10年前の大ヒットドラマを腰を据えて見てみた
アメリカの人気ドラマ「HEROES/ヒーローズ」と言えば10年ぐらい前に「24(トゥエンティフォー)」や「プリズンブレイク」などとならんで大ヒットしたドラマですが、テレビドラマとは思えない映画並みの予算のかけ方や、作り込みの半端なさにとりこになってハマった方も多いでしょう。
日本でも深夜枠や土曜日の昼(僕の住んでいたエリアではこの枠が多かった)なんかに色々な海外ドラマ(と言ってもほとんどアメリカのドラマでしょうが)が放映されていましたが、うっかり見始めると目が離せなくなったのをよく覚えています。
その中でも「24」やこの「HEROES/ヒーローズ」なんかは特に覚えているドラマですが、日本のドラマとの違いはその回数の多さです。
1クール12回で終わるわけではなく視聴率がいいとドンドン続編が作られていくので半ばエンドレス状態になっていくので、登場人物も半端なく多くなってくるわけですが、毎回”いざ見るぞ!”と構えてみるタイプのドラマではなかったので、その記憶は途切れ途切れだったりします。
そんな「HEROES/ヒーローズ」が最近アマゾンプライム会員では無料視聴が可能(最近宣伝多いですねw)ということで一気にシーズン2まで見てきました。
今回はその感想を書いていきたいと思います。
Contents
ドラマ「HEROES/ヒーローズ」
2006年から2010年にかけてアメリカNBCで放映された人気ドラマで、シーズン4(全77話)まで存在します。
放送終了後も2015年にこの作品の続編である「HEROES Reborn」が制作(全13話)されましたが、思ったほど視聴率が振るわず続編は制作されませんでした。
日本では2007年頃に輸入され、CS放送で放送されたあとは日本テレビなど地上波でも放送が行われました。
あらすじ
ある日、アメリカや日本、インドなど世界各地で不思議な能力を持った人たちが現われはじめます。
その能力は人によって様々で、空を飛ぶ、相手の場所を感知する、どんなけがをしても治癒する、瞬間移動や時間停止、予知絵、超感音、放電、核融合など、無害なものから扱い方によっては世界を滅ぼす力を持つものまで現れます。
しかしながらその能力を持つことにより使命感を持つ者もいれば、周りに危険人物と認識されるのを防ぐためひた隠しにする者や、その能力を悪用しようとする者まで出てきます。
そういった出来事が起こっていることは世間には全く認知されていないものの、一部の能力者の予知などにより、2008年11月ニューヨークのど真ん中で大爆発が起こることが分かります。
娘を守りたいもの、他の能力者を奪いたいもの、世界を救うヒーローになりたいものなど、それぞれの人生が交錯し始めます。
感想
群像劇をやらせるとやっぱり海外作品は上手い
さて、ここからが「HEROES/ヒーローズ」の感想となりますが、10年前は結構見てたはずなんですが、話を全く覚えていませんでした(笑)。
ガッツリ見てたわけではないので、”ああこういうシーンあったな”とは思いましたが、ビックリすぐらい点と点になっていましたね。
それが今回手軽に見れるというわけで第一話から見ていったのですが、10年の歳月を経てやっと点と点がつながりこのドラマが線でつながりました。
まぁ実際のところシーズン2まで見ただけなので半分しか見ていない状態なのですが、何と言っても登場人物が多いですね。
ボケーと見てると話しに置いていかれる感じもしますが、それぞれが特殊能力をもっていたり、日本人やハイチ人、インド人などの他、黒人や子供も出てくるので僕たち日本人が見ても見分けがつきやすくなっています。
そこをギリギリ把握できる登場人物の数を用意することにより、巧みに話が展開していますが、こういった複雑に同時進行で話を進めても話がとっちらかってないので、見ていて飽きません。
