大反響・批判確実?炎上も当然のこの企画ですが、三年連続でやりたいと思います。
あくまで個人的な評価となりますので、そのあたりは温かい目でお見守りください。
狙いとしては、最近中々読む時間はないけど、マンガ好きのおっさんが最近”何か面白いマンガないかな?”と、ふと思った時の受け皿になるための記事です。
ちなに2018年版は以下の記事になります。(2017年版もあるので、興味のある方は見比べてください)
Contents
週刊少年ジャンプ
中堅は充実も万人受けしない作品が多い ★★☆☆☆
昨年は少し甘めかな?と思いつつ★3つと評価にさせていただきましたが、今回は少し厳しめとは思いつつも、長年のジャンプファンとしては激励の意味を込めて★2つに下げます。
昨年は「HUNTER×HUNTER」が帰ってきたこともあり、「ONE PIECE」との二頭体制でなんとか体裁を保ち、あとはそこそこ中堅マンガがそろっているという点で★3つの評価でした。
しかしながら、今回評価を下げた理由は再び「HUNTER×HUNTER」が休んでいるという理由もあるんですが、この次を担うマンガがほとんど成長していない、ブレイクスルーしていない点です。
昨年から比べると「ROBOT×LASERBEAM」は終了してしまいましたが、「アクタージュ」や「呪術廻戦」という有望な新作が加わったという点は評価できます。
おそらくこの二作品に関しては作品の質も高いので、今後しばらくジャンプの中核を担うマンガとして続いていくことでしょう。作者も若いので、いい新人さんを捕まえたなと思います。
ここに、「ハイキュー」や「僕のヒーローアカデミア」、「ブラッククローバー」、「BORUTO」、「Dr.STONE」、「火の丸相撲」、「鬼滅の刃」、「食戟のソーマ」などの中堅作品が構えており一見豪華です。
上記の作品だと「Dr.STONE」以外はアニメ化されていますし、いずれこの作品もアニメ化されるでしょう。
ただ、ネットなんかでは”黄金期”という若いファンの方もいらっしゃるんですが、これらの作品が個人的にはなんとなく
小粒
に感じます。
どの作品もつまらなくはないと思うんですよ。好きな作品に挙げる人がいるのも分かりますし、売れているのも納得できる作品もあります。
しかしながら、問題はどの作品も”好き嫌いが分かれる”作品だという点です。
上に挙げたような中堅作品かつての看板クラスだった「ドラゴンボール」や「スラムダンク」、「NARUTO」や「BLEACH」、「DEATH NOTE」、「バクマン」クラスかと言うとちょっとおこがましいですし、かと言って「ジョジョの奇妙な冒険」や「こち亀」などのとりあえず好きな作品を先に読み終わったあとゆっくり読むような”なんとなく読まれていた”作品でもないとは思うんです。
あくまで好きな人だけが読んでいる作品ばかりであり、まったく読まない層もかなりいるんじゃないのかなと感じます。
言うなれば音楽業界で言うと、AKBやジャニーズなどのファンに近い感じであり、音楽番組の名曲ランキングに登場してくると物議を醸しだしりするのと似ている感じがするんですよね。
一般受けしてないんですよ。
原因としては、絵柄が稚拙であったりマニアック、キャラクター設定が若干甘い、どこかで見たようなご都合主義の展開、群像劇ぽく描こうとしてバタバタになっている、などそれぞれの作品に原因はあると思うんですが、例えるとするなら昔で言う「魁!!男塾」のような作品が並んでいる状態だと思うんですよ。
つまらなくはない、だけど最初に読みたいのはコレじゃないという作品を延々と並べられているわけで、そうなるとせっかく「アクタージュ」や「呪術廻戦」のような有望な作品が出てきてもそれらに埋もれてしまう形になり、なんとなく地味でマニアックな雑誌になってきたなぁと感じてしまいます。
前から色々なところで書いているようにしっかりとした絵柄とストーリーで描かれる王道作品を最低あと二本ぐらいは中心に据えないとこのままズルズル転落していくような予感がします。
