アニメ「ヴィンランド・サガ」を見た感想:地味に面白い

幼少期ノトルフィン(アニメ「ヴィンランドサガ))

中世のヴァイキングが主人公のアニメ

2019年7月からNHKで放送されている「ヴィンランド・サガ」というアニメが、中々面白いです。

最近のNHKのアニメと言えば、あの「キングダム」の他にも「進撃の巨人」や「メジャー」など、人気マンガ原作の良さを失うことなく、うまく映像化した作品が目立ちます。

あくまで想像でしかありませんが、予算規模が民放アニメとは違うのでしょうか、映像は作画崩壊することなく安定した内容で描かれており、放送枠も尻切れトンボにならないように2クール以上はしっかりと時間をとって放送がされています。

さすがNHKというか、まず失敗することがないのがNHKのアニメの特徴ではありますね。

上記の作品の他にも、「ベイビーステップ」や「精霊の守り人」(※)などこのサイトで取り上げた作品もNHKで製作・放映されており、原作ファンも十分満足できる内容と言えるのではないのでしょうか。

そんなNHKが2019年に選んできたのが「ヴィンランド・サガ」という作品なんですが、僕は原作マンガを知ってはいたもの、正直なところ

なかなか渋いところを選んできたな

と思いました。

というのも、前述の作品に比べて大ヒットしている作品ではありませんでしたし、主人公は略奪集団の一人で、決して性格はよいとは言えず共感できるタイプでもありません。

そういった作品をしっかりと映像化して、まとめてきたわけですが今回はこの「ヴィンランド・サガ」という作品がどういった作品なのか原作を含めて微力ながら紹介したいと思います。

※「精霊の守り人」はマンガ化されていますが、原作は小説となります。

(画像引用:アニメ「ヴィンランド・サガ」公式サイトより)

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「ヴィンランド・サガ」とは

幸村誠(ゆうきむらまこと)先生によるマンガが原作となります。

2005年4月から週刊少年マガジン(講談社)で連載が開始されたものの遅筆のため10月に休載、その二か月後の12月から掲載誌を同社の月刊アフタヌーンに移し、現在に至ります。

2019年6月の段階でコミックス22巻が発行されていますが、累計500万部売れているそうです。個人的には、大ヒットしたという作品という印象はありませんね。

あらすじ

時は10世紀、ヨーロッパでのお話。

主人公トルフィンはアイスランドに住む少年でしたが、この地には、当時北ヨーロッパではばを利かせていたヴァイキングの支配を避けた人々が住み着いており、トルフィンはその一人でした。

年端もいかぬトルフィンでしたが、彼の自慢は屈強な体躯と物静かな言動で人々から尊敬を集める父トールズでした。

そんなある日、平和に暮らしていた彼らの地へ屈強な兵士を従えた船団が現れます。

その船団を冷静に見つめる父トールズでしたが、彼らの正体はいわゆるヴァイキングであり、北海最強と言われた戦闘集団ヨーム戦士団でした。

彼らを率いるのはフローキという人物でしたが、実は彼らの目的はトールズであり、彼にイングランド攻略なのために力を貸せというものでした。

なぜ自分の父親にそんな要請をするのか不思議に思うトルフィンや島の一団でしたが、父トールズの正体はかつてヨーム戦士団の中でも戦鬼(トロル)と恐れらえた大隊長だったのです。

かつては戦場で無益な血を流し続けた戦争の申し子だったトールズでしたが、戦場を離脱した過去がありました。その理由は子供(トルフィンの姉)が生まれて人間らしさを取り戻したことが原因でした。

それ以来アイスランドの血に留まり家族とともに不殺の誓いを立てていた彼でしたが、フローキは戦場離脱を不問にする変わりにイングランド遠征に参加しろというものであり、もし参加しなければ島を敵と見なすという圧力により彼らの申し出を引き受けます。

島には血気盛んな若者もおり、平和な生活に飽きていた人間もいたので住民はトールズの参戦に色めき立ちますが、息子トルフィンもその一人でした。

しかしながら、この要請の裏ではある思惑が動いていました。

トールズたちが戦いに向けて準備をしているころ、フローキはアシュラッドという男が率いる傭兵団の元に赴きある依頼をします。

それは”トールズを殺せ”というものでした。

トルフィンの長きにわたる苦難と激闘の物語がはじまるのでした。

といった感じのお話です。僕の記憶をたどって書き起こしたので一部まちがいがあるかもしれませんがこんな感じです。

アニメ化

TVアニメ「ヴィンランド・サガ 」オープニング・テーマ解禁 第3弾アニメPV

2019年7月からNHK総合にて2クールにわたって製作・放送が予定されています。現在も放映中となります。

製作は「進撃の巨人」や「甲鉄城のカバネリ」、「魔法使いの嫁」などの製作で知られるWIT STUDIOが担当しており、かなり実績のある会社が製作してます。

原作とアニメの違いとしてはすでに5話と6話でオリジナルストーリーが追加されているようです。

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ヴァイキングを描いた異色作品・・・

さてここから「ヴィンランド・サガ」の感想を書いていきたいと思いますが、冒頭にも書いた通り、僕はこの原作を連載開始当初に読んでおり認知していました。

ところが

すっかりタイトルと中身は忘れていました(笑)

