「銀魂」いよいよ連載終了ということで振り返ってみる

銀魂

最新実写映画版「銀魂2」が好調もすでに連載終了がアナウンス

すでに各方面でアナウンスされているためご存知の方も多いと思いますが、現在週刊少年ジャンプ(集英社)で連載中の人気作品「銀魂(ぎんたま)」(原作:空知英秋)の連載が終了します。

「銀魂」と言えば、8月17日から小栗旬君主演で公開されている実写映画「銀魂2 掟は破るためにこそある」が初登場でいきなり1位に輝くなど、興行収入38億円とも言われた前作を上回るヒットが予想されています。

また週刊少年ジャンプにおける現在の連載作品の中では「ONE PIECE」、「HUNTER×HUNTER」に次ぐ古参の作品であり、その影響が心配されてしまいますが、約14年にわたる長期連載作品ということで僕なりに振り返ってみたいと思います。

(画像引用:週刊少年ジャンプ公式サイト「銀魂」より)

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「銀魂」とは

「銀魂(ぎんたま)」とは2003年の12月から週刊少年ジャンプ(集英社)で連載されている作品であり、原作はこの作品が初の連載作品だった空知英秋(そらちひであき)先生となります。

あらすじ・作品の概要

いつもはマンガの記事ではあらすじを中心に書くのですが、少し独特な作品なので初心者や作品を知らないおっさん・おばはん向けに概要を中心に書いていきたいと思います。

まずこの作品は幕末から明治維新にかけての日本や有名人達をベースとしているのですが、基本的にはSFフィクションとなり、宇宙人などが登場してきます。

例えば作品の主要な登場人物には高杉晋作や桂小五郎などの他、新選組の面々、その他有名な志士や徳川将軍などをベースにした人物が登場します。

本来京都の警備を担当した非正規の武装団”新選組”などは特殊警察”真選組”として登場し、局長”近藤勇”は”近藤勲”、副長”土方歳三”は”土方十四郎”などといった具合に明らかにベースが分かるようにして様々な有名人たちの分身がオールスターで登場します。

そこに討幕や攘夷という問題も絡めてくるのですが、このマンガでは幕府の敵である外国が宇宙人”天人(あまんど)”に置き換えられており、物語は20年前に突如地球に飛来した”天人”と地球人との間で起こった攘夷戦争の後日譚として展開します。

物語の主人公となるのは攘夷戦争中”天人”からも”白夜叉”と恐れらえた坂田銀時(さかたぎんとき)という銀髪の志士なのですが、彼は、攘夷戦争後は便利屋である”万事屋(よろずや)銀ちゃん”を”メガネ”こと志村新八(しむらしんぱち)、”天人”の中でも最強戦闘族と言われる夜兎族出身の神楽(かぐら)を運営しています。

銀時のちゃらんぽらんな性格や元仕事のできないフリーターである新八、天然の神楽で運営しているためいつもドタバタになるのですが、幕末の登場刃部や出来事をベースにしながら彼らのまわりで様々な出来事が起こっていくというお話です。

基本的に物語はギャグ8割ストーリー2割という感じで進行していくのですが、時にはシリアスバトルが続く展開などもありそのジェットコースターまたはアナーキーとも言える自由な展開とキャラクター設定が人気の原因となっています。

第42号(2018年9月15日発売)で最終回、連載終了

連載の終了が発表されたのは今週号(第38号:2018年8月20日発売)だったのですが、

”「最終回まで残り5話!! ラストスパート、お付き合いください!!」”

と紙面で告知されたわけなんですが、物語の性質上名前を変えて別の「銀魂」である「金魂」が始まる可能性は十分残されてはいるものの、現在のスタイルでの連載は残り僅かであることに間違いはないでしょう。

現在公開されている実写版映画「銀魂2 掟は破るためにこそある」や前作でメガホンをとった監督の福田雄一さんも寝耳に水だったようで、発表は事前に準備されていなかったことが分かります。

