ドラマ「テセウスの船」は名作だったのかクソドラマだったのか?

ドラマ「テセウスの船」

最終回は19.6%の高視聴率を記録し大成功

数々の話題作やヒット作が生まれ、毎回お茶の間からの注目度も高い”日曜劇場”(TBSのドラマ枠 日曜21時~)ですが、2020年の冬クールは「テセウスの船」が放送されていました。

先日の3月22日には最終回となる第10話が放送されましたが、なんと最終回の視聴率は19.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同じ)を記録したそうで大成功だったようです。

今の時代に10%を超えれば御の字の時代に最終回とは言っても20%近くまで行くのは中々すごいことですね。

平均視聴率も13.4%だったそうですが、前作木村拓哉主演の「グランメゾン東京」(平均視聴率12.9%)や、前々作でラグビードラマとして話題となった「ノーサイドゲーム」(平均視聴率12.0%)も、印象としては結構成功だったイメージがあるのですが、最終的にこれらを超えたのは正直なところ驚きでした。

前作は木村拓哉さんや鈴木京香さんをはじめとする豪華俳優陣、前々作はラグビーワールドカップという一大イベントに絡んだ内容だったのである程度成功するのは既定路線だったのですが、今回は竹内涼真君主演のサスペンス物ということで、話題性としては低く、僕としては完全にノーマークでした。

僕と同じように軽視していた人もいたと思うんですが、なぜこのドラマがこんなにヒットしたのか感想も交えながら見ていきたいと思います。

(画像引用:TBSドラマ 日曜劇場「テセウスの船」より)

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「テセウスの船」とは

テセウスの船」とは漫画家東元俊哉(ひがしもととしや)先生によるマンガ作品となります。

週刊モーニング(講談社)で2017年第30号から2019年第30号まで連載(全89話:完結済)され、2020年1月~3月までTBS日曜劇場でドラマ化(全10話:完結済)が行われました。

あらすじ

今から31年前の1989年3月12日、宮城県の音臼村(おとうすむら)にあった音臼小学校では小学生18人を含む21人が青酸カリにより死亡するという殺人事件が起こります。

たくさんの死亡者が出た上に世間を騒がせたのは、その犯人がその村の現役警察官佐野文吾ということでした。

犯人である佐野文吾は冤罪を主張しますが死刑判決を受け、小さな村だった音臼村はその大事件が原因で人が去り廃村となってしまいます。

それから31年後の2020年、主人公である田村心(たむらしん)は東京都武蔵野市で暮らす青年でしたがとある過去に長い間悩まされていました。

それは心の実の父親があの音臼村青酸カリ殺人事件の犯人であり死刑囚の佐野文吾であり、それが理由で世間からいつまで経っても殺人犯の息子として白い目で見られていることでした。

佐野文吾は31年経った今でも冤罪を主張しますが、心は一家離散に追い込んだ父を今でも恨んでいました。

ただ彼の救いは元新聞記者であり妻である由紀とこれから生まれてくる赤ん坊がおり、それだけが彼の心を癒してくれていました。

しかしながら心に悲劇が訪れます。妻である由紀が出産が原因により赤ん坊を産んだ後に亡くなってしまいます。

途方に暮れる心でしたが、新聞記者だった由紀は音臼村事件の真相を追っていたことや心の真っすぐな性格の元となった父親を自分ぐらいは信じてあげなよという言葉を思い出し、意を決して事件の舞台となった旧音臼村に訪れるのでした。

音臼小学校の校舎があった場所には現在慰霊碑が建てられていましたが、そこを心が訪れると突然白い霧に包まれてしまいます。

状況がつかめない心でしたが、そこは1989年のあの忌まわしい事件が起こる前の音臼村だったのです。

といった感じのお話だったはずです。

ドラマ版のキャスト

このドラマの注目は事件のあった1989年と現代の2020年を行ったり来たりするのですが、当時ある程度の年齢だったキャストは現代でも同じ俳優が特殊メイクなどをして出演しています。