三十数年来のファンとしてはもうちょっと頑張ってほしいところですし、編集部が現状に危機感を持っていないようであればかなり危険な状態だと思います。
おススメ作品(人に薦められる作品)
「ONE PIECE」
この有名作品は当たり前過ぎて出したくなかったんですが、他に自信を持って薦められる作品がないためこのビッグタイトルを出しました。
つまりはこれが現在の週刊少年ジャンプの現状ということです。
他の中堅作品についてはどうしても、好き嫌いが分かれるという作品が多くここには挙げられませんし、極論すると「ONE PIECE」しかないという感じがします。(ちなみに僕は「ONE PIECE」より「NARUTO」派でした)
気になる作品
「アクタージュ」
このサイトでも取り上げたことがありますが、作品はなんとなく「ガラスの仮面」の匂いがして”ジャンプの作品”ではないと思います。
ただ、単純なマンガの面白さとしてはキャラクター設定や展開がスマートであり、ドラマが描けているのでマンガ作品としては完成されている作品だと思います。
他の好き嫌いが産まれそうなマンガが多いのに比べると、誰が読んでも”お、読めるじゃんコレ!”となりそうな作品なので、とりあえず”何か面白い作品がないか?”と思っている人は試してみてもいいかもしれません。
作者はかなり若いらしく驚きです。
「呪術廻戦」
まだ作品としては新し目の作品なんですが、中堅クラスの作品の中では唯一ブレイクスルーの可能性がある作品だと思います。
現状は画面が多少見づらく、描写によっては何をやっているか一見すると分かりにくいので、画面を整理してより引き算の描き方をすれば、もっと見せたいものを理解してもらえるように感じます。
「BLEACH」ぽさが多く感じられる作品ですが、「BLEACH」のスタートの時よりは全然いいので、もうちょっとブラッシュアップさせてみると将来的な楽しみな作品です。
週刊少年マガジン
長期連載作品はマンネリ化 今後軸になりそうな作品が育たずサンデー化している ★★☆☆☆
ジャンプのライバルである週刊少年マガジンも現状はかなり厳しいのではないのでしょうか。
このサイトでもマガジン作品はよく取り上げるので方向性としては本来好きな雑誌なんですが、若手が育っていません。また去年も書いたとおりサンデーのようなマニア向けの方向にシフトしており、一般的な読者にも少しづつ敬遠され始めているような印象を受けます。
見出しにも書いたようにジャンプとの現状は少し違っていて、ジャンプは看板級の作品が出てきていないものの、平均レベルの作品は多数揃っており、没落はしているものの緩やかな下降という印象があります。
それに対してマガジンは「ダイヤのA」、「七つの大罪」、「あひるの空」、「はじめの一歩」このあたり実績のある作品が揃っておりこのあたりの層はマガジンに軍配が上がると思いますが、問題はその次の中堅作品です。
「DAYS」をはじめとして「化物語」や「炎炎ノ消防隊」、最近アニメ化された「五等分の花嫁」など他にも中堅作品はあるんですが、今よりブレイクするかという微妙な作風ですし、ジャンプのラインナップに比べると逆に落ちるし、よりマニア向きに感じます。
大ヒットマンガ「FAIRY TAIL」の真島ヒロ先生の新連載「EDENSZ ZERO」も前作に比べると舞台が変わっただけで既視感があり、ここから普段雑誌を読まない一般層にまで広がるかというと若干怪しいと思うんですよね。
つまりは現状は主力クラスがなんとか頑張ってくれているだけという感じで、その次が心配なんです。
「化物語」なんかも絵は相当うまいし感心してしまうんですが、どうしてもこの作品も先に作られたアニメが本当によく出来過ぎていて、はたしてアニメファン以外に誰が読んでいるんだろうと心配していまいます。
「はじめの一歩」と「あひるの空」は完全にマンネリ。「七つの大罪」はすでにエピローグに入っていますし、これが終わったらマガジンは一体どうするんでしょうかねぇ・・・。
おススメ作品
「ダイヤのA」
気になる作品
「七つの大罪」
