アニメ「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」を見た感想

ガンダム THE ORIGIN 作中シーン

 ”赤い彗星”シャア・アズナブルが誕生するまでの物語

機動戦士ガンダム」(以下:ファースト)と言えば1979年の初回放送からすでに40年が経とうとしていますが、今もなお男性を中心に支持されているロボットアニメの金字塔です。

その後、ファンだけでなく多数のSFアニメーターにも多大な影響を与えたことは間違いないでしょうし、この”ファースト”を至高と考える方も多いのではないのでしょうか。少なくとも僕はそう思います。

その後Zガンダム(ぜーたがんだむ)などの正統派続編をはじめ、多数の関連作品が制作されていますが、それぞれの時代にそれぞれのガンダムが登場してきました。

ファースト世代の自分としてはその後のガンダムシーリーズを若干斜めに見ながらも、それぞれの作品をチェックしてきて、”ああでもないこうでもない”と勝手に批判などをしていますが、今回このファーストの前日譚となる「機動戦士ガンダムTHE ORIGIN(ジ・オリジン)」(きどうせんしがんだむ じ・おりじん)を見る機会があったので取り上げてみたいと思います。

(画像引用:「機動戦士ガンダム THE ORIGIN(ジ・オリジン)」公式サイトより)

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僕のようにファーストガンダムガッツリど真ん中世代であれば説明もほどほどで大丈夫でしょうが、このガンダムが初めてという方もいると思いますので、この作品の位置づけをあらかじめおさらいしておきたいと思います。

「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」とは

この「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」(以下:オリジン)は1979年に制作&放送された「機動戦士ガンダム」(通称:ファーストガンダム)の主要キャラクターであり、主人公アムロ・レイの最大のライバルとして登場するシャア・アズナブル(キャスバル・レム・ダイクン)を主人公とした物語となります。

2001年から原作となるマンガがガンダム専用マンガ雑誌「ガンダムエース」に連載されたあと、2015年からアニメ化が行われ、現在まで計五部作が制作され放送及び配信されています。

ストーリー

ファーストガンダムでは宇宙世紀0079年(U.C0079)から物語が始まり、連邦軍に所属することになった少年アムロ・レイの成長と彼が操るモビルスーツガンダムとの活躍が描かれます。

この戦いは後に”一年戦争”と呼ばれる連邦軍とジオン公国との独立戦争を描いた連邦軍視点でのストーリーが展開しますが、オリジンではジオンの”赤い彗星”として抜群の存在感と人気を誇ったシャア・アズナブルを主人公として描き、ジオン公国の成り立ちなども含めて宇宙世紀0068年、シャアの父でありジオン共和国の指導者ジオン・ズム・ダイクンの演説から物語がスタートします。

ファースト未視聴の方向けのポイント

ポイントはファーストガンダム最大の敵役であり、のちのアムロの友人であり同僚となるシャア・アズナブルとジオン公国の中心となり支配階級であるザビ家との関係性となります。

ファーストでは連邦軍との戦いとともに、シャアが上官でもあるザビ家の人間との確執や最終的には復讐劇となりますが、この関係性がいかにして生まれたのかが描かれます。

また連邦軍所属でありホワイトベースのクルーでもあるセイラ・マスが兄妹として育った様子や、ファースト序盤の山場であるグフを操る人気キャラクターのランバ・ラルが彼らになぜ忠誠を誓うのかその理由も描かれます。

またもう一つのポイントとして、作品の中心であるモビルスーツやガンダム誕生の逸話なども描かれ、大変興味深い内容となっています。後継作品やゲーム作品・説明資料などでは名前だけ登場していた軍事産業アナハイム・エレクトロニクス社やジオニック社なども登場し、最初のモビルスーツであるザクがいかにして生まれたのかも分かり、”ORIGIN(オリジン)”の名前のとおりガンダムの”起源”がすべて描かれ、ガンダムマニアにはたまらない内容になっています。

ファースト、Z(ゼータ)世代なら間違いなく面白い!

さてここからが感想です。

ついに見ましたよ「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」。ブログ仲間さん以前取り上げていた方がいましたが、今回Amazonプライムで無料視聴が可能だったので四部までガッツリ(結構一部あたり長いです)見てきましたが、

面白れえええええええええええぇ!!!

いやぁマジ卍、よかったですねぇ。

肝心の最終章ルウム戦役の第五部を見てない(これは有料)のでコメントするのはちょっと気が引けたりしますが、第四部まででも十分の内容でしたね。

若き日のザビ五兄弟とランバ・ラル登場に悶絶

少しだけ内容に触れていくと、第一部「青い瞳のキャスバル」ではジオン公国はまだジオン共和国であり、ファーストでも語られていたようにシャア(キャスバル)とセイラ(アルテイシア)の父や母が登場しますが、彼らとザビ家との関係性が描かれます。

ザビ家の五兄弟(見ていない方のために詳しくは書きませんが五人です)の若き姿やランバ・ラルやあのハモンさんが登場してきますが、もうファースト世代だとこれだけでテンションが上がってきます。

面白いのはあまりファーストでは描かれなかったザビ家の兄弟の詳しい性格が描かれたりするところなんですが、長兄ギレンは相変わらずのカリスマタイプという感じでそのまんまですが、オリジンにはファーストには登場していない次兄のオスロも登場します。(なぜ登場しないのかは作品を見てください)

そして紅一点長女のキシリアもヘンテコリンな髪型で登場してきますが、男勝りな性格や権力への執着はないものの謀略家としての存在を発揮し、物語の最後までこの人がキーマンとなりますね。

ファーストの最後ではキシリアへのシャアの一撃は印象深いシーンでしたが、このあたりの伏線が描かれているので、後付けにはなるものの僕のようなファースト原理主義者(笑)にはたまりません。

一部ではジオン公国の歴史が詳しく描かれているので非常に興味深い内容であり、ファースト見てた人であればガッツリハートは鷲掴みにされるのではないでしょうか。

モビルスーツ自体がまだ存在していないので戦いは描かれませんが、ストーリーや演出はどこかジブリぽさを感じさせたり80年代のアニメのような雰囲気もあり、懐かしい感じもしました。ゆっくりと話が進む感じでしたが退屈ぽさがなかったのはさすがという感じでした。

ちなみに三男ドズルがなぜあんなに傷だらけなのかも判明します。


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モビルスーツ誕生の歴史

二部「悲しみのアルテイシア」は地球の話になり少年期のキャスバルとアルテイシアが描かれますが、ストーリー的にはザビ家の話だった感じがしますね。

人気キャラクターたちの顔見せ的意味合いの強かった第一部に比べると、すこしつなぎの印象の強い回でしたが、ギリギリ中だるみしそうなところでギレンやランバ・ラルを中心とした人間達によるモビルスーツ開発のほうに話が進み始め、”ああ、これはモビルスーツアニメだったわ”ということを思いださせてくれます。

このあたりはファーストを見ていたからかもしれませんが、もしかしたら若い子達には少し退屈に感じる回かもしれませんね。

地球ではあのホワイトベース乗組員で後にブライト艦長と結婚するヤシマ・ミライなんかが登場して、キャスバルやアルテイシアとの邂逅がありますが、あれはちょっと蛇足感がありました。

ああいうのは大河ドラマぽい余計なシーンでしたね。宇宙どんだけ狭いねん!

第二部ではキャスバル坊やがシャア・アズナブルと名乗る理由が少しだけ分かります。この回のポイントはここだったかもしれませんね。

あと、今思い出したが個人的にはルシファーの話が・・・(涙)。

ガルマ・ザビ登場もシャアがちょっと変わり過ぎ

第三部「暁の蜂起」はガルマの話であり、シャアがなぜマスクをするようになったのかの回でしたね。

こう考えると二部三部ともに少し説明臭いストーリー展開というのが気になりますが、シャアの有能さと非情さを描いた回だったとも言えます。

士官学校の話でありガルマとシャアの関係性が明らかになり回としては悪くなかったのですが、個人的には少しシャアが完成され過ぎていて、若さゆえの失敗や過ちみたいなものを出してくれたほうが人間臭くてリアル感がでたような感じがしますね。

二部までは強い意志をもちつつも少年ぽさと正義感みたいなものを感じさせてくれてたんですが、母の死があったとは言え人間が変わり過ぎたような感じがしましたね。

あと、独立機運が高まっている土地であんだけドンパチやったらすぐ戦争になると思うんですが、そのあたりの展開はちょっとあまいように感じました。

あのザクがカッコいい(笑)

第四部「運命の前夜」ではついにモビルスーツ第一号のプロトタイプザク(MS-04:通称ブグという名称が設定ではついているそうです)が登場しますが、大活躍してかっこよかったですね。

ファーストではガンダムの引き立て役になるザクが、ガンキャノンを相手に無双しますが、このオリジン最初(そう言えばなかった)のモビルスーツによるドンパチであり、ストーリーはガンダムらしくなってきます。

ザクでもかっこよく感じてしまうということはデザインはそんなに重要じゃないのかなと感じてしまいましたね。やっぱりどんだけ登場人物に感情移入するかが重要でありストーリー性って重要だなって感じました。

これでガンダムが敵としてでてきたら、”ガンダム憎し!”になってしまうなと感じる自分がいます(笑)。

ただこの回で気になったのはその後の黒い三連星の身勝手ぶりによるミノフスキー博士の死亡の描写ですね。ジオンの秘密裏のミッションであれば最高機密である最新鋭機にあんな荒くれ物は載せないでしょうし、結果オーライ感も強すぎます。

モビルスーツ界の超大物を追っていた割には扱いが粗末だし、あんな知力一桁タイプの自由行動は違和感がしました。

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まとめ

最後にこのアニメには第五部「激突 ルウム会戦」が存在します。

残念ながらアマゾンではこれだけ有料だった(と言ってもアマゾンプライムの会員になるには月400円必要です)ので見なかったのですが、序盤はファーストでは語られるだけで描かれなかったジオンの歴史が映像化され心踊るものの、段々と主人公(シャア・アズナブル)が感情を表に出さなくなりはじめるので、見ていて感情的な部分で置いていかれます。

だから第五部も無理してみようとは感じなかったのですが、このアニメは主人公シャアの物語でありながらザビ家の人間やファーストで登場するアムロなどの群像劇として要素もあるので、少し焦点がぼやけます。

これが復讐に燃える主人公シャア・アズナブルをガッツリ中心に据えた話であれば、高いテンションンのまま最後まで突っ切れたのは思うのですが、最終的にはファーストに出てくるクールなシャア大佐に合せていくような着地にするために、主人公の変貌ぶりがどうしても急すぎた感じがして残念でした。

結局のところ序盤のザビ家なんかの若き日の姿なんかを描いたのが話のピークだったわけで、個人的にはファーストを知っていないと物語の半分も楽しめないのではという印象を受けました。

だからもしこのアニメを興味を持って見るのであれば少なくともファーストガンダムを見てからでなければヘタすると途中からつまらないと感じる可能性も感じます。恐らくシミュレーションゲームの「SDガンダムGジェネレーション」経由でガンダムを好きになった方もいるでしょうが、この視聴する順番は間違えないほうがいいような気がしますね。

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