当時小学生だった出演陣は現代では大人の役者が演じているのですが、俳優だけでなく芸人も何人か出演しており面白いキャスティングになっています。

今回のドラマでは子役も物語のキーになっており目が離せません。

  • 田村心(主人公):竹内涼真
  • 佐野文吾(心の父):鈴木亮平
  • 佐野和子(心の母):榮倉奈々
  • 田村由紀(心の妻):上野樹里
  • 過去(1989年)の音臼村の主な住人:六平直政、笹野高史、麻生祐未、ユースケ・サンタマリア、仲本工事、小藪千豊、今野浩喜、せいや(霜降り明星)など
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実は初回を見てリタイアしてました(笑)

さてここから「テセウスの船」の感想ですが、わたくし初回を見てリタイアしてました。

あの日曜劇場と言うことで、とりあえず初回はリアルタイムでチェックしていたんですが、やっぱり竹内涼真君や鈴木亮平君がメインキャストのサスペンス物ではちょっとどうかなぁという感じのマイナスからのスタートだったのですが、初回ではやはりそのマイナス域から抜け出すことができませんでした。

色々な理由があったんですが、冒頭からヒロインが上野樹里さんで、目立った女優さんは他に榮倉奈々さんとなると、失礼ながらどうしても華がないというか、下手ではないんですが、演技派というわけでもなく、今が旬というわけでもないという感じがしてあまり食指が伸びません。

周りを固めるベテラン勢も六平直政さんや笹野高史さんというのも、「グランメゾン東京」の時の豪華ラインナップを考えると”何だかなー”という感じは受けます。

まぁ前作品で予算を少し使い過ぎたというのが正直なところなんでしょうが、決してキャスティングで見ようと思わせる感じではなかったというのが多きかったですね。

そして尚且つタイムスリップというSF要素をいきなりぶっこんでこられたんですが、その前にこのドラマはとてつもないボディーブローをぶち込んでくれていたのが致命的でした。

それが

榮倉奈々の老け顔メイクです

これがいけなかった。

実はこのドラマ、後で見ると分かるんですが過去に行った行動により未来が変化していくんですが、その内容により同じ人物のメイクにも大きな変化がつけられています。

序盤のストーリーでは主人である佐野文吾の事件により妻役の榮倉奈々達が苦労したという設定になっているので、散々苦労したような顔にメイクされていました。

これがですね、いわゆる

チープ過ぎた

わけです。

序盤の導入部分で”どんな話なんかなぁ”と様子見していたところに、あの榮倉奈々があきらかな特殊メイクされて出てこられた日には

何ですか?このドラマ・・・

となり、そしてとどめのタイムスリップという感じで、クソドラマ臭満載での初回ドロップアウトになってしまったわけです。

正直つかみは失敗だったと思います。

導入部分ではキャスティングの質を考えるともう少し何かを仕掛けたほうが良かったと思いますね。

主人公とともに視聴者を欺く展開の連続

ただ、1月に早々とリタイアしてから二か月後ですが、わたくし

恥ずかしながら帰って参りました
(BY 横井庄一)

あの四十歳以上の中年にしか分からない横井庄一さんのセリフが思い浮かんだ復帰劇ですが、それはたまたま奥さんが休みで撮りだめしていたこのドラマを見始めたのがきっかけでした。

すでに二か月が経過しようとしていたので、その頃には”何となく面白いらしい”という情報は耳に入っていたのですが、まぁ、本当にたまたま横で見ていたんです。

するとなんか次から次へ二転三転の展開

ヲイ、次の回はよ(早)!!!

