「雷火」:このマンガが面白い(5)

天才 藤原カムイが描く最高傑作

雷火僕が青春時代をおくった1990年代で一番スピード感のあったマンガと言えばやはり「ドラゴンボール」を挙げたいのですが、バトルマンガにおいて登場人物の動きの分かりやすさや躍動感や迫力、スピード感を出すには基本的な画力とはまた違った、構図のセンス・画面の切り替わり(カメラワークのようなもの)など独特の才能が必要だと個人的には感じるところです。(画像引用:「藤原カムイ」公式サイトより)

その当時人気の面でもぶっちぎりだった「ドラゴンボール」なんですが、実は同時期に僕の中でこの作品に勝るとも劣らないと感じていたのが今回紹介させていただく藤原カムイ先生(以下敬称略)の「雷火」です。

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「雷火」とは

「雷火」とは原作寺島優、作画藤原カムイによって1987年からコミックバーガー(スコラ社:その後出版社などの倒産によりコミックバーズに変更)に連載されていた作品なんですが、藤原カムイの作品と言えばマンガ好きの人ならご存知でしょうが、月刊少年ガンガンに連載されていた「ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章」のほうが有名でしょう。

当時「雷火」と言えばデラックス版で分厚いタイプのコミックが年1回ぐらいのペースで発売されていたのですが、僕がこの「雷火」を知ったのは高校生の頃。本屋でこのコミックの絵柄に興味を持ちたまたま買ったことから読み始めたのですが、当時まわりは誰も知りませんでしたね(笑)。

僕のほうもコミックを買ったものの、当時はインターネットは当然ないし、どこの雑誌で連載しているかはよく分からないわ、いつ発売しているのかも分からないわで、忘れたころに毎年本屋でたまたま見つけるというのを繰り返すという不思議な存在のマンガでした。

「ドラゴンクエスト」がガンガンでブレイクしてからこの作品も世間的に認知されてきたような気はしますが、当時はなんでこんな面白い作品が売れてない(誰も知らない)のか不思議でしたね。

あらすじ

物語は3世紀前半の古代日本、つまり邪馬台国(やまたいこく)が舞台となるのですが、久鬼山に山に住む孤児集団のひとり、主人公の雷火とその友人オタジとウツギはある時邪馬台国の女王卑弥呼(ひみこ)の侍女壱与(いよ)と出会うのですが、邪馬台国には中国の魏から派遣されてきた張政という外交官がおり、実はその張政は本来の目的を果たすことよりも、自らが邪馬台国を乗っ取るという野心をいだいています。

雷火達は本来育ての親の老師の指導の元、邪馬台国とは全く関係のないところで生活をしており、世俗とは距離を取った生活をしていたのですが、壱与との出会いにより徐々に邪馬台国の動乱に巻き込まれていくというお話です。

圧倒的スピード感・迫力+忍術・魔法でつまらないわけがない

下手をすると25年ぐらい前の作品なので、もしかしたら多少思い出補正があるかもしれませんが、当時はとにかく「ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章」より断然面白いと感じていた作品です。ドラゴンクエストに関してはみんなが結末を知っているのである種予定調和でストーリーが進み、その中にマンガでどういった新しい味付けをしていくかがポイントでしたが、この「雷火」に関しては、ホント一年に一回、忘れたころに続きを発見する(笑)作品だったし、舞台は邪馬台国、その先の展開なんて当時はどうなるか分からなかったので、その圧倒的な画力の高さやスピード感も相まってグイグイ物語に引き込まれましたね。

当時は当たり前のように読んでいましたが、今見てもこれだけのスピード感を出せるマンガ家さんも中々いないのではないでしょうか。同じようなタイプで最近のマンガと言えば「NARUTO」なんかがあると思いますが、作者の岸本斉史さんたち(同世代)も勝手な想像ですが「ドラゴンボール」なんかとならんで絶対影響受けてますよね。(内容は色々共通点が多いし)

最近のマンガの何がイマイチなのか考えた時にファクターの一つとして上がるのは登場人物が一見して何やっているのか分からないということがあると思いますが、「ONE PIECE」や「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズでさえもたまに何やっているか分からないことが多い(ただしページ数の制約が原因だとは思いますが・・・)ので、こういったスピード感や迫力を出せているマンガというのはホント少なくなってきたように感じます。(バトル物でスピード感があるマンガとしてパッと思い浮かぶのは「鉄拳チンミ」ぐらい)

またこの作品の面白いところはただの歴史フィクションではなく、時には登場人物が忍術のようなモノを使ったり、神仙術という魔法のような術を使ったり、狼がいいところで効いていたりして(アレ?やっぱり「NARUTO」そのものですね(笑))中二魂をくすぐられるところですよね。新章では青銅器と鉄器が戦いのポイントにもなってたりして歴史の勉強にもなります。

今でこそ邪馬台国で卑弥呼が死んだあとは壱与という女性が新女王についたことは知っていますが、僕のようにこのマンガで覚えた人も多いでしょうね。割と巻数はありますが最初から最後までスピード感満載で一気に読めてしまうので、僕のように「ONE PIECE」より「NARUTO」派という人には是非ともおススメです。

あ、そういえば雷火の出自は後半で明らかになりますが、やっぱり「NARUTO」に少し近いですね。ちょっとネタばらししてもた(笑)。

関連ページ

藤原カムイ公式サイト

藤原カムイTwitter

公式サイトは雰囲気からして藤原カムイ先生が自分で運営されているっぽいんですが、少し旧手法ぽいので、おこがましいですができることなら僕がサイト運営のお手伝いぐらいしたいところですね(笑)。

未だに大ブレイクしているわけでもないし、ホントもっと世間一般に認知されてほしい偉大なマンガ家さんです。