「アイリスオーヤマ」とはどんな会社なのか? 家電で放ち始めた存在感

いつの間にかその名前が浸透し始めた家電メーカー

アイリスオーヤマ家電量販店などには職業柄(?)数多く出入りしている僕なんですが、店員さんやメーカーの人達と話をしていると、最近はみなさんご存知のように日本のメーカーが品質・性能ともにトップであるという絶対神話は崩壊しているということをよく感じます。

例えばパソコンに目をやってもかつてはNECなどが日本のトップメーカーとして席巻していましたが、今NECのパソコン(だけではないのですが)の中身は中国のレノボだったりするなど、かつての栄光をいまだ守れているメーカーも少なくなってきました。(考えてみるとSONYやCANONが頑張っているぐらいですね)

テレビコーナーなんかに行くとLGなど韓国メーカーが幅を利かせていますが、そんな日本のメーカーがほぼ斜陽の時代にある中、存在感を放つメーカーがあります。それがタイトルにもある「アイリスオーヤマ」なのですが、西日本に住んでいると数年前までは全く聞かなかったメーカーです。

ところが最近はLED電球などを始めとして、扇風機やエアコンなどいつの間にかそのシェアを高めており、”そう言えばこのアイリスオーヤマってメーカー最近聞くな”という方も多いでしょう。(僕も認識し始めたのはこの一年ぐらいです)

昨年の年末に放送された「アメトーーク!」(テレビ朝日系)の年末5時間スペシャルの「2017家電芸人」の回ではアイリスオーヤマの両面ホットプレートが紹介されるなど、ついにはテレビでも市民権を得たような状況です。

そんな最近聞き始めた「アイリスオーヤマ」とは一体どんな会社なのでしょうか、調べてみました。

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「アイリスオーヤマ」とは

「アイリスオーヤマ」とはホームページによると正確にはアイリスオーヤマ株式会社というのが正式名称のようです。

2017年のグループ全体での売り上げは約4,200億円(単体だと2,500億円強)と、2003年から(グラフがこの年からの表示になっていますね)右肩上がりの成長を記録しています。

家電事業が売り上げ全体の4割ということですが、元々1958年にプラスチックの加工を行う町工場(東大阪市)からスタートし、そこからガーデニング用品、ペット用品の取り扱いを始め、LED照明を経由して本格的に家電量販店に参入してきたのは2010年からのようですね。

会社の沿革

1958年 大山ブロー工業所として東大阪市でスタート
1971年 大山ブロー工業を設立
1981年 ガーデン用品の販売を開始
1986年 株式会社オーヤマ設立
1987年 ペット用品の販売
1991年 社名を現在のアイリスオーヤマ株式会社に変更
2010年 LED照明事業参入

関連会社

  • 株式会社アイリスプラザ
  • アイリスプラザカンパニー – 通信販売サイト「アイリスプラザ」の運営
  • ダイシンカンパニー – ホームセンター「ダイシン」を運営
  • 株式会社ユニリビング – ホームセンター「ユニディ」を運営
  • 株式会社オーヤマ – 親会社。貿易業
  • アイリスチトセ株式会社 – 事務用機器等の製造・販売
  • アイリス・ファインプロダクツ株式会社 – 使い捨てカイロ、脱酸素剤の製造・販売
  • アイリスシンヨー株式会社 – プラスティック板の製造
  • アイリスソーコー株式会社 – ゴルフ練習用品の製造・販売
  • 株式会社ホウトク(本社:愛知県小牧市) -家具の製造

どんな商品を売っているのか?

僕もこの会社にどんな商品があるのかほとんど把握できてはいませんが、ホームページや「アメトーーク!」の内容によると、一つのホットプレートで別々の商品を焼けたリしたり、エアコンをスマートフォンで操作できるようにするなどちょっとしたアイデアが詰まった商品がその特徴にあるようです。

家電だけでなく、ペット用品やガーデニング用品の販売、ホームページなどを見るとお米の販売もしていますね。

すべがが社長決裁によるトップダウン型の会社

アイリスオーヤマでは様々な分野で色々なアイデア商品が開発・販売されているようですが、そのやり方は独特で、週一回必ず社長出席する全体会議で決済が行われるそうです。

つまりは社長がそこでウンと言ってしまえばGOサインがでるわけで、商品開発や販売スピードが上がり、アイデアさえあれば出世できるやり方と言えますね。

もちろんこれにはトップのカリスマ力と売れる商品を見抜く力が必要であるわけですが、大企業には真似できない中小企業型のやり方の延長にこの会社の強みがあるようです。

アイデア商品の開発と技術力の吸収

この社長決裁によるやり方で、通常であれば商品化されなかったような商品が販売されたりするのがこの「アイリスオーヤマ」という会社のようですが、他にも独特なやり方があるでそうです。

例えばその一つがパソコンは一度につき最大45分までしか使えないそうで、一旦パソコンから離れることにより発想のリフレッシュなどを行っているようです。おそらく他にも通常の会社では行われないようなやり方もあるのでしょうが、伸びる会社にはそれだけのアイデアと経営者の器量が存在するのでしょうね。

また、アイデアばかりが先行しそうなこの会社ですが、ここまで急成長を遂げたのにはもちろん技術力があってのことです。詳しく沿革を見ていけば分かりますが、最初は自分の得意分野に近い業種への参入や人材の確保などをはじめ、それを繰り返すことによりついには大物家電にまで手を伸ばすことに成功したようです。

最近は日本企業の技術者がリストラや引き抜きなどにより中国などの海外に流れているようですが、この「アイリスオーヤマ」でも積極的にこういった技術者の採用を行うことにより、単なるアイデア屋じゃない会社になろうとしているようですね。

柔軟な発想を武器とした「マーケットイン」型の会社

最後に、僕は元々理系の人間なので経済学やマーケティング(一応こっちは文系ですよね?)に関しては素人なのですが、商品の販売には「プロダクトアウト」というやり方と、「マーケットイン」というやり方が存在するそうです。

まず「プロダクトアウト」とは、企業が自分の得意としている分野の商品を開発して販売する方法で、元々ほとんどの家電メーカーは基本このやり方でしたね。

それに対するやり方が「マーケットイン」というやり方で、こちらは消費者のニーズに沿った商品を提案するというやり方だそうです。

最近の日本の企業の凋落の原因は元々「プロダクトアウト」をベースとしていた日本企業が基本技術の向上を疎かにして売れるものを追いかけた(マーケットイン)結果であるという見方もあるようなんですが、この逆のやり方を進めている会社とも言えますね。

おそらく最初のスタートはこういった商品があったらいいのにねという発想からすべてがスタートしているのだとは思いますが、社長の”会社で責任取るからじゃそれやってみよう”の考え方は、使われる立場の人間からすると素晴らしくやりがいのある環境と言えます。

2018年の6月にはこれまで「アイリスオーヤマ」を成長させてきた現社長の大山健太郎さんが退任して息子さんに代替わりされるそうですが、この「マーケットイン」をベースとした技術力の向上を続けられるかは二代目にかかっていると思います。

どんな大企業も最初は一つの町工場からスタートしていますが、プラスチック屋が10年後には一流の家電メーカーに成長している可能性もあります。この「アイリスオーヤマ」が将来的にPanasonicやHondaになっているのか、それともライブドアのように一気にしぼんでしまうのか注目しておきたいと思います。


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