番組内でも異彩を放つ俳句コーナー
昨年は長きにわたってお茶の間に親しまれてきた人気バラエティー番組である「めちゃイケ」や「みなさんのおかげです」(ともにフジテレビ)が終了し、時代を闊歩したテレビ番組が冬の時代に差し掛かりつつあることは、テレビが元気だったころに青春時代を過ごした30代から50代の方々には最近特に実感することでしょう。
”何曜日の何時にはとりあえずアレを見る”
という習慣みたいなものが最近特になくなったのはよく感じますし、曜日感覚も気のせいか弱くなっているような気がします。
そんな死に体のテレビ業界やバラエティ番組ですが、それでもなお「アメトーーク」や「水曜日のダウンタウン」などは出演者の力量や企画の独自性で非常に面白く安定したバラエティー番組だと思いますが、個人的にもう一つ挙げたいのがTBSの「プレバト!」であり、その中でも抜群の存在感を放つ俳句コーナーが僕の中では今一番クールな番組であり外せません。
今回は日本伝統の俳句を題材としながら、特に関西圏で人気を誇る「プレバト」の俳句コーナーをフォーカスしてみたいと思います。
(画像引用:TBS公式サイト「プレバト!!」より)
Contents
「プレバト!!」とは
2012年10月からTBS系列で毎週木曜日の主に19時~20時の一時間枠で放送されている人気バラエティー番組であり製作はMBS(毎日放送)となります。
番組は俳句や水彩画、生け花、盛り付け、書道などを芸能人、有名人が行い、それを専門家が採点し、「才能アリ」・「凡人」・「才能ナシ」などに分けて評価を行い、才能ランキングを決定します。
また、特に才能が認められる芸能人には”特待生”や”名人”などの称号が与えられ、その中でも昇級・昇段や降級・降段などもあり、芸能人の思わぬ才能の発掘や、その才能がどこまでのものか楽しめる内容になっており二段構えのスタイルが人気を博しています。
また専門家が芸能人の作品を手直し、超一流の技を発揮するのも楽しさの一つですね。
俳句コーナーがずば抜けて面白い
TBSのバラエティ番組が今結構面白い
さて、ここから「プレバト!」の俳句コーナーについて書いていきたいと思いますが、いやぁやっぱりこの番組は面白いですよね。
冒頭にも書きいたように、とりあえず人気バラエティー番組というが、最近めっきりと少なくなってしまいましたがTBSは頑張っていますね。
この番組は木曜日にやっていますが、水曜日にやっている「水曜日のダウンタウン」から木曜日のこの番組、そしてこの番組の後に放送される「モニタリング」の流れは僕の数少ないテレビ視聴のルーティンになっていたりしますし、バラエティという枠でとらえれば今一番TBSが頑張っているような気がします。
かつてはバラエティと言えば、フジテレビのお家芸であったんですが、いつの間にやら立場逆転というか、この裏で対抗できそうな番組がもはやないですよね。
「モニタリング」の裏だと「みなさんのおかげでした」が僕の中ではギリギリ対抗馬になっていた(企画によっては見てた)んですが、その軸がなくなり、”本当にフジテレビはこれからどうするの?”という心配が尽きませんが、TBSには「マツコの知らない世界」や「櫻井・有吉のTHE夜会」など思わず見てしまう番組が他にも結構あるので、どこでこの差がついたのかその差は簡単に詰められるような距離ではないような気がします。
老若男女が見ている
そしてこの番組の評価すべき点は比較的広い世代の視聴者がこの番組を見ているところでしょうか。
そもそも視聴率のシステムそのものが怪しく信ぴょう性に欠けるのは多くの方が感じているとは思いますが、世間話をしていてもこの番組を見ている・知っている方は非常に多く、20代からそれこそ80代の方々まで”あの俳句コーナーは面白い”という声をよく聞きますし、あまりアンチが存在しない番組として非常に珍しいような感じがします。
実際にこの番組を見てから俳句コーナーを作り始めた人もちらほら聞きますし、僕もこの前実家に帰った時に、父親に嬉々とした顔で俳句ノートを見せられて絶句してしまいました(笑)。(凡人査定しておきました)
夏井いつき先生というバラエティ映えする逸材