週刊少年サンデー
編集長の改革宣言もどこへやら ★☆☆☆☆
約二年ぐらい前に週刊少年サンデーの編集長が変わり、誌面上でサンデーの改革を宣言し話題になったことがありました。
苦戦が続くマンガ業界の中でもライバルのジャンプ、マガジン以上に苦戦していると言われているサンデーだったので、どういった改革と復活が行われるか注目していた人も多いとは思います。
しかしながらその甲斐もなく現在はその発行部数が30万部とも言われており、その状況はさらに悪化しているように感じます。
実際のところ、編集長の宣言とは裏腹にこの二年間でサンデーが劇的に変わったと感じる部分はほとんどなく、あれは一体何だったのかと思いますし、相変わらずどういった読者層に向けた雑誌作りを目指しているのかよく分からないように感じるますね。
連載作品では新しく看板になりそうな作品が出てくるわけではなく、「名探偵コナンや」の青山剛昌先生や「Major 2nd」の満田拓也先生、「双亡亭壊すべし」の藤田和日郎先生など相変わらずベタランのマンガ家さんに支えられているのが現状でしょう。
中堅作品も悪くはないのですが全体的に読みごたえという点では満足できない作品が多いと思います。
近々ヒットメーカーの高橋留美子先生の新連載も始まるようですが、いっそのこと全盛期の時に連載していた先生たちに連載をしてもらうのが手っ取り早いような気もするのですが、それぐらいの荒療治が必要に感じますね。
「名探偵コナン」も僕のような”読まない派”も一定数存在しますし、とりあえず誰にも受け入れられるような作品がほしいところでしょう。
東京オリンピックももうすぐ開催されますし、「帯をギュッとね!」とか「ガンバ!Fly High」をそのまま掲載しても読む人は結構いるとは思うんですけどね(笑)。
「銀の匙 Silver Spoon」や「BIRDMEN」が常に掲載されていれば雑誌としての格はかなり上がりそうなんですが、これは仕方ありませんね。
おススメ作品
「Major 2nd」,「銀の匙 Silver Spoon」(極々たまに掲載)
気になる作品
「BE BLUES!~青になれ~」、「BIRDMEN」(たまに掲載)
週刊少年チャンピオン
チャンピオンはチャンピオンらしく ★★☆☆☆
チャンピオンは相変わらずチャンピオンらしいというか独自路線は変わりませんね。
あいかわらず刃牙(「バキ道」)や浦安(「あっぱれ!浦安鉄筋家族」)など独自のお笑い路線(笑)は健在ですし、「弱虫ペダル」はちっとも絵柄が変わらず(ただの印象です)熱いお話を進めています。
最近では「BEASTARS」なんかが賞(マンガ大賞2018)を受賞して箔がついたような作品もありますが、基本的に”一見さんお断り”のような独特の絵柄、キャラ設定の作品も多い感じがします。
まぁこれが”チャンピオンらしい”というか30年以上前から変わらないポリシーみたいに感じるので、これはこれで清々しくもあり僕は嫌いにはなれない部分ですね。
たまに突然変異的に表れるかつての「シャカリキ!」や「刃牙」、「浦安鉄筋家族」みたいな作品が登場するのをこっそり見守る、それが週刊少年チャンピオンの楽しみ方なんでしょう(笑)。
最近は昔に比べて作家陣の画力も上がっており、あとはどう一般ウケする作品・ストーリーなどを取り入れるかでしょうね。
実際のところジャンプやサンデーとほとんど差はないと思います。
おススメ作品
なし
気になる作品
「あっぱれ!浦安鉄筋家族」、「バキ道」
月刊少年マガジン
昔ほど面白くはないが楽しめる ★★★☆☆
かつて「修羅の門」なんかが連載されていた頃は、掲載されている作品のすべてが面白くてなおかつページ数が多いのでなんてコスパのいい雑誌なんだと思っていた時代がありました。
それは恐らく月刊誌という圧倒的なぺーズ数を武器として、無理にストーリーを詰め込み過ぎず、”魅せる”絵を描けるというのが理由の一つにあったのでしょう。
数々のヒット作品を送り出しましたし、マンガ家たちも月マガで腕を磨いた人も多いと思います。
