TBSドラマ「Heaven? 〜ご苦楽レストラン〜」を見た感想

ドラマ「Heaven」

佐々木倫子の人気コミックが豪華キャストで連続ドラマ化

佐々木倫子(ささきのりこ)さんと言えば、「動物のお医者さん」(1988年~1993年、花とゆめ、白泉社)や「おたんこナース」(1995年~1998年、ビッグコミックスピリッツ、小学館)など、少女マンガ雑誌だけでなく少年誌でも連載を行い、男女から支持された珍しいマンガ家さんです。

その作風は独特の繊細な絵のタッチとは裏腹に、どこか抜けた登場人物とちょっと変わった設定がシュールな笑いを引き出すというものですが、今もなお似たような作品が出てこないことを考えると、超一流の天才マンガ家さんの一人と言ってもいいのではないでしょうか。

アラフォー世代である程度マンガを読んでいた人ならば、”「動物のお医者さん」を描いた人”と伝えれば、ほとんどが認識できるマンガ家さんでしょう。

そんな佐々木倫子さんの全盛期とも言える九十年代に連載していた作品の一つが今回取り上げるドラマ「Heaven? 〜ご苦楽レストラン〜」の原作「Heaven? 」(1999年~2003年、ビッグコミックスピリッツ、小学館)ですが、この作品も国民的ヒットまでは行かなくても、連載当時、マンガファンには十分知られた有名な作品でした。

そんなビッグタイトルが約十五年を経てドラマ化されるということになったのですが、もちろんリアルタイムで読んでいた僕としては、かなり実写化がハマると思っていただけあって、ドラマ化の発表からかなり期待していました。

ついにそのドラマが始まったということでその感想を書いていきたいと思います。

(画像引用:TBS公式サイト「Heaven? 〜ご苦楽レストラン〜」より)

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「Heaven?」とは

「Heaven? 」(ヘブン)とは1999年~2003年にかけて週刊ビッグコミックスピリッツ(小学館)で連載された佐々木倫子(ささきのりこ)さん原作のマンガ作品となります。

これまで佐々木倫子先生の出世作でありヒット作である「動物のお医者さん」のドラマ化は2003年にされたことがありましたが、今作品は初の映像化・ドラマ化であり、2019年夏クールからTBSで製作・放送が行われています。


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 あらすじ

主人公の伊賀観(いがかん)はとあるフレンチレストランで給仕係として働く若者でしたが、知的で冷静ではありながら少し度が過ぎていることもあり、職場では少し居心地の悪い毎日を送っていました。

しかしながらある日、客である若い女性から彼の毅然とした働きぶりを見て”新しくオープンするうちのフレンチレストランで働かなないか?”と誘われます。

観は少しとまどいながらも、現在の職場でうまくいってなかったことや、彼女の理念に惹かれる形でそのお店に転職を決意します。

彼女の地図をたよりに指定された場所を訪れた彼でしたが、そのお店は墓地の奥にありとなりは葬儀場というとんでもないロケーションでした。

しかもそこで働くスタッフは、”牛丼のチェーンで働いていた”店長、”元銀行員でソムリエの資格を取るために働く資格マニアの”老人、”美容院でシャンプーばかりやっているのが嫌になった”ど天然の若者、”元三ツ星レストランで勤務経験はあるものの、働く店がことごとく潰れてきた”シェフというとんでもない面々の集まりでした。

しかもホールでフレンチレストランで働いたことがあるというのは観だけという状況で、なんとプレオープンまで残された時間は数日という状況です。

そんな個性的な面々が働くフレンチレストラン「ロワン・ディシー」の物語が始まります。

といったお話です。いつもながら僕なりにまとめてみました。

キャスティングはほぼ二重丸も・・・

さてここから感想を書いていきたいと思いますが、今回の「Heaven? 〜ご苦楽レストラン〜」は個人的に始まる前から非常に注目していました。

やっぱりリアルタイムで見ていたマンガだったということもあるんですが、実写向きの絵柄であり内容だったことからも、面白い作品にならないはずがないと思っていました。

アラフォー世代の方ならそういった方も多かったのではないのでしょうか。

またTBSは同じビッグコミック系(月刊ビッグコミック)で連載されていた「重版出来」(じゅうはんしゅったい:現在も連載中)を上手いこと映像化していただけに僕の期待もほぼMAXだったわけです。

