八神ひろき先生の新連載はまさかの「DEAR BOYS ACT4」

DEAR BOYS ACT4

主人公が変更され、新編が連載開始

今月発売の月刊少年マガジン11月号(2018年10月6日発売)ですが、今回予備知識なしに読んだ方は非常に驚かれたのではないのでしょうか。僕はかなりびっくりしました。

巻頭カラーは僕も注目しており、徐々に人気の出てきている女子サッカーを題材とした「さよなら私のクラマー」だったんですが、驚いたのはこの作品ではありません。

問題はその次に掲載されていた作品だったのですが、それが今回取り上げる「DEAR BOYS ACT4」(でぃあぼーいず あくと ふぉー)です。

最初は「さよなら私のクラマー」を読んだ後、次はこの雑誌で一番お気に入りの「ましろのおと」どこかなぁ~とペラペラとめくっていた(実は今号は休載)のですが、ふと目に飛び込んできたのはバスケ漫画らしい作品。

僕も週刊少年ジャンプとならんで月刊少年マガジンは長いこと買ってきた雑誌だったので、すぐにそれが八神ひろき先生の作品だとは分かったんですが、最初は最近までやっていたボーリングのマンガ(「トキワボウルの女神様」)のワンシーンかな?と思いました。

しかしながらページを戻りながらチラチラ見ていくとどうも”湘南台相模高校”を舞台としていることが分かり、”ああDEAR BOYSの番外編やっているんだなぁ”というのはすぐに判断できました。

まぁ、本編は終わってるけどどういう話かとりあえずチラッと読んでみるか。

そう思いながら作品の先頭に戻りいよいよ最初から読み始めようとすると、そこにはなんと”新連載 DEAR BOYS ACT4”の文字があります。

直近の作品である「トキワボウルの女神様」がいつの間にやら終わっていたことに気づいたのはこの時だったのですが、まさかきれいに終わったはずの「DEAR BOYS」が早くも復活するというとんでもない事態が発生ということで、今回取り上げてみたいと思います。

(画像引用:講談社コミックプラス「DEAR BOYS ACT4」より)

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「DEAR BOYS」とは

「DEAR BOYS」とは八神ひろき先生原作によるバスケットボールマンガで1989年から2017年(本編は2016年12月)まで講談社の月刊少年マガジンに連載されていた人気作品です。

元々日本ではマイナースポーツだったバスケットボールを「スラムダンク」(週刊少年ジャンプ:集英社)とともに流行らせる原因となった作品です。

実は「スラムダンク」より「DEAR BOYS」のほうが連載開始は一年早かったのですが、個人的にはこのマンガもバスケットブームのきっかけを作った作品の一つだと思います。

あらすじ

神奈川県の瑞穂高校男子バスケットボール部は過去の暴力事件により休部状態となっていましたが、そこに一人の転校生が入部してきます。

その男こそ、高校バスケットボール界の絶対的王者である新潟県の天童寺高校の絶対的エースであり、高校NO1プレーヤーとして知られた哀川和彦だったわけです。

二年生がたった四人しか残っていなかった瑞穂高校バスケットボール部でしたが、和彦の天真爛漫な性格とそのずば抜けたテクニックに彼らは感化され、五人で全国制覇を目指すことを誓います

といったようなお話ですね。

ほぼこれだけで二十年間連載してました(笑)

シリーズ作品一覧

「DEAR BOYS」はベースタイトルのついたものとACTⅡ、ACT3が瑞穂高校を中心として描いた本編となります。「DEAR BOYS THE EARLY DAYS」は哀川が瑞穂高校に来る前のお話、「DEAR BOYS OVER TIME」は瑞穂高校男子バスケットボール部以外を中心に描いた番外編となります。

  • 「DEAR BOYS」(1989年7月号 – 1997年2月号、全23巻)
  • 「DEAR BOYS THE EARLY DAYS」(1997年3月号 – 1997年6月号、全1巻)
  • 「DEAR BOYS ACT II」(1997年8月号 – 2008年12月号、全30巻)
  • 「DEAR BOYS ACT3」(2009年1月号 – 2016年1月号、全21巻)
  • 「DEAR BOYS OVER TIME」(2016年3月号 – 2017年2月号、全3巻)


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舞台は瑞穂高校から湘南台相模高校へ

さて、ここからこの「DEAR BOYS ACT4」の連載開始について僕なりの感想を書いていきたいと思います。

まず今回始まった「DEAR BOYS ACT4」についてまだ未読の方のために内容を少しだけ紹介しておくと、舞台は瑞穂高校男子バスケットボール部が全国制覇を果たした翌年からの話となります。

