映画「テラフォーマーズ」が思ったほどクソ映画ではなかった件

映画「テラフォーマーズ」

超人気マンガの実写化も予想通り噂は最悪

今回は今から約二年半前の2016年4月に映画化され、公開された劇場版「テラフォーマーズ」のお話です。

「テラフォーマーズ」と言えば、現在も週刊ヤングジャンプ(集英社)に連載されている同名のマンガ作品が原作ですが、連載開始当初から独特の世界観や設定などがウケて大ヒットとなった作品ですね。(ちなみに僕も10巻ぐらいまではコミックスを買っていました)

ただ、この大ヒットマンガの映画化はご存知のよう目立った結果を残せなかったのですが、国内での興行収入7.8億円というのは、原作の知名度やキャスティングの豪華さ、大がかりなプロモーションなどを考えると大コケしたと言ってもいいでしょうね。

この映画の公開される前年には同じように大人気マンガ「進撃の巨人」も映画化されていましたが、内容は原作ファンの予想を上回るガッカリぶりで、興行収入が32.5億円(前編)もいったことに個人的には驚かされましたね。(後編は16.9億円:Wikipediaによる)

まぁ、昔からマンガやアニメ原作、特にSF系作品の実写化にはほぼ間違いなく失敗するのが日本映画界の伝統芸なので、誰も期待していないのが現実なのでしょうが、毎回毎回大失敗してどうやって採算を取っているのか少し謎です(笑)。

さて、評判も興行結果も散々だった映画版「テラフォーマーズ」ですが、もちろんレンタルしてまで見ようとまでは思っていなかったんですが、ついに僕御用達のAmazonプライムビデオで無料ラインナップに加わったので、ブログネタにでもなるかな?と若干邪(よこしま)な理由(笑)も手伝い見てみました。

(画像引用:映画「テラフォーマーズ」公式サイトより)

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「テラフォーマーズ」とは

2011年から集英社のミラクルジャンプ、次いで2012年からは同社の週刊ヤングジャンプで連載されている人気マンガです。

原作は橘賢一(たちばなけんいち)、作画は貴家悠(さすがゆう)先生が担当していますが、2017年に原作者橘先生の病気療養により、約一年間の休載期間がありました。

現在は連載を再開し、第三部にあたる内容を連載中です。

あらすじ

時は2599年。火星に向かう宇宙船「バグズ2号」には様々な事情を持つ15人の男女が乗り込んでいました。

彼らの目的は21世後半に計画された「テラフォーマー計画」最後の仕上げのためのものでしたが、その計画とは地球の人口過多、資源枯渇の解決策として、火星を人類の住める環境にし、移住するというものでした。

計画の初期段階として、まず平均気温マイナス53度を上昇させ、大気中に酸素を発生させるために、繁殖力の強い苔とゴキブリを火星に送り込みます。

これが21世紀後半に実行に移され、それから500年が経過していましたが、これらの計画は順調に進んでいました。

計画の仕上げとして、火星に繁殖したゴキブリの駆除が彼らの目的でしたが、火星に降り立った彼らが目にしたのは、ヒト型に進化したゴキブリ達の姿でした。

といったようなお話です。

個人的な原作の評価

この作品は現在三部を連載中なのですが、第一部が小町小吉が活躍するバグズ2号編、第二部が世界各国から有望な人材が集められたアネックス1号編、第三部が地球激闘編になります。

タイトルは僕が勝手につけていますが、一部はサバイバルバトルや裏切り者が誰か分からないという要素もあり大変面白く大ヒットのキッカケになりました。この段階でのヒットは比較的辛口の僕でも納得でしたし、読み応えも十分ですね。(今回の映画はこの第一部がベースになっています。)

第二部は一気に登場人物が増えますが、様々な国が参加しチーム分けされ、また様々な生物をベースとした登場人物が登場してきて面白く、第一部の寄せ集めバトルから、能力を活かしたバトルに発展しておりまた違った良さがあります。

敵も現状維持ではなくこちら側の能力を移植してパワーアップしている点も面白く、多少一部の焼き直しではあるものの、良いところを継承して正常進化版になっていますね。味方が華々しく活躍するのかな?と思ったらあっさりやられる意外性もちゃんと引き継いでおり、このあたりのいい意味での裏切りはしっかりあります。

また一部には多少欠けていた登場人物の無駄死に感も多少解決されており、カッコいいキャラ・死んでほしくないようなキャラも登場してきて、二部の前半はストーリーのピークとも言えますね。

ただし面白かったのは前半までで、後半になるとどうも後付け感やご都合主義のような面が感じられるようになってしまい、一気に退屈になってしまいます。

第三部は地球での戦いに発展していますが、二部途中までの味方の登場人物の能力のワクワク感やそれを裏切るような展開など、このマンガのよさが完全に失われている印象を受けます。

休載で一気にマンガの勢いがなくなり、いまは完全に普通のマンガという感じがします。個人的には、あれ、原作変わった?とさえ思ってしまいますね。

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映画版「テラフォーマーズ」を見た感想

始まる前から下がりまくるハードル

さて、この映画版「テラフォーマーズ」ですが、予告編から漂う映像のB級映画臭、キャストは主演伊藤英明や山田孝之などは「海猿」や「電車男」などの主演ヒットなどがあるからまだいいとして、武井咲や小池栄子、ジャニーズの山久智久、加藤雅也や元AKM48の篠田麻里子、極めつけはケインコスギまでもってくるというキャスティングの危険な香り(笑)には見る前から戦々恐々としてしまいますね。

さぁ、どんなクソ映画になっているんだ?

原作ファンでなくてもこういう気持ちで挑んだ(笑)方も多いんでしょうが、

意外と見れる

というのが正直な感想ですね。

いやー、意外と見れるというのは変なんですが、面白いか面白くないかでいうと、若干面白かったんですよね。

一応映画版「進撃の巨人」のほうは前後編ともに同じようにAmazonプライムビデオで見ていたんですが、あちらがかつての「ドラゴンヘッド」(週刊ヤングマガジンで連載されていた作品で2003年に映画化された)のような予想通りのコケ方をしたのに比べると、意外と原作に忠実によくできていたというのが感想なんですよね。

原作ファンならすでにおわかりでしょうが、舞台は火星で人型のゴキブリにプラスして、人間は”バグズ手術”により人為変態する、これだけで明らかに映像化するだけで難しそうなのは明らかなんですが、この部分に関しては原作を知っていたせいもあるのか、違和感なく見ることができました。

CG技術が進んでいることもあるんでしょうが、デザインやカラーリングは意外とすんなり受けいることができました。

まぁ、小池栄子と武井咲の変身に関しては”ん?”と思いましたが・・・(笑)。

戦闘シーンや虫の紹介シーンがカッコいい

この映画の肝である人為変態さえクリア(受け入れることができる)してしまえば、この映画の7割ぐらいはもはやクリアしても言っていいと思うんですが、映画版の話は思いのほか、原作に忠実に作られています。

もちろん尺の問題があるので、ある程度変更点はあるんですが、山下智久演じるバッタのくだりや山田孝之の演じる”死なない虫”のくだりなどはしっかりと盛り込まれているので、ストーリーそのものはそれほど破綻していません。

それこそ原作の良さのひとつである、上げといて落とすという展開や無力感・絶望感もしっかりと盛り込まれており、戦闘シーンの途中ではヒット映画「300(スリーハンドレッド)」を彷彿とさせるような感じさえしましたね。(恐らくこのあたりのオマージュはあったんじゃないかと思います)

またこの「テラフォーマーズ」の最大の見せ場の一つとも言える”虫紹介”のシーンがイイですよね。

血液中に人為変態用の液体を注入するとそれぞれの登場人物にどんな虫の遺伝子が組み込まれているかナレーションとともに紹介が始まるんですが、これが中々カッコいいです。

おそらく原作者や関係者の方がここがこの作品の肝だとリクエストを出している可能性はありますが、ストーリー中のアクセントや見せ場としてはよく効いていたと思います。

舞台が火星なのが幸いした?

「進撃の巨人」は表現するのが難しいほどのクソ映画(笑)だったんですが、それとこれのどこが一番違ったのかと考えてみると、舞台が火星だったのがよかったのかもしれません。

「進撃の巨人」のほうは現在の世界と若干関連性のありそうな世界観のために、たくさんのエキストラが登場してきて日常生活も描かれるのですが、こういうのは邦画が特に苦手としているシーンですよね。

言い方を変えるとするなら日本人がまったく馴染まない違和感たっぷりなシーン・世界観になってしまうのが問題なんですが、「テラフォーマーズ」は劇中のシーンがほどんど宇宙船と火星で描かれます。

冒頭は回想シーンなどで未来の地球が舞台となっているものの、ここが無駄に引っ張られていないので、なんとか見るに堪えれた可能性はあります。あくまで非現実的な舞台設定だったからこそ、集中してストーリーに入りこめたという感じはしますね。

あり得ない舞台でやりたい放題やっていた、これがよかったと思います。

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原作ファンにはおススメ

もっとダラダラと感想を書いてもいいんですが、実は今、猫に邪魔されながら書いています。

それこそ「テラフォーマーズ」におけるゴキブリたち(二匹)から攻撃を受けている(笑)ので、感想が支離滅裂でグダグダになっている可能性はあるので締めますが、冒頭に書いているように意外と作品の出来は悪くありません。

おそらく僕と同じように”どうせクソ映画”なので、テレビつけて放送してたら見ようという方が多いとは思いますが、原作の再限度・理解度は非常に高く、邦画にありがちな俳優のイメージを活かしたストーリー展開というのも極力抑えられていたりします。

恐らくケイン・コスギあたりなんかはボーとしていたら見逃してしまうような存在感・演出なんですが、監督は結構真面目に作ったなぁと感じさせるほどです。

「進撃の巨人」はもはやネタ映画という表現がぴったりなんでしょうが、この内容であれば続編もちょっと見てみたいかなぁと思ってしまった内容でしたね。

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