ただ、現在は昔ほど、豪華なラインナップではなくなっているのですが、この月マガのいいところは、相変わらずというか”面白いマンガはかなり面白い”点です。
「ましろのおと」は圧倒的なぺージ数を有効に使って起承転結のしっかりとしたストーリーを展開しますし、「鉄拳チンミLegends」は30年前と何一つ変わらないものの、なぜか飽きさせない内容をキープできている感じがします。
同じ時期に始まった作品がのきなみマンネリ化していることを考えると驚異的とも言えます。
また、月マガのいいところは作品のジャンル選びがうまいというか、「さよなら私のグラマー」は女子サッカー、「Change!」は女の子が主人公のラップバトルを題材としたりするなど、嗅覚の良さみたいなものを感じますし、ちょっとマンネリ化してきたら作品に休養期間を突然与えたりするところなど、小回りの良さは他の雑誌には見られない気がしますね。
あと昔の作家さんや作品なども大切に印象しているも受けますし、僕は昔から非常に好きな雑誌です。
今は少し好き嫌いの分かれる作品もありますが、突然面白い作品が始まったりする雑誌なので毎月楽しみです。
おススメ作品
「ましろのおと」、「鉄拳チンミLegends」
気になる作品
「さよなら私のグラマー」、「ノラガミ」、「Change!」
ジャンプSQ
「ワールドトリガー」加入で厚みが生まれる ★★★★☆
★4つにしましたが、ジャンプSQ(スクウェア)は非常にいいですねぇ。かなり安定感のあるラインナップだと思いますし、読みごたえは十分です。
元々画力の高い連載陣ばかりで安定感はある雑誌だったのですが、週刊少年ジャンプから「ワールドトリガー」という主軸を任せられる作品が移籍してきたことにより、雑誌としての格が一段上がったという感じもします。
かつて人気を博した「るろうに剣心」や「テニスの王子様」などは好き嫌いもある作品だと思いますが、これに加えて比較的アンチの少なそうな「プラチナエンド」と「ワールドトリガー」が控える陣容は今の週刊少年ジャンプに比べるとより一般受けしそうな内容でもあり、どちらの雑誌を薦めるかというと完全にこちらのほうになってしまいますね。
他の「青の魔術師」や「双星の陰陽師」などSF作品などが充実しており、僕にとっては今気になる雑誌の一つですね。
ただ、途中から読むと若干入っていきにくい作品が多いのが難点ですが、週刊少年ジャンプよりキャラクターがしっかりと描けている作品が多いように感じます。
おススメ作品
「ワールドトリガー」
気になる作品
「プラチナエンド」、「青の魔術師」
週刊ヤングマガジン
週刊「ザ・ファブル」状態に ★☆☆☆☆
まず最初に断っておくと20年前ぐらい前は週刊ヤングマガジンが一番面白いと感じている時期がありませいた。
時期的に言うと「代紋エンブレムtake2」などをやっていた時期ですよね。
他には「湾岸ミッドナイト」や「頭文字D」、「工業哀歌バレーボーイズ」などをやっていた時期でしょうか、題材が完全に大人の男性向けというか、時には「バレーボーイズ」のような下品な作品があったものの、何となく方向性を感じる雑誌でした。
しかしながら現在の連載作品を振り返ると、何となく”魅かれない”作品が多いんですよね。
多少のエロがあるのはヤンマガらしいにしても、かつてのような少しダメンズ系の男子が好き好みそうな題材を取り扱わなくなったり、そういった内容が少なくなってきており、”一体どこのターゲット向けて書かれているのだろう”という作品が多いように感じます。
結果的に昔のヤンマガの系譜に連なるような「ザ・ファブル」がウケているぐらいで、あとはかなり好き嫌いの分かれるような作品が多く、軸らしい軸が少ないのがどうしても雑誌として淡白な印象を感じさせます。
あと「彼岸島」はいつまで続ける気なんでしょうか・・・。
おススメ作品
「ザ・ファブル」
気になる作品
「アルキメデスの大戦」
週刊ヤングジャンプ
新連載がイマイチ当たらず ★★★☆☆
