阿部サダヲと吉岡里帆が主演の音楽映画は大丈夫なのか?
映画やドラマの中には音楽を題材としたものは多数ありますが、その出来を左右する要素として作中の曲や歌は当然にして重要なのは間違いないでしょう。
歌を歌う主人公や登場人物たちがいかにリアリティのある歌声を聴かせるかは、ポイントであり山場でもありますよね。
特にハリウッドのミュージカル映画なんかは失敗することのほうが少ないような気もしますが、有名俳優が吹き替えナシで挑むその圧倒的クオリティには驚かされることが多いような気がします。
しかしながら、かたや日本の映画やドラマとなると話は別です。
世界基準のオーディションをくぐり抜けてきた真の実力派揃いのハリウッドの俳優さんたちに対して、日本の俳優さんは所属事務所の力がキャスティングに影響を与えます。
だから、歌を本業としない俳優さんたちが、いかに視聴者を納得させるかという問題は監督さんたちにとっても悩みどころではあるでしょうし、時折ジレンマを抱えることもあるのではないかと同情したくなる場合もありますね。
ただ、批判的な書き出しにはなってしまいましたが、映画だと「BECK」(水嶋ヒロ、佐藤健、桐谷健太などが出演)や「デトロイトメタルシティ」(主演:松山ケンイチ)、ドラマだと「傷だらけのラブソング」(主演:中島美嘉、放送年:2001年)や「チャンス」(主演:三上博史、放送年:1993年)などでは、一部に吹き替えの歌はあるものの、その歌声や曲のすばらしさに感動や驚きを覚えた方も多いでしょう。
さて、そんな中、近々(2018年10月12日)新たに公開される音楽映画が「音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇよんだ!!」です。
主演が阿部サダヲと吉岡里帆ということで、テレビで彼らが番宣のために様々な番組に出演しているのでご存知の方も多いのでしょう。
しかしながら、”驚異の歌声をもつ世界的ロックスター”阿部サダヲと、”異様に声が小さすぎるストリートミュージシャン”吉岡里帆という触れ込みに”大丈夫か?”という不安を覚えた方は僕の他にももいるのではないのでしょうか。
様々な役柄を怪演する阿部サダヲさんのほうはまだ”何とかするだろう”という気はしますが、特に”女に嫌われる女優”でグラビアタレント上り(実際は女優がメインとして活動されていたようですがあくまで僕のイメージです)のイメージのある吉岡里帆さんのほうには個人的に不安タップリです。
しかしながら、その不安は映画の予告とともに公開されたPV(プロモーションビデオ)により完全に杞憂に終わってしまったのでご紹介したいと思います。
Contents
映画「音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!」
あらすじ
公開前の映画、僕も内容を全く知らないということで、あらすじは公式サイトのものをそのまま引用させてもらいます。
驚異の歌声をもつ世界的ロックスター・シン(阿部サダヲ)。その存在がカリスマであり、熱狂的な人気を誇っているが、実は彼には決して人に知られてはいけない秘密があった。万人を魅了するその歌声は“声帯ドーピング”というオキテ破りの方法によって作られたものだったのだ。さらに長年にわたる声帯ドーピングのやりすぎによって、シンの喉は崩壊寸前に……!
そんなシンと出会ってしまったのは、異様に声が小さすぎるストリートミュージシャン・ふうか(吉岡里帆)。何事にも自信がなく内気なふうかは、彼女の歌を聴いたシンから「心が燃えない、心の不燃ゴミ」「音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!」と一刀両断されてしまう。普通の会話もままならないほど正反対な2人は、お互いの存在が目ざわりで仕方がない。
シンの言葉でミュージシャンとしての未来にすっかり自信を失ったふうか。吉祥寺で「13アイスクリーム」を営む、強烈な個性をもつザッパおじさん(松尾スズキ)とデビルおばさん(ふせえり)の家に下宿している彼女のもとに、ある日突然シンがおしかけてきた。「やらない理由を探すな!」と家に引きこもるふうかをシンは強引にオーディション会場へと連れていくのだった。
うんざりしながらも、シンの圧倒的エネルギーに触れたふうかは偶然、シンの“声帯ドーピング”の秘密を知ってしまう! さらにシンの過去を知ることによって、次第に心を開いていく。しかし、シンに“声帯ドーピング”を施したプロダクションの社長(田中哲司)がシンの最後の歌声を利用しようと迫り、レコード会社のシン担当・坂口(千葉雄大)も気弱な表の顔とは別に裏である計画を企てていた。
坂口の陰謀によって、“声帯ドーピング”の秘密がマスコミに漏れたシンは、謎の組織から追われるハメになる。そして、ふうかはシンの声を守るために、シンと一緒に逃げることを決意するが……リミット迫る“声の争奪戦”が今、はじまる!!
(引用:映画「音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇよんだ!!」公式サイトより)
キャスト
阿部サダヲ:驚異の歌声を持つ世界的ロックスター
吉岡里帆:異様に声が小さすぎるストリートミュージシャン
その他の出演者:千葉雄大 麻生久美子 小峠英二(バイきんぐ) 片山友希 中村優子 池津祥子 森下能幸 岩松了 ふせえり 田中哲司 松尾スズキ
監督&脚本
三木聡:様々な映画監督などを手掛けるほか、「時効警察」(テレビ朝日)などのテレビドラマも手掛けています。
かつては「タモリ俱楽部」や「トリビアの泉」、「ダウンタウンのごっつええ感じ」などのバラエティ番組の放送作家もやっていた方みたいです、
映画の予告とともに公開されたPV
シン&ふうか「体の芯からまだ燃えているんだ」ミュージックビデオ
PVを見た感想
いやぁはっきり言ってビックリしました。完全にこちらの斜め上を行ってましたね。
まず吉岡里帆さんですが、先入観なしに見ると板につきすぎて彼女だとは分からなかったような気がしますし、新しく出てきたあミュージシャンなのかな?と勘違いしてしまいます。
ギターを持つのも様になってしまいますし、歌声も気持ちよく補整はかけてるでしょうけど上手く聴こえますし、聴かせる歌になっています。
意外な才能だなと感心してしまいますが、調べてみると彼女実は高校時代に映画「スウィングガールズ」にあこがれて吹奏楽部でアルトサックスをやっていたそうで、元々の素養はあったようなんですよね。
はたしてこれで”女に嫌われる女優”という枕詞を払いのけることができるのか注目が集まります。(ただ、おっさんの僕は元々彼女好きです(笑))。
最後は阿部サダヲさんです。
いやー彼の歌声もビックリさせられてしまいましたね。”驚異の歌声”という設定なんでどうなることかと思ったら、まさかのハイトーンと音域の広さに驚かされました。(そう言えば書きながら思い出したけど宮藤官九郎さんとバンドやってましたね。)
かなり上手いというか聞いていて吉岡里帆さん以上にびっくりさせられたんですが、二人とも完全に予想を超えていたのでインパクトは絶大ですよね。
おそらく映画の製作側もこのクオリティだからこそ自信をもって公開したんでしょうが、こうなると気になるのは音楽番組への出演ですよね。
はたして生歌で聞かせられるクオリティにあるか不安はありますが、「ミュージックステーション」への出演をとりあえず期待したいですね。