アニメ「甲鉄城のカバネリ」を見た感想

アニメ「甲鉄城のカバネリ」主人公の生駒

気になっていたサバイバル系アニメ

今回は2016年にフジテレビ系で放送されていた「甲鉄城のカバネリ」(こうてつじょうのかばねり)というアニメに関する記事になります。

”甲鉄城”とか”カバネリ”とか何だか聞きなれないキーワードが並びますね。

例のごとくAmazonプライム・ビデオで追加されていたので見た作品なのですが、以前にYouTube(たしかアニメの絶望的なシーンとかでまとめていた動画)などでこのアニメのシーンがいくつか取り上げられていて何だか気になっていたアニメです。

タイトルすら知らなかったのですが、あらすじなどを見ていくうちにピーン!と来て急に思い出してしまったんですよね。

当然何の予備知識もなく見ることになったんですが、面白くない・合わないと感じたら即切るつもりで挑んだこのアニメ、はたしてどういった内容だったのか振り返ってみたいと思います。

(画像引用:「甲鉄城のカバネリ」公式サイトより)

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「甲鉄城のカバネリ」とは

2016年の4月から6月にかけてフジテレビの”ノイタミナ”枠(木曜深夜)で放送されていたオリジナルアニメとなります。

アニメ「進撃の巨人」を手掛けたことでも知られるWIT STUDIO(ウィットスタジオ)がアニメーション制作を担当しています。

あらすじ

舞台は極東の島国日ノ本。刀や銃、サムライなどとともに蒸気機関が存在する世界で人々はカバネと呼ばれる不死の化物に怯えながら生活を送っています。

鋼鉄の被膜に覆われた心臓を打ち破ればカバネを倒すことができますが、カバネに噛まれた人間はカバネになってしまうため、その数は爆発的に増加中です。

彼らはカバネに備えるため、普段はは要塞化した”駅”と呼ばれる街に閉じこもり生活をおくり、移動や連絡は駿城(はやじろ)と呼ばれる装甲機関車が頼みの綱となっていました。

主人公生駒(いこま)は顕金駅(あらがねえき)で暮らす若き蒸気鍛冶ですが、かつて別の駅でカバネに目の前で妹を殺された過去があります。

そんなこともあってか、友人の逞生(たくみ)とともに独自に対カバネ用の武器やそのウイルスの研究を行っていました。

そんなある日、顕金駅に幕府最大の要塞である金剛郭(こんごうかく)に向かう甲鉄城と呼ばれる装甲機関車が予定より早く到着するのですが、そこには無名(むめい)という幕府関係の謎の少女が乗っていました。

その夜、もう一つやって来た装甲機関車は予定通りの到着だったのすが、その駿城はすでにカバネに乗っ取られており、カバネの侵入を許した顕金駅は大混乱に陥るというお話です。

もうちょっとつっこんで書いてもいいのですが、なるべくネタバレしないほうがこのアニメは面白いので触りだけにしておきます。

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劇場版並みの作画クオリティとキャラデザイン

さて、ここから感想を書いていきたいと思いますが、まず最初に驚かされたのが細部までこだわったアニメーションの質の高さですね。

さすがアニメ版の「進撃の巨人」を担当して同作のブレイクの一端を担った会社が送り出した品です。まるで劇場版のような徹底的なこだわりとクオリティには本当に驚かされました。

装甲機関車などの無機物の質感の高さに負けることなく、有機物であるカバネや人間たちもうまく融合させており、初回の二十数分でこの作品が普通ではないことに気付かされます。

ジブリ作品とはまったく絵の雰囲気などは違うんですが、一つ一つの絵にこだわりを感じるのはジブリ系の作品と共通するものであり、どちらかと言えば絵より話のほうが気になる僕が、まず絵がきれいだなと思わされたほどの作品でした。

そして同時に気になったのがキャラクターなんですが、どこか既視感を感じるなと思って見終わった後に調べてみたら、キャラクター原案がなんと美樹本晴彦(みきもとはるひこ)さん。