「キングダム」という絶対的エースを中心にして「テラフォーマーズ」や「東京喰種」、「ゴールデンカムイ」など安定感抜群の作品が多かったヤングジャンプですが、ここ一年で一気に地味になってきたという印象があります。
おそらく半数以上の作品が連載から一年程度しか経っていないのも原因なんでしょうが、かと言って新しい作品に魅力的な作品や将来性のありそうな作品があるかというと、ちょっと怪しい感じがします。
例えば「群青戦記」などを書いていた笠原真樹先生なんかは「群青戦記」が終わって(一部完)比較的すぐに「リビドーズ」という作品を始めたりしましたが、正直なところ”わざわざ終わらしておいてなんでコレにしたの?”というような作品になってますよね。
作品としては平凡だあと思います。
他の作品たちもジワジワ売れそうな作品はあるものの、「東京喰種」、「ゴールデンカムイ」まで売れそうな作品があるかというと微妙な感じはしますね。
「キングダム」がお休みの週なんかはちょっと厳しいラインナップの時もあり、「キングダム」クラスは無理にしても、もうちょっとプロットの段階から面白そうな題材を選んで新連載を始めてもらいたいところですね。
画力はある人が多いだけに問題はそこだと思います。
あと最近気になるのはリメイク版の「銀河英雄伝説」がクライマックスが近づきつつあるものの、どうも原作やアニメ版ほど盛り上がりを感じないんですよね。
最初は”お、これはこれでありかな?”とは思っていたんですが、20年前のバージョンを知っているだけに最近残念感が半端ないです。
おススメ作品
「キングダム」
気になる作品
「BUNGO-ブンゴ-」、「銀河英雄伝説」、「リクドウ」
モーニング
もう一つ軸がほしい ★★★☆☆
前々から言っているように作品一つ一つの質はかなり高いと思います。ただ、買ってまで読みたいかと言うとそこは疑問で、コミックスが出てからでいいかな?という作品が多いように感じます。
結局エース級の作品が少ないのが問題なんですが、「GIANT KILLING」、「グラゼニ」という一線級をのぞくと、この次にくるような「宇宙兄弟」はストーリーとしてのピークを越えており、また「コウノドリ」はストーリー的に大きな展開を見せる内容ではないなど、”次の号が待ち遠しい”作品が少ないのが問題です。
こういった作品のラインナップはモーニングらしいと言えばモーニングらしいのですが、あと一つや二つぐらい読み応えのある作品がほしいところです。
正直なところ「会長 島耕作」を掲載するよりも若い時の「島耕作」シリーズを掲載したほうがいいように感じますね。こういったなんとなく惰性で続いている作品が多いのが気になります。
おススメ作品
「GIANT KILLING」、「グラゼニ」
気になる作品
「宇宙兄弟」、「コウノドリ」、「ハーン -草と鉄と羊-」、「バトルスタディーズ」
ビッグコミックスピリッツ
新陳代謝で完全に良化 ★★★★★
最近僕は雑誌というよりもコミックス派であり、雑誌は買わなくなってしまったのですが、気になる作品を中心に立ち読み派です。(ただ結構高速で読めるのである程度は目を通します)
基本的に一冊以上あたり五分以上は立ち読みをしないのですが、それでも読み切れない場合や移動で時間が空くときは買うものの、珍しく”読み切るのに時間がかかる”と思って買ったのがこのスピリッツでした。
それぐらいは今は読みごたえがありますし、掲載作品のバランスも非常に良く感じます。
この作品でも取り上げたように「アフロ田中」シリーズは現在連載中のギャグマンガの中では他の雑誌を含めても圧倒的に面白いですし、「アオアシ」や「WILD PITCH!!」といった王道系スポーツ漫画がしっかりと存在します。
スポーツ漫画で言えば薙刀を扱った「あさひなぐ」や最近はじまったクライミング漫画「壁ドン」なども中々の面白さです。
またそれらに加えて完全に非日常系フィクションの「土竜の唄」(高橋のぼる)や「HIKARI-MAN」(山本英夫)もあります。