浜ちゃん×梅沢富美男×夏井先生の黄金トリオが爆発的に面白い
この「プレバト!」の俳句コーナー、普段見ている方ならお分かりだとは思いますが、なんといってもこのコーナーの講師を務める俳人夏井いつき先生の存在がすべてでしょう。
辛口な添削と天敵梅沢富美男さんとのバトルや、ダウンタウン浜ちゃんの機を見たツッコミや梅沢さんおよび出演者いじりなどが抜群に面白いですよね。
梅沢さんは自分の公演もあるので出たり出なかったりしていますが、やはりこの三人が揃った時の破壊力が最強でしょう。
一般人とは思えない空気を読む才能
この番組内では夏井先生×梅沢さんの絡みが何といっても見ものの一つですが、相手関係なしの夏井先生の毒舌ぶりは清々しく、また軽口を叩きながらも様々な分野でとんでもない才能を披露する梅沢さんの凄さには関心させられます。
梅沢さんが夏井先生に敢えて挑戦的な態度やピエロ的な行動をとるのは台本なんでしょうが、そうしたほうが面白いくなるというのは長年の芸能生活における勘の賜物でしょうしエンターテナーとしての才能なんでしょう。
また、芸能生活の長い彼を恐れずツッコンで行けるのは、おそらく浜ちゃん意外にはほとんどいないでしょうが、ここに気後れすることなく入っていける一般人(俳人)がいることは奇跡に近いですね。
突然テレビ界に現れた才能とも言えますが、TV慣れした芸能界の人でもここまで笑いをとれる人は数えられるほどしかいないのではないでしょうか。
ああ言えば、こう言うし、それがこちらの斜め上を行き、はっとさせられるのはマツコ・デラックス以来の衝撃です。
おそらく他番組にはでない
これだけ芸能界の大御所クラスの二人に負けない存在感を放つのであればテレビ局はほっておかないと思いますし、様々なオファーが来ているのは間違いないでしょう。
しかしながら現状この「プレバト!」以外に露出が増えたような印象はありませんね。
これはおそらくですがそのオファーを断っているのではないかと僕は推測しています。
理由としては僕がたまたま夏井先生と同じ愛媛県の松山市在住ということで情報が入ってきやすいこともあるんですが、夏井先生は番組でブレイク後も愛媛県内でのテレビやラジオを同じように行っています。
実際には大阪の大学で俳句の講師などもやっていたりして、東京や大阪、愛媛を行ったり来たりしているようですが、その生活スタイルは大きくは変わっていないように見えます。
ブログなどを見ると分かりますが、夏井先生のテレビ番組の出演は俳句の普及が最大の願いのようであり、あまり自分が売れる気はないようで、ご主人と老後を悠々自適に楽しみたいようです。
多分たまにテレビに出たりするのが悠々自適な生活なんでしょうが、夏井先生の元教え子の人なんかにお話を聞いても、元々番組に出ているときのように化粧っ気があるわけでもなく派手を好むような人ではないそうです。
実際愛媛のテレビに出たりしている時なんかは意外と地味なおばちゃんという感じででたりするのですが、本来の姿はよくしゃべるけど毒舌はテレビ用に作られたキャラクラターなのではないのでしょうか。
まぁ実際には”それマジ?ですか”というような笑えるエピソードも聞いたことはあるのですが、また聞きなのでこの場では封印しますがざっくばらんなキャラクターではあるようです。
伊月庵(いげつあん)の完成
これは全国的にあまり知られていませんが2018年の6月には松山市の道後地区に念願であった伊月庵という句会所を自費で完成させられています。
各所から支援の申し出などもあったようですがすべてお断りされたようです。
間違いなく平成の俳句ブームの火付け役
最後に最近はテレビをほとんど見ない人や、持っていない方もいるようですが、この俳句コーナーにより俳句を始めた方は非常に増えていると思いますし、関連書籍が多数売れているようです。
時に下品であり子供に見せたくないバラエティ番組があることは認めますし、僕はこういったくだらない系のバカバカしい番組も好きなのですが、日本伝統(の俳句)も学べてゲラゲラ笑える番組でこれ以上のものは見たことがありません。
テレビ=悪という考え方をされている方も一度騙されたと思って見てみてはいかがでしょうか。
ハズレのない至高の30分間です。