そんなこんなで、第一話、第二話と見たわけですが、まずキャスティング。

主人公の伊賀観役の福士蒼汰君はもうこれはドラマが始まる前から番宣で色々出演している時点でハマるなと思っていましたが、まさにその通りでしたね。

冷静でいて知的なイメージ、メガネが似合うイケメンというのはまさに彼のための役という感じでした。

そして彼の親愛なるペットとなる(笑)天然ボーイ川合太一役の志尊淳君もハマっていましたね。ちょっと昔ならV6の三宅君とか少し軽い感じの子がピッタリかなーと思っていたんですが、このホールのコンビは役者の旬を考えてもいい配役だったと思います。

あと店長やコック、ソムリエの面々は勝村政信さんをはじめとして段田安則さんや岸部一徳さんなど個性派の俳優さんで固めましたが、見た目は原作とは違うものの、記憶にあるこれらのキャラクターの雰囲気は”まさしくコレ!”という感じがして完璧という感じでしたね。

実際にドラマで動いているのを見てもよく原作のキャラクターの雰囲気を再現できていたと思います。

しかしながら、やっぱり気になるのはオーナー役の石原さとみさんです。

物語のキーとして主人公を振り回す”ど天然+傍若無人”なオーナー役なんですが、

なんとなくコレじゃない感タップリ

なんですよね。

石原さとみさんが決して演技が棒とか下手という印象はない(彼女の出世作となった朝ドラの「てるてる家族」なんかは抜群の存在感で僕が今も大好きな作品です)んですが、どうしてもイメージと合わないんですよね。

なんというか他のキャスティングがうまく作品やお店にフィットしている感じがしているのに、なんだか彼女だけ異物に感じます。

少し彼女の演技が頑張り過ぎている感もあるのかもしれませんが、他の出演者が抑え目というせいもありその温度差がなんだか僕には受け入れられにくいような気がします。

またやっぱり天然キャラのはずの設定なんですが、どう見ても天然という感じが受けませんし、これはもう石原さとみという女優さんに色が付き過ぎているのが原因だと思います。

おそらくここの部分は視聴率という縛りもあり、名前重視の配役になったということもあるんでしょうが、この作品に関しては彼女が最適解ではなかったと思いますね。

演出が全体的に寒く原作の良さを消している

そして問題はやっぱり演出面でしょう。

石原さとみさんのキャスティングがベストではないとは思うんですが、それに拍車をかけているのがやっぱり演出にあると思います。

本来であれば、天然キャラでありながら実は小金持ちの小説家、自分の居心地のいい店を作りたい酒好きというのが彼女の正体なわけですが、どこかバブル崩れの雰囲気を醸し出す水商売上りのような役作りはなぜなんでしょう。

そもそも服装からして”なんだコレ?”という感じがしましたし、彼女が小説家ということを考えればどこか知的な面を匂わす演出は必要だったと思いますが、今のままだと単なるワガママで頭の悪い女性にしか見えず、監督や演出は何しているんだろうな?と感じてしまいました。

ここですべてをぶち壊しているように感じます。

またオーナーの傍若無人ぶりに、周りの人間が”諦観”というキーワードでちょくちょく小さなCG演出が入ったりするのですが、こういう細かい演出が全体的に寒く感じます。

これも出演者たちのキャスティングや演技がどちらかと言えば自然体、個性的というのはあるんでしょうが、アナログな演技・アナログが合う役者にデジタルな演出がされており、ドラマの雰囲気や間をぶち壊しているような印象を受けてしまいました。

本来この原作のよさというのは佐々木倫子先生が描く物語の独特の世界観やちょっとズレた登場人物のギャップにあると思うんですが、見どころは壮大な前振りにして予想外のオチが特色だと思います。

そう考えると個性的な役者の配役はハマっているように感じましたし、舞台にあるようなセリフ回しや演技をやりつつそれをテレビドラマとして昇華させるのがベストだったとは思うんですよ。

それを中途半端な演出と映像効果がぶち壊しているように感じるんですよね。

言うなればどうもドラマドラマし過ぎているような感じを受けてしまい、正直見ていて

これフジテレビのドラマだっけ?

と見ていて感じたんですよ。

フジテレビさんには失礼かもしれないんですが、そういうチープさ、バランスの悪さが残念なんです。

俳優陣よりスタッフ側に問題があると思われる

マンガ原作の「重版出来」があまり話題にはならなかったものの、ドラマ・映像化として非常に良くできていただけに期待はしていたんですが、今回は残念ながらリタイアしようと思います。

原作が面白いだけに今回は非常に残念です。

正直なところ今回は深夜枠でやっているようなスタッフで撮ったほうが雰囲気重視で作っていい作品に仕上がったのではないのでしょうか。

どうしたTBS ?

ドラマはもっとできる局だと思うんですけどね・・・。


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