なんかメチャ面白いんですが、実はそれがこのドラマの手法だったとは最終回まで気づきませんでした(笑)。

まぁこのドラマの上手いところは、過去と未来(現代)をうまくリンクさせているところですが、過去に自由に行ったり来たり、何度も戻るわけでなく、行ったらある程度行きっぱなし、戻ったら結構戻りぱなしでストーリーが腰を据えて展開するところなんですが、結局最終回まで犯人が誰か分からないまま進められたというのは大きかったですね。

そして次から次に出てくる人間が怪しくなるように演出されている。

さらにその人物は殺されてしまう・死んでしまうという展開で、見ているこちらは疑心暗鬼にさせられました。

真犯人は誰やねん?

結局のところこれ一本なんですが、うまく最後まで主人公と視聴者をだまし続けたと思います。

僕も途中は校長が怪しいと思いつつも、話が進むにつれて、

  1. ユースケ・サンタマリア怪しい・・・
  2. もしかしてせいや(霜降り明星)が犯人?
  3. もしかしてやっぱり校長?
  4. いやいや待てよ、もしかして鈴木亮平が実は本当は犯人てパターン
  5. 榮倉奈々も実は裏の顔があったりして・・・
  6. 小藪も怪しいぞ

もうねぇ出てくる人間すべてを疑うようになりましたわ(笑)。

この巧妙なワナと誘導を仕掛けてくる犯人って一体・・・と思いましたよね。

レクタ―博士をジェイソンが操っていた

そしていよいよ最終回。

放送時間を延長して、引っ張りに引っ張った真犯人ですが

そりゃないぜ・・・

僕も最終回は正座をするような感覚でドキドキしながら見ていたんですが、まさかの人が犯人で驚きました。というか

大爆笑しました(マジで)

まぁ見てた人なら分かると思うんですが、キャスティングの意外性でも笑いましたし、散々知能的で狡猾な犯人像を想像していたら、犯行理由が本当に短絡的な動機だったという部分も笑えてしまったんですよ。

途中、主人公心(竹内涼真)がアメリカのホラー映画の主人公ばりの無計画行動に散々見ているこちらはツッコミを入れたくなるシーンは散々あったんですが、それを演出と脚本でカバーしてサスペンス要素を深めるというのが疾走感を出していたと思います。

散々心理戦のようなものを見せられていたと思ったら、最後は単なるホラー映画だったみたいなオチという展開だったという感じなんですよ。

ストーリーの中盤では木村ゆきお君という役の天才少年が大人たちを手玉にとるのは名作「羊たちの沈黙」のレクター博士みたいで、伝説的なほどの存在感を放つものの、それを操っていたのがまさか「13日の金曜日」のジェイソンだったという真犯人の正体というか無茶苦茶な展開ぶりだったんですよね。

結果的に真犯人は現代で一回死んでたりしますし、過去の世界でバレずに佐野文吾を大量殺人の犯人に仕立てた頭の良さと慎重さや大胆さはどこ行った?と思った人は多数いたと思うんですよ。

もうね最後にジェットコースターで徐々に一番高い所に連れていかれたと思ってたら実はそこが降り口だったっていう感じで、もうね時間返せというのが正直なところです。

うちの奥さんも最後の最後に”なんだコレ・・・”て固まっていましたが、

序盤5点 中盤10点 最終回1点の

クソドラマ

という表現が正解だと思います。

途中まではかなり高い評価を上げられる内容だったのにこのオチは駄目でしょう。

テレビ局としては大成功ですが、色々な意味で伝説になるような作品でした。

キャスティング

あとね、今回はどうしてもキャスティングについて文句を言いたいんですが、芸人さんをやっぱり使い過ぎですよね。

霜降り明星のせいや君は役どころは別として、中々いい演技はしてたんでアリだと思うんですが、最後の澤部君といい小藪君といい、ヲーイとツッコみを入れたくなったキャスティングがいくつかあったのも残念でした。

まぁ予算が抑えられた中、原作どおりに監督がだましだまし描いた可能性は大なんですが、やっぱり何だろうかこの消化不良感、もやもやしている人は世間にどれぐらいいるんですかねぇ・・・。


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