アニメ化

ジャンプが誇る人気作品なので2006年からアニメ化がスタートし、2018年に放送された第四期まで製作・放映が行われています。

また劇場版アニメとして2010年と2013年にそれぞれ「劇場版 銀魂 新訳紅桜篇」、「劇場版 銀魂 完結編 万事屋よ永遠なれ」が公開されています。

実写映画化

2017年7月に「銀魂」、2018年8月に「銀魂2 掟は破るためにこそある」(放映中)が公開されています(いずれも監督福田雄一、主演小栗旬とほぼ同じスタッフで製作されています)。

一作目の「銀魂」の興行収入は38.4億円ということで邦画としてはかなりヒットした部類に入りますね。マンガの実写化としては大成功の部類でしょう。

ゲームとのコラボ

2018年5月には「モンスターストライク(モンスト)」、2018年8月には「パズル&ドラゴン(パズドラ)」とのコラボが行われており、いずれもビッグタイトル同士のコラボとなりますね。

ちなみに僕もやっている「モンスト」ではあまりいいことがありませんでした(笑)。

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連載ははたして本当に終わるのか?

さて残り数話となった「銀魂」ですが、ここからはこの作品に対する個人的な感想や考えを書いていきたいと思います。

人気作品ということで青春の一作という方や作品の大ファンという方も多いと思いますが、あくまで個人的な考えということでご理解下さい。(あまりこういうあたり前のことは書きたくないのですが、人気作品だとおかしな人も湧いてくるので・・・)

まず、たくさんの方が疑っていると思われる連載の終了ですが、破天荒さが売りのこの作品なので、素直に終わるとは若干信じがたい部分もありますよね。

実写映画を監督した福田さんも知らされていなかったところを見ると、少し怪しさは残りますが、ライバルである講談社の作品の終了の仕方を見ると、マンガというのは思いのほか突然終わるというのも理解できるので、本当に突然決まった(最終決定した)という可能性もあります。

だから監督は知らなかったということも理解できますし、前述したようにタイトルを「金魂」と変えて再始動する可能性も十分考えられます。

また原作の最終回が話題となることにより映画が話題となるので、壮大なドッキリという可能性も考えられ、それはこの作品だから許されるという感じもしますね。

どちらにしろ予告された42号まで目が離せませんが、今のところまだ五分五分といったところでしょうが、個人的には作者はもっと早く終わらせたかったものの、広告会社や編集部の要望で実写映画が公開されるこのタイミングまで頑張ったというのが真相のような気がします。

原作はあまり好きではありません

マンガの趣味は人それぞれなんでという言い訳になりますが、個人的にはこの「銀魂」はあまり好きな作品ではありませんでした。

実際のところ2003年に連載が始まった当時は絵があまりうまいほうではなく、線も初の連載ということで頼りない。主人公ものらりくらりということで魅力がないということで、第一印象は”こりゃすぐに打ち切りだな”というものでした。

この記事を書くにあたり確認作業のために他のサイトなどをリサーチしていると実際に同じような印象を持っていた方も多いようですが、どうしても長年のジャンプを支えてきた王道系の正義・友情・勝利というスタイルからは若干外れており、魅力的と言えない主人公は、既存の読者層には受けがよくなかったような気がします。

またこの「銀魂」から遅れること三年後に連載が開始される「SKET DANCE」にも似たようなことを感じたのがギャグセンスの学生感・部室感です。

「銀魂」の空知先生、「SKET DANCE」の篠原健太先生がそれぞれ1979生まれ、1974年生まれということで、ほぼ僕と同世代なんですが、作中のほとんどのギャグは理解できますし、元ネタも分かります。

そのせいかもしれませんがどこか笑えないんですよね。

これが学生感・部室感という表現になってしまったんですが、どうも作中で出てくるようなネタが学生時代にクラスメイト同士でボケあってたネタや小ネタにしていた内容に近く、マンガやフィクションに自分には考え付かないような展開を求めていた自分には少し子供だましという印象がありました。

また同世代の人たちなら当然この系統のマンガの火付け役になった「行け!稲中卓球部」の焼き直しにも感じ、このあたりも受け付けにくかった部分です。

おそらくこのマンガがギャグマンガとして評価を得ているのはその元ネタをリアルタイムで見ていた世代というよりも、よくは知らないけど何となく知っている人たちに受けがよかったのではないかと想像しています。非稲中卓球部リアル世代が多いのではないでしょうか。

