぐらいなんですよね。
だから最初は出てくる登場人物がどういった人物か分かりませんし、どういったライバルが出てくるか分からないという点で未知の楽しみはあると思うんですよ。
ただ、レースシーンは絶対に前作の焼き直しのような感じになってくるのは間違いありません。
ここに近未来の要素でもあればまだ何かしらの面白さは出てくるかもしれませんが(まだ序盤ですし、次回以降にどういった内容が出てくるかはまだ楽しみではあります)、なんというかあくまでも想像の範囲内に感じるんですよね。
結局、面白いマンガの条件というのは、いかに読者の斜め上を行くというのがポイントだと思うんですが、果たしてこの作品にそこまでのポテンシャルがあるようには感じられませんでした。
ちょっとネタバレ
だらだら書いてしまいましたが、最後に少しネタバレです。
最初のほうに中身は「頭文字D」ぽいとは書きましたが、実はこの作品ちょっと繋がっているという描写が出てきます。
MFGの説明に関する説明のような(笑)シーンが出てくるんですが、注目は”このMFGのオーガナイザーはリョウ タカハシ”というセリフです。
そうです。
「頭文字D」を読んでいた男性諸君ならすぐにピーンと来るとは思うんですが、どう考えてもあのRX-7(FC)に乗っていた人気キャラクター高橋兄弟ののお兄ちゃん”高橋涼介(たかはし りょうすけ)”ですよね。
前作の終盤ではプロジェクトDのリーダーでしたが、どうやらこのお話はその流れを引き継いでの作品のようなんですよね。
おそらくあれから20年ぐらい経っているという設定で涼介も恐らく登場してきたりするんでしょうが、そうなると主人公のハーフの少年、おそらくお父さんの名前は藤原拓海なんだろうなぁと想像してみたりしなかったり、そこの部分はちょっとワクワクしましたが、ただこれがヒットするかと言われるとウーンとなってしまいましたね。
期待せずには読んでいきたいとは思いますが、どうせ2年ぐらいしたらセリフが一切出てこない車のレースだけのシーンが掲載されるんでしょうねぇ・・・。
以上新連載を読んでの率直な感想でしたが、まとめると
うん、つまんなくはないです、今のところは・・・
という感じでしょうか。
こういった前作の焼き直しに読者が簡単に満足するようには思えませんが、これが部数の低迷の打開策になると週刊少年マガジンの編集部が本当に考えているようでは少し考えが浅はかという印象を受けてしまいました。
そこそこ面白い連載作品にはなるんでしょうが、やっぱり僕は「セーラーエース」の続きのほうが読みたかったですね。
作中に登場する車
※以下2018年2月8日に追加
この記事を最初に投稿してからマンガの全体像も少し見え始めたので、主人公のカナタが乗る車について解説したいと思います(一応僕も昔はFRやMRなど後輪駆動車に乗ってました)。
86(トヨタ86)
トヨタから発売されている車で86(ハチロク)と読みますが、開発はトヨタ単体ではなくSUBARU(スバル)との共同開発となります。
スバルからは同じ形をしていてる車が「BRZ」という名前で発売されていますが、フォグランプの形状など一部違いはありますが、エンジン周りなどはほぼ同じ車となります。
「頭文字D」でも主人公が最初に運転し、リバイバル的人気を博したレビン・トレノ(AE-86)を意識した車であり、コンセプトを引き継いだ車ですが、車の型式はDBA-ZN6となります。(画像引用:トヨタ「86」公式サイトより)
スペック
エンジンはスバル製の水平対向4気筒エンジンFA20が搭載されており、最大馬力は147KW(200馬力)、トルクは20.5N・m(20.9kgf・m)となりますが、ターボモデルは用意されていません。
車重は1190kg。エンジン前置き、後輪駆動のいわゆるFR車となります。
どんな車?
実はこの車乗ったことありません(笑)。
昔はみんなスポーツカーを乗っていたので比較的色々な車に乗せてもらう機会があったのですが、僕も含めてスポーツカーに乗る人が減ったのでその機会がないんです(イイワケw)。
あくまでスペックのみからの判断となりますが、1190キロ台の車重は最近の車にしては軽いはずなので、200馬力でトルクが20もあると一般道では比較的好ダッシュをしてくれそうですね。
これぐらいのエンジンスペックだと、高速道路でも踏めばある程度のスピードと加速力はありそうなものの、やっぱりドライブ向けといった感じで、山道や街中ですがるさを活かす感じの車なんだと思います。
重心の低さにこだわるためにスバルの水平対向エンジンを使ったみたいなので、おそらくカーブはスイスイ曲がってくれそうですが、まぁ雪の日は気をつけないといけませんね(笑)。
個人的には日本車の中では非常にカッコいい車だと思います。
コメント
バリバリ伝説から作品毎に絵がヘタになってる。画力上がるのが普通なのに…。下手すぎて読む気になれん。
確かに「バリバリ伝説」の時のほうが粗さはあるものの、スピード感や勢いはありますよね。
今は丁寧には書いていて読みやすくはなっているものの、決して上手いとは言えませんね。