いやー読んだのはかなり前だったんですよ(汗)。

確かコミックで数巻を一気読みしたことは覚えているんですが、何分始まったばっかりで続きが出ておらず、当時はそこでプツリと音信不通になっていたわけです。

なんせ連載開始から半年でアフタヌーンに移ってしまいましたし、何と言っても当時は週刊少年マガジンに他に面白い作品がたくさんあったし、そして

アフタヌーン自体がそんなにどこもかしこも置いていない・・・

なおかつアフタヌーンも粒ぞろいで、優先度としてはどうしても低かったんですよね。

当時の評価としては正直なところ”まぁまぁ読める”とは思っていたものの、”どうしても続きを読みたいか?”と聞かれるとそこまでではなかったので、段々と疎遠になった作品でした。

それが約十五年ぶりに僕の前に現れたわけですが、最初「ヴィンランド・サガ」と聞いた時は”何となく聞いたことあるけど何だったっけ?”という印象でした。

そして例のごとくアマゾンプライムビデオで新作アニメをチェックしていると、脳裏に蘇る約十五年ぶりの記憶、

ああ、あのバイキングの話かー!

それがこの作品との久しぶりの出会いでした。

アニメ化でさらに画が見やすくなった

話としてはある程度すぐに思い出せたので、あとは”見るべき作品か切るべき作品か”と思いながら見始めたわけですが、やっぱり制作会社がいいせいもあるのか

当たりの部類に入る作品だと思いました

まぁ、人の薦めるほどかと言うとそこまではいかないんですが、何か最近の作品で面白いのがないか?と聞かれると、”「ヴィンランド・サガ」なんかはまぁまぁ面白いよ”とは言える作品ではありますね。

さすがあの絵の下手な「進撃の巨人」の原作をうまくブラッシュアップさせてアニメとして昇華させた製作会社だと思わせる内容であり、数話見ただけで”これなら尻すぼみになることはない”と安心できる内容でした。

元々ストーリーとしてはある程度しっかりと作りこまれていたので心配はしてなかったんですが、原作の連載開始当時気になっていた点はやっぱり画だったんですよ。

幸村先生はどちらかというと画はうまいほうのマンガ家さんではあったんですが、連載当初はやはり少し書き込み過ぎという印象の作品だったので、これがアニメ化されることにより線がシンプルになりかなり見やすくなったというのがポイントだったように感じます。

マンガからアニメ化のパターンには何通りかあって、最近のジャンプ系の作品のアニメ化のような、動きのない絵をアニメ化することによって作品のキャラクターに血が通いだすというパターンや、名作の原作が安っぽいアニメ化により陳腐化するというパターン、進撃の巨人の時のように、画がストーリーを読み解いていく上でストレスなるというパターンなどがありますが、この作品は進撃の巨人パターンの成功例だと思います。

駄作ではありませんでしたが、アニメ化により作品は一段上に上がったようには感じましたね。(まぁこれも原作がある程度しっかりしてないといけないわけですが・・・)

悪者側から描かれる独特の世界観

ストーリーに関して言うと、この作品は中世ヨーロッパ、それもバイキングの世界を中心に描かれます。

中世ヨーロッパと言えばイングランドのアーサー王とかの世界で、世界観としてはフィクションではありますが、「ロードオブザリング」、「スローンズ」の時代背景に近いですよね。

いつもならこういった作品はイングランド(王様)側がヴァイキング(侵略者)側を打ち倒すというのが定番なんですが、この作品は逆側の侵略者の側にいる少年の視点から物語が描かれており新鮮です。

そこに復習という要素や、仇の命を狙うものの正々堂々と戦うといった主人公の信念、父親に対する尊敬など色々な要素が含まれており、ストーリーを一筋縄ではいかないものにさせていると思います。

このあたりはあまり同じタイプの作品が多くないので、先の展開が読みにくくなっており非常に面白いですね。

海外ドラマ的なキャラクター描写はマイナス

ここまで書くと貶す部分がまったく内容には自分でも思うんですが、それでも自分的には何となく大絶賛はしにくい作品です。

それがなぜかはパッと言いにくいところではあるんですが、個人的に分析するとそれは登場人物にあまり感情移入ができない部分が致命的なのではないかと思います。

主人公トルフィンは作品開始当初は父親に憧れる健気な少年だったのが、あっという間にダークサイドに落ちて略奪集団の先兵になっていますし、やさぐれ過ぎです(笑)。

つらい過去があるのはよく分かってはいるものの、ステレオタイプな正義の主人公を期待するこちらとしては、素直に応援することはできませんよね。

もっと落ち着けよ主人公っていうのが続きますしね・・・。

あと彼に影響を与えていくアシュラッドやその仲間たちですが、冒頭はただの悪の親玉かと思ったら、略奪集団の親玉ではあるもののちょっと進むと、冷徹ではありながら気のいい親分として描かれます。

さらに進むとどうやらさらにストーリーに多大なる影響を与えるそうなんですが、悪人かと思ったら、実はそうでもない、でもやっていることは悪者そのもの、まぁ何だかよく分からない人物です。

こういうキャラクターの属性みたいなのが二転三転すると言えば、長期放映される海外ドラマそのものなんですが、やはりこういったどっちつかずのキャラクターを出されてしまうと、見ているこちらとしては何となく浮いたキャラクターになってしまうので、キャラクターの行動に説得力が生まれずに斜めから作品を見てしまうようになってしまいます。

まとめ

このように若干入り込みにくい作品ではあるんですが、ヴァイキングの歴史や中世ヨーロッパなでの状態を知ったり感じる上では非常に面白い作品だと思います。

王道作品を探している方には合いませんが、ちょっと変わった作品、ダークヒーローが活躍する作品を探している方にはおススメしたいと思います。


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