そして肝心ところは主人公が瑞穂高校では神奈川県のライバル高校だった湘南台相模の新入部員らしい(現時点では彼視点で話が進行しています)という点で大きな違いがあります。

湘南台相模高校と言えば瑞穂高校バスケットボール部の唯一の二年生だった高階トウヤ(中学時代は全中に選ばれるほどのスター選手)をライバル視する布施歩たち五人が印象的であり、人気のキャラクターでした。

当然、瑞穂高校を舞台とした続編もありだったのでしょうが高階トウヤ+二年生部員(元一年生)+新一年生だと、かつての哀川、藤原、三浦、石井、土橋の強烈な個性をもつ五人に比べるとインパクトが弱すぎるのでこれは理解できます。トウヤもノホホンとした設定だし軸におけるキャラクターがいませんよね。

そこで白羽の矢がたったのが布施のいる湘南台相模だったのでしょう。番外編でも何度かそういう話がありますね。

だからタイトルはACT4とは銘打ってますが、リブートさせるのであればもう少しタイトルをひねってもよかったような気がします。

二年十か月での早すぎる復活

しかしながら、今回の復活・再開は正直早すぎるように感じます。

前作「DEAR BOYS ACT3」で初回シリーズから続いた瑞穂高校の五人(下級生たちもいますが・・・)の長きにわたる物語も約三十年をかけ大円団を迎えました。

実際ストーリー上は1年ちょっとしか進んでいない(笑)のですが、瑞穂高校がついに因縁の相手である天童寺高校を破って優勝した時は

ああ、やっと彼らの悲願が達成された

と少し感慨深いものがありました。

僕としても本当にリアルタイムで最初から読んでいた作品なので、思い出もひとしおなんですが、本音を言うと

ああ、やっと終わってくれた。この作品と付き合わなくても済む

こうも思ったんですよね。

連載当初からこの作品を読んでいた方なら同じ思いの方も多いのでしょうが、この「DEAR BOYS」という作品はひたすら試合×試合です。

絵は洗練されたタッチで昔から上手いのですが、とにかく一つ一つの試合のシーンが長すぎるのがこのマンガの難点だったので、第一部や第二部はいいとしても第三部であるACT3あたりに入るともう惰性でしか読んでなかったんですよね。

正直いつまでやんねん

最後のほうは、毎月こう思いながら読んでいたのですが、それを三十年かけて終わったので、喜びとともに解放というような表現がピッタリだったわけです。

調べなおしてみると、本編が終了したのが2016年一月号だったようなので、二年十か月前に終わったことになります。その後すぐに「DEAR BOYS OVER TIMES」という番外編のような作品が連載されていましたが、番外編に関しては個人的にはコアなファン向けにお好きにやって下さいという感じで何とも思いませんでした。

まぁ、それでも本当にやっと終わったという感覚だったわけです。

そしてそれが三年を待たずしての復活。しかもタイトルは「DEAR BOYS ACT4」となっており、明らかな続編の雰囲気です。

いや、もうお腹イッパイですから・・・

こんなことは言いたくないんですけど、正直ほとんどの人が復活は望んでいなかったと思うんですよ。

そりゃあコアなファンの人はうれしいとは思うんですが、元々の読者層は僕と同じおっさん世代ですし最後は僕のようにお付き合いで読んでいた方がほとんどだったと思うんです。

連載当初は哀川和彦や藤原巧弥のスーパープレーや他の瑞穂メンバーの渋い活躍に心躍らせながら読んでいた方も多いんでしょうが、毎度毎度、最後は

哀川のダンクでズバーーーン!!

これで試合が決まっている(実際は違うんでしょうがこのイメージ)印象しかありません。

三十数巻で潔く完結した「スラムダンク」とダラダラと連載を続けてしまった「DEAR BOYS」ですが、全盛期のクオリティに関してはそれほど差があるとは感じないのですが、印象としてこうも差がついてしまったのはきりのよさだったと思うんです。

「スラムダンク」は後半こそ神がかってましたが、冒頭の十巻程度までは普通のバスケマンガですしね。

はたして今回の新作が編集部の主導か、作者である八神ひろき先生の希望か分かりません(どこかでは作者が書きたかったとあります)が、「スラムダンク」と並んで伝説的なマンガとなり得る作品だっただけに晩節は汚さないでほしいですね。

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