キャラクター設定は評価できる

この作品の読者を怒らせるようなことを書いてしまいましたが、あくまで自分には合わない作品だったということが言いたいわけなのですが、当然評価できる部分はあります。

それがキャラクター設定であったり、幕末と宇宙人の世界を融合した幕末SFギャグファンタジーという要素です。

まぁ言ってしまえば、幕末や明治の誰でも知っている有名人たちを弄りたおしたコントが展開されているわけですが、そこに映画「M.I.B」のような色々な宇宙人が絡んできますが、このあたりのアイデアは斬新であったと思います。

また振り切ったキャラクター設定はどの登場人物を主人公にしても成立し、色々なスピンオフが出来るまでに仕上げていた部分はキャラクターの色分けがしっかりしていたということであり、連載が序盤で打ち切られなかった部分もここがポイントであったような気がします。

このあたりは「ONE PIECE」にもつながる部分ではありますが、こういった作中の登場人物で人物図鑑が出来上がりそうな作品であり、それが中々面白そうというとういのもキャラクターがしっかりとしている証拠だと思います。

原作よりアニメ、アニメより実写が向いている作品

この作品はすでにアニメ化や実写化が行われているのはすでに取り上げましたが、マンガの実写化には大失敗する例と大成功する例があります。

最近では特に「テラフォーマーズ」や「進撃の巨人」など大失敗した例がありますが、僕が実際に実写版「銀魂」を見たところ、予想通りというかやっぱり面白かったです。

先ほどはこの作品があまり好きではないと書きましたが、実写版はどちらかというと好きな部類に入りますし、映画のヒットも納得の内容です。

もちろん監督さんが原作の良さを十分理解して映画化しているというのも原因なのでしょうが、この原作よりアニメや実写版が評価されるパターンは、ジャンルによるとは言え原作の画力の部分や設定面の若干の足りなさがある作品に多いような気がします。

例えば「進撃の巨人」が実写化は失敗したもののアニメで受けたのは、原作内では分かりにくかった動きのある描写や三次元的描写がより分かりやすくなったのが原因だと思いますし、巨人のサイズ感や質感をアニメでより表現できたことが成功になると思います。このあたりはやっぱり画力がちょっと足りなかったのをうまくカバーできていたのだと思います。

かたやこの「銀魂」なんですが、元々原作は短いスパンで解決するような話が最初中心にして進んでいました。終盤では壮大な展開になったとは言え、序盤では小さなギャグをぶっこんで小さくまとまって終わるコントのような展開だったのが、映画では点と点がつながっていき線になったのでギャグは満載であるもののストーリー作品として成立しています。

だから元々このストーリー性が希薄だった部分の濃度が上がっているので面白く感じたわけですが、他にも小栗旬君や菅田将暉君などの存在感のある俳優がマンガ内では少し足りなかったキャラクターに温度を与えてくれており、なんだかまり共感できなかった主役たちを応援したくなることに成功していたと思います。

そう考えると原作では主人公の魅力という部分で少し弱かったのかなと感じます。

次作はストーリー中心の作品を読みたい

最後に、ここまで少し批判的なことを書いてしまいましたが、この作品がヒットしていることに関しては、僕があまりお気に入りの作品ではないと言ってもその理由は理解はできますし、このあたりが受けているんだろうなということも理解できます。

まぁ要は自分がおっさんなんで、今の週刊少年ジャンプが合わないし時代が変わってしまっているというだけなんですが、「銀魂」という作品については色々いい部分もあったのでもったいなかったというのが最終的な感想でした。

作品終盤でのシリアス描写を見ていても分かるように、空知先生は現在ギャグに頼らなくてもしっかりとしたストーリー物を書くことが可能だと思います。

また連載序盤の画力に比べると圧倒的な画力の向上も見られますので色々なジャンルでの連載が可能でしょうから、もし本当に「銀魂」の連載が終了するのであれば、今度はシリアスを全面で押し出しながら途中にさらりとギャグを入れ込んでくるようなマンガを見てみたいですね。

マンガ「BECK」のようなストーリー漫画でありながら要所でギャグを入れてくるような傑作も描ける人だと思うので、次は全く別の作品を見せてもらいたいと思います。

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