「超時空要塞マクロス」シリーズなどのキャラクターデザインや作画をされた方です。

今回はオリジナルアニメということで、キャラクターの原案を担当されたようですが、なんだか色気のある女性キャラクターたちは僕のようなマクロス世代には効果的な人選だったような気がしますね。

圧倒的とも言える第一話

ここまで書くとお分かりでしょうが、初回である第一話は非常に面白かったです。というか圧倒的でした。

目を引くキャラクター達に加えてビシビシと熱量の伝わってくるアニメーション、そこに中世日本を思わせながら蒸気機関車が出てくるという独特の世界観、そしてここからまさかのゾンビが登場してくるという展開は、こちらの斜め上のさらに上を行きます。

ストーリーも決して説明的になり過ぎなていないのにも好感がもて、違和感なくこれでもかと畳みかけてくる展開だったので、第一話が終了するまではこれが連続アニメだったことを忘れさせるような素晴らしい内容でした。

この第一話を見て”つまらない”と感じる人はほとんどいないのではないのでしょうか。

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ただのサバイバルアニメになっていないのも良い

この「甲鉄城のカバネリ」、ネタバレしない程度にストーリーを説明すると、壊滅した街の住人たちが幕府の首都へ逃げていくだけのお話なんですが、この作品の重要な要素としてゾンビ=カバネという存在と”カバネリ”が密接に関わってきます。

そこに主人公の過去などが影響してくるのですが、当初は”カバネリ”という存在をいかに周囲に認めらうかということで話が展開し、”カバネ”の襲来からサバイブしていくというお話になります。

単的に言ってしまえばただのゾンビアニメなわけですが、そこに主人公のアイデンティティを確立させる要素も加わっているので、主人公に感情移入もできます。

またカバネとのバトルシーンなども圧倒的にカッコよく見栄えは十分なんです。主人公たちの目的もはっきりしているので、見ているこちらもゴールが見える(目的がしっかりしている)のはストーリー展開はすんなり受け入れるためには十分な設定です。

だから非常に面白いんですよ、途中までは・・・。

尺不足で消化不良な終盤

しかしながら全12話すべてを見終わった時に感じるのは、なんだかすっきりしない気分なんです。

決して後半が急ぎ足過ぎて、雑な感じになったような感じもないのですが、前半の主人公が周囲に受け入れられる展開、サバイブしていくストーリーから一転、後半は真の敵が”カバネ”以外になってしまいます。

せっかく数話を使ってパニック系の話に慣れてきたと思ったら、いつのまにか勧善懲悪になってしまっているので、温度変化が大きすぎるんですよね。

また、見ている人たちが期待していた要素。

例えば主人公が能力を得て、その力をどうやって強くなっていくか、どうやって敵を倒すかという王道路線を期待していたものの、それが描かれる機会はなく、最終的にはコブラ(サイコガンで有名なアレです)になって倒すという内容では、どうも消化不良のような感じなんですよね。

真の意味でも主役だった”カバネ”が最後のほうがわき役だったのも失敗だったように感じます。

結局のところ、すべてを描こうとしたら尺が足らなかったのは明らかなんですが、よくぞこの尺でうまく着地させたと思う反面、序盤の圧倒的とも言える力強さがあれば、最初から思い切って話を着地させずにアニメ「将国のアルタイル」のような完全に二部を匂わせるような中途半端な終わり方のほうが良かったと思いますね。

その後を描いた劇場アニメが2019年春公開

すでにご存知の方もいると思いますが、来年には(当初は2018年公開予定だった?)テレビ版のその後を描いた続編が劇場版として公開されるようです。

すでにタイトルも「甲鉄城のカバネリ ~海門(うなと)決戦~」と決定しているようですが、名作になり得るポテンシャルがあっただけに、今回のようなちぐはぐな製作の仕方は少し残念ですね。

しかしながら、今回のアニメーションのクオリティには驚かされたので、このプロダクションの作品には今後注目していきたいと思います。

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