日本ハムが札幌ドームにサヨナラで札幌市涙目

札幌ドーム

北海道日本ハムファイターズがいよいよ札幌ドームと決別へ

プロ野球関連のメディア界隈では前々から話題になっていたことですが、札幌に本拠地を置き北海道民から愛され地域のシンボルとなっている北海道日本ハムファイターズ(以下日本ハム)がいよいよそのホームグラウンドを移転するということがいよいよ現実的になっていることが分かりました。

日本ハムと言えば、現在のホームグラウンドはよく知られているように札幌ドームですが、そこから離れ、道内の別の場所へ新球場を新たに建設してそちらに移転するということが、どうも北海道新聞の報道によると単なるうわさレベルの話ではなくどうも本決まりのようです。

これは秋元克広札幌市長への同新聞のインタビューにより判明したそうですが、2017年4月に日本ハムの島田利正球団代表と秋元市長との直接会談で”(札幌ドームへの残留が)もうない”と札幌市は日本ハム側から最終通告を受けてしまったそうで、札幌市としても今後日本ハムファイターズが球場を使用しないことを前提として球場経営を進めていくことも合せてコメントしたとのことです。

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なぜ移転する必要があるのか

プロ野球の球団経営と聞いてまず一番大きな支出と言えば、恐らくほとんどの人が選手年俸を思い浮かべるかと思いますが、実際に一番年俸総額の多い福岡ソフトバンクホークスなどは総額55億円とまで言われており(一番少ない中日ドラゴンズでも約22億円)、二位の読売ジャイアンツ(約47億円)を除くとほとんどの球団が約25億円前後の人件費を負担しているそうです。日本ハムの場合も2016年度の総年俸は約27億円と言われています。

しかしながら、球団の経営にはもう一つ大きな支出があります。それが球場使用料です。日本ハムは札幌ドームで年間約70試合を行いますが、いくらぐらい球場使用にお金がかかっていると思いますか?(野球にあまり興味のない方は意識されたことはないかと思いますが、球場のほとんどは一部を除いてプロ野球の球団のものではありません)

なんと26億5000万円だそうです。これだけのお金を日本ハムが毎年札幌市(実際は札幌ドームの運営会社)に支払っているわけなんですが、内訳は単純な使用料が約9億円で関連使用料が16億5000万円だそうです。人件費と同じぐらいかかっているなんてとてつもない数字ですね。

まず使用料に関しては単純に1試合800万円がかかるそうなんですが、オプション的な契約があり入場者数が2万人を超えた場合、一人当たり400円を徴収されているそうです。(なんかふざけた契約ですね。)そして気になるのは関連使用料16億5000万円なんですが、札幌ドームではご存知のように野球だけではなくサッカーのコンサドーレ札幌の試合やコンサートも行われます。

この際の座席や機器の撤去や再設置がなんと日本ハムの負担だそうで、そのようなのが積もり積もってこの金額だそうです。いくら日本ハムが間借りしている立場とはいえ、そりゃ札幌市強気すぎるだろ!っと思いますね。不動産で部屋を借りていて退去の時に原状復帰するのに金額負担するのはまだ話が分かりますが、借りている途中でイチイチ費用負担させているなんで殿様商売ですよね。このあたり、球団の費用の負担感は非常に大きいでしょう。

そして札幌ドームを使うメリットが日本ハムにとってない理由がもう一つあります。それがグッズ販売や球場のお店の売上が直接球団には入らないという点です。え?日本ハムに行かずにどこに行くの?と思われるかもしれませんが、売上そのものは札幌ドーム(札幌市)に行くそうです。つまりは球場で売っている日本ハムのグッズなども球団としては卸しているだけで売っているのは札幌ドームということになるので、せっかく自分のところがたくさんの費用負担をして興行を行っているのに貸してる側が敷地内でグッズ販売や飲食物を売っているわけなんですよね。

お客さん商売したことある方なら分かると思いますが、一番儲かるのは結局直接販売なんですが、このどう考えてもヘンテコリンな関係を見ると日本ハムには同情しちゃいますよね。せっかく地域に根差した球団経営をしてるし話題も提供しているのに、札幌市のほうは取れるものは全部取ってしまうとの姿勢で、今まで行われてきた球団と札幌市との折衝もこのあたりが問題だったようなんですが、うま味を吸い続けている市のほうが中々条件面で折れなかったようで、これだと日本ハムとしても自前で建てたほうがよくない?という流れにはなりますよね。

人工芝やサッカー場としての併用問題

この他にも日本ハムが移転を進めたい理由として、人工芝の問題もあるようです。

札幌ドームは前述したようにコンサドーレ札幌のホームゲームでサッカー場としても使用されていますが、様々な用途で使用するという理由から人工芝は簡単に巻き取り可能なペラペラなものが使用されているようで、これが選手の足腰への負担になっていると言われます。

せっかく選手やチームが活躍しても、その選手寿命を縮めている球場というのは、プレイする選手もいやでしょうし、移籍したいとは思えなくなりますよね。

ボールパーク構想

以上のような理由から日本ハムは自前で球場を建設するのではないか(当然どこかとコラボはするでしょうが)と言われていますが、上記のような理由を見ると納得できますよね。

一般的に球場建設には大体300億~400億円かかると言われていますが、球団は大リーグのような一つのテーマパークとして成立させたいようで、これだとさらにお金はかかり1000億円程度かかるそうです。

ここまでくると一大投資となるわけで大食品メーカーの日本ハムでも簡単にゴーサインは出せないでしょうが、日本ハムの野球の興行により人の流れが変わることは確実なので、取引のあるレストランチェーンなどを呼び込むことも簡単でしょうし、戦略的な失敗のリスクはそれほど大きくないのではないでしょうか。(愛知のレゴランドみたいなことはないでしょう)

実際問題札幌ドームの経営もすでに建設費400億円のうち半分以上が日本ハムのおかげなどで償却できているそうなので、市にできて民間にできないってことはまずないでしょうね。

以上、北海道の方には非常にヤキモキする問題とは思いますが、札幌市や札幌ドームを経営している会社(第三セクター?)は一体どうするんでしょうかねぇ。恐らく球団からの再三のお願いに高飛車な対応をしていたんでしょうが、長年付き合いのあった優良顧客がブチ切れてどっか行ってしまうなんて、担当者や上司はクビが飛びそうなもんだとおもいますが、はたして市がそこまでの問題意識をもっているか疑問です。

多分他人事なんでしょうね。