また最初はそれぞれの登場人物が全く独立して話が進んでいたのに、徐々に交わっていく様は見ていてどう絡むのか見どころタップリでした。
海外作品にはこういった群像劇タイプの作品がたまに登場しますが、こういった計算された展開はなかなか日本の映画やドラマではお目にかかれないので、さすがだなと感心してしまいましたね。
ただ、こういった手法をやろうとするとどうしてもかなりの尺が必要になってくるので、日本ではなかなか難しいのかもしれませんが、かといってここまでしっかりとした脚本を日本でやれるかというと微妙な感じはしますね。
面白く書けそうなのは日本人だと三谷幸喜さんぐらいでしょうか。
アメコミ型SF作品で男子は好きなはず
このドラマ内容そのものはよくあるアメリカ、アメコミ型のSF作品ですが、登場人物がいろいろな超能力を使うさまは僕のようなSF好きにはたまりません。
時間停止や瞬間移動、相手の心を読んだり、相手の能力を奪ったりするなど、少年マンガでも最近よくある能力モノなわけで、こういった作品は男子にはたまりませんよね。
「スパイダーマン」や「ファンタスティック4」、「X-MEN」シリーズなどのように、登場人物が世間一般の人達からヒーローと称賛されるわけではなく、人知れず敵対したり協力したりしてクライマックスに近づいていくわけですが、異世界や仮想空間、超能力大好きな人で見たことない人がいれば是非ともおススメしたいと思います。
色々ツッコミどころはあるがSFはそれでよい
恐らく女性の方の中にはこういったSF作品は現実性がないということで敬遠する方もいるでしょう。うちの奥さんだと第一話でゲームオーバーな気がします。
例えば時間を止めたりする能力があれば”ドンドンその能力を使えばいいじゃん”というところもあったり、色々実験や訓練を活かしてもっとうまい使い方もできるだろうというシーンはたくさんあります。
またこのドラマには日本人が比較的重要なポジションとして存在しており、日本語のセリフもたくさん登場するわけですが、ペラペラな日本語を操る人もいれば、カタコトレベルの人もいたりして、僕たち日本人からすれば”ムムム・・・”というシーンもでてきます。
ただ、このドラマに関しては不思議とそこは後を引きづらなかったかなというのは見た上での感想です。
出演されている方もかなり頑張っている感じはしたのですが、おそらくこのあたりはヒロ・ナカム役のマシ・オカさんあたりがしっかりギリギリの部分で監修していた影響もあるのでしょうが、押さえるところはしっかり押さえた上で、SF作品にありがちな勢いで乗り切るという半ば割り切ったような開き直りぶりが、よかったような感じがしますね。
登場人物が総じておバカなのは何とかしたほうがよかった
感想の最後として、この作品、大好きなSFモノということで大満足かというと、ちょっと不満な部分があります。
それが登場人物たちの方向性の二転三転ぶりです。
このドラマでは登場人物が様々思惑に乗っ取って行動しているわけですが、ヒロやアンドウのように一貫して正義に突き進むものいますが、ほとんどの人物が悪玉よりになったり善玉になったりします。
特に二重人格でDLの奥さん役の人なんかは裏の人格でバンバン人を殺しますが、シーズン2になるとそれがなかったように振舞ったりしますし、主人公?クレアのお父さんのメガネ(名前)は娘可愛さのあまり、関わった記憶をバンバン消していったかと思えば、シーズン1の最後ではいつの間にか主人公側にいたりします。
シーズン2でも半分このおっさんのせいで物語が重大化していくわけですが、細かいツッコミどころには目をつぶれてもさすがのシーズン2の最後には、僕も”このアホのメガネを何とかしろや”と見ていてツッコミを入れたくなってしまいましたし、インド人のあの先生にも同じことを思いましたね。
このようにあらを探すと一杯あるドラマですが、とりあえずSFドラマの世界や能力バトルにガッツリとはまっていたい人には十分楽しめるドラマだと思いますね。