他にも浦沢直樹、柏木ハルコ、吉田戦車、高橋しん、東村アキコと言った実績ある先生方が安定した連載をしており、王道系からギャグマンガ、新旧のマンガ家がほどよくMIXしており現状マンガ雑誌の中では攻守に最強だと思います。
これであと一本王道系のマンガが出てくれば部数が伸びる可能性を感じます。
おススメ作品
「結婚アフロ田中」、「アオアシ」
気になる作品
「WILD PITCH!!」、「リボーンの棋士」、「あさひなぐ」、「HIKARI-MAN」、「トクサツガガガ」
ビッグコミック
読み応え十分の大人のマンガ雑誌 ★★★★☆
昨年も推していたビッグコミックですが、クオリティは相変わらず高いですね。
ベテラン作家さんが多いので話の作り方が上手く、途中から読んでもなんとなく話が分かるような作品が多いと思いますね。
また「BLUE GIANT SUPREME」は相変わらずというか圧倒的に面白いです。昨年に引き続いてトップ3に入る作品だと思いますし、続きが一刻も早く読みたい漫画の一つです。
反面ちょっと雑誌として惜しいのは、作品としての大ブレイクというのが「BLUE GIANT SUPREME」ぐらいしかない点でしょうか。
どの作品も総じて面白いことには間違いないんですが、雑誌の中では毎回読んでいても、コミックスを揃えて家に置いておく作品か?というと微妙な作品が多いような感じがして、良くも悪くも無難な作品が多いという気がしますね。
また、「フォーシーム」、「劉邦」、「空母いぶき」、「海帝」なんかは安定感で実績のある先生たちが連載している作品達で面白いんですが、どれも出オチ感のある作品やマンガ家さんたちなので、連載が続けば続くほど最初のテンションが保てなくなるのが弱点としてありますね。
まだ面白いんですが「フォーシーム」や「劉邦」なんかはちょっとマンネリの”マ”が見え始めました。
おススメ作品
「BLUE GIANT SUPREME」、「バディドッグ」
気になる作品
「フォーシーム」、「劉邦」、「空母いぶき」、「海帝」
ビッグコミックオリジナル
軸がほしい ★★★☆☆
作品一つ一つのクオリティはさすがというか安定感抜群な作品が並びます。
これはジャンプなどの少年誌と真逆というか、キャラクター設定がしっかりしているので、登場人物の心情や行動に違和感がなく読めるのはやはり大きいように感じます。
反面、極端でインパクトのある設定の作品が少なく、あくまで日常からドラマを見せるような作品が多いので、どうしても続きが気になるようなタイプの作品がないのがいたいところでしょうか。
ビッグコミックに比べるとどうしてもエンターテインメント性には欠けますし、もう少しキャッチ―な作品があると新しい層の取り込みができるのではないかと思いますね。
ただオリジナルはチャンピオンと同じように昔から普遍的なスタイルの雑誌なのでこれはこれでいいような気もしますね。
この雑誌の中では最近「昭和天皇物語」が一番のお気に入りですね。
おススメ作品
なし
気になる作品
「黄昏流星群」、「昭和天皇物語」、「卑弥呼」
ビッグコミックスペリオール
バラエティ豊富なラインナップ ★★★★☆
質素さがオリジナルの特徴ならスペリオールはエンターテインメントですね。
作品としては挑戦的な作品が多く、作品のジャンル的にはライバルは週刊ヤングジャンプでしょうか。
個人的にどちらが好きかというと僕はスペリオールのほうが好きですね。
分かりやすい絵柄に分かりやすい設定の作品が多く、途中から読んでもすんなり入っていける作品が多いのはやっぱり魅力ですし、あまり人によって好き嫌いの分かれそうな作品がないのは武器だと思います。
あと何と言ってもいつも雑誌の締めにある西原理恵子先生がいい味を出していますよね(笑)。
個人的にはスペリオール=西原理恵子なので、連載がなくなったら「響 〜小説家になる方法〜」以外は読まなくなりそうです。
というか、最近スペリオール置いている店が少ないんですが、どういうこと?(笑)
おススメ作品
「響 〜小説家になる方法〜」
気になる作品
「ダーリンは74歳」、「BEGIN」、「GIGANT」、「機動戦士ガンダム サンダーボルト」