「このマンガがすごい!」と「マンガ大賞」について調べてみた

コミックの売り上げ部数に影響を与える「このマンガすごい」と「マンガ大賞」

「進撃の巨人」はたしてそんなに面白いのか?
アニメ版「進撃の巨人」Season2が2017年4月からスタート 2017年の新年度を迎えドラマなどを始めとするテレビ番組やキャストも、新しく刷新されたりしていますが、アニメ...

前回の記事で取り上げた「進撃の巨人」ですが、記事中でも指摘したように作品のHITには主にメジャー誌に掲載されることにより自然と売れるパターンと、宝島社の「このマンガがすごい!」などの特集本や「マンガ大賞」などの賞レースなどの受賞により脚光を浴びて、一気に火が付くというパータンの主に二種類に分けられます。

実際にこういった作品に箔がつくことで、本屋さんやコミックのレンタルを行っているGEOTSUTAYAなんかも受賞作品が決まると専用コーナーやポップなどを作って、慌てて増刷を行うもしばらくは手に入らないというケースもよく見られますね。僕も実際コーナーが作られていたら一通りチェックはしますし、もはや一つの判断基準になっています。

そこで今回はこの売上に絶大な影響力を与えている「このマンガがすごい!」や「マンガ大賞」がどういった基準で選ばれ、どんな作品が選ばれているのか調べてみることにしました。

スポンサーリンク

「このマンガがすごい!」とは

「このマンガがすごい!」についてはよく知られていることとは思いますが、別冊宝島の読本シリーズの企画の一つとしてスタートしましたが、「このミステリーがすごい! 」などと同じような隠れた名作を紹介するというスタンスで、普段仕事をしていてすべてのマンガ雑誌をチェックできていないサラリーマンやOLの人たち向け?に本屋やコンビニなどでよく売られていましたよね。