ファンタジーものと思ってたら将棋マンガでした(真顔)
「りゅうおうのおしごと」。
何の先入観もなく、このタイトルから連想される内容は?と聞かれたらほんんどノータイムで”RPG(ロールプレイング)ゲームがらみのファンタジー作品”と回答していたであろう僕は、初代ドラゴンクエストリアルタイム世代の影響か、それともただのファンタジー好きなだけでしょうか。
先週、今週と相変わらずアマゾンプライムにハマっているわたくしですが、またそっち経由で見てきました。
さて、今回もアニメの感想記事にはなるのですが、今回の「りゅうおうのおしごと」という作品の題材は将棋をベースにした作品となります。
このアニメのタイトルも、実際に作品を見始めて10分ぐらいすれば、”ああ、そっちの竜王のほうか”と妙に納得してしまうわけですが、最近は”若き天才”藤井聡太君の影響でスポットライトがあたることの多い将棋界です。
はたしてどんな将棋アニメなのか紹介させていただきたいと思います。
Contents
「りゅうおうのおしごと」とは
2015年に白鳥士郎(しらとり しろう)さんによって執筆されたライトノベルが原作であり、2018年3月現在7巻まで出版会社SBクリエイティブのGA文庫より刊行・発売がされています。
シリーズ累計は2017年までで累計100万部を達成しており、2015年10月にはヤングガンガンにてマンガ化、2018年1月からはアニメ化が行われました。
今回はこのアニメを見た感想となります。
あらすじ
主人公の九頭竜八一は16歳の若さで将棋タイトルの一つ「竜王」を獲得した若き天才棋士ですが、タイトル奪取後はスランプに陥り、公式戦11連敗を喫してしまいます。
そんなある日ネットなどでの声にも凹みながら帰宅した八一ですが、部屋に入るとなぜかそこには9歳のJS(小学生)雛鶴あいが待ちかまえています。
何事かと驚く八一にあいが告げたのは”九頭竜先生の弟子”にしてくださいというお願いでした。
あいによると、苦労して獲得して竜王戦のさなか意識朦朧とした八一に声をかけてくれたのが、対戦が行われた旅館の一人娘であるあいだったわけで、その時交わした約束が”もし竜王になったら自分を弟子にしてくだい”というものでした。
かなり意識が混濁していた八一は当然あまり会話の内容を覚えていないわけですが、そのまま追い返すのもかわいそうということで、軽い気持ちで一局打ちますが、八一があいに感じたのは”並外れた勝負へのこだわりと読みの力”であり、将棋を覚えて三か月ということなどからもそこに天賦の才を感じます。
結局八一はあいを弟子に取ることを決めますが、彼女は当然小学生であり、いろいろな問題を抱えながらあいと八一の物語が展開するというお話です。
(あくまで記憶を辿ったあらすじなので一部嘘書いてるかもしれません、間違えていたらご指摘ください)
感想
ロリコンもの?
さて、ここからが感想となりますが、今作のアニメのヒロインは9歳の女子小学生雛鶴あいです。当然ヤバい香りがします(笑)。
冒頭から、どんなアニメか?というよりも、”このまま見ていて俺大丈夫か?”という心配が頭によぎりますが、物語も半ばまで進めると
あいがシャワーを浴びるシーンが訪れます。
ヤバいよヤバいよ、うっかりロリコンものアニメにあたっちまったよ・・・
と思うかたも多いでしょうが、僕も第一話じゃなければドロップアウトするところでした(笑)。
結局まぁ、そちらの趣味の方向けのサービス展開だったのか、単なる洒落の一部だったのかはわかりませんが、物語のスタートは最悪の印象でした。
ガッツリ将棋モノ
最悪のスタートを迎えつつも物語を進めていくと、このあいの他にも主人公八一の年下ながら姉弟子で同門の空銀子(そら ぎんこ)が登場してきますが、彼女もどうやら14歳の人気天才女流棋士という設定です。
ちっともロリコン系アニメのレッテルは晴れてはいない(笑)のですが、このあたりから内容は少しづつ将棋マンガにシフトしていきます。
僕はどちらかと言えば囲碁のほうが詳しいので、将棋の詳しい布石なんかは数えるほどしか知らないのですが、冒頭のロリコン展開から急に物語は将棋の戦法のお話です。
”このフリ幅はなんやねん?”と後から思ってしまいましたが、将棋のことを詳しく知らなくても非常に見せ方がうまく、八一や銀子があいの才能を認める展開などがすんなり頭に入ってきます。
こういった突飛な設定の作品の場合、いかに最初に読者を納得させるかは重要なキーワードとなりますが、あえて将棋を掘り下げて描写したことによりこの問題はあっさり解決していました。
将棋モノと言えばこのブログでも取り上げた”3月のライオン”が有名ですが、下手をするとこのマンガより将棋については詳しい描写がされています。
主人公と弟子の成長物語
少しだけネタバレをすると、八一はあいの他にももうひとり”別のあい”を弟子にすることになるのですが、この娘もまた違ったタイプの天才です。
物語の基本線となる話は彼女たち二人が女流棋士やプロ棋士を目指すというお話なんですが、彼女たちが天才と言っても最初は所詮9歳の小学生。
さまざまな課題にぶつかるのですが、師匠である八一も彼女たちのタイプに合わせた育成の方法を考えながら一人前の棋士に育てていくのですが、そこでお互いに悩み解決していく様は、中々面白く見ごたえがあります。
師匠として成長するとともに、棋士としても本来の姿を取り戻し、成長していく八一の姿も描かれますが、こういった成長過程を描いた物語は物語としては非常にまとまっており、爽快感も漂います。
将棋盤「ヒカルの碁」
ここまで書いていくと、ふと思ったことがあります。
それは囲碁を題材としたあの名作「ヒカルの碁」に似ている点です。
当然囲碁のお化けなんかは出てきませんが、主人公のヒカルとともに、お化けで師匠でもある”サイ”こと藤原佐為が成長していく姿は非常によく似ており、このテンプレートに乗っかっていますね。
題材である囲碁のことなどをしっかり掘り下げていた点なども似ています。
まとめ
以上のようにうっかりロリコンアニメの気配も漂わせる(笑)この「りゅうおうのおしごと」という作品なのですが、物語自体は非常によくできていて面白いと思います。
さすが小説ベースというお話なんですが、普段素人が知る機会のない将棋の世界を垣間見ることができる点でも非常に興味をそそりますし、男性のプロ棋士だけでなく、あくまで中心は女流棋士の戦いになっているのでその点も新鮮です。
うっかりと先入観で見るのを止めてしまうと非常にもったいない作品なんですが、物語は将棋だけではなく、師匠の八一に嫉妬するあい達弟子の姿も非常に可愛く微笑ましい作品です。
最初は”やばそう・・・”といった感想を持った僕ですが、師匠に嫉妬する小学生二人も慣れてくると中々かわいいなと思いだしたりしますが、果たして僕もそっちのほうに興味をそそられてしまっているのかと思う熟女好きの40歳の感想でした(笑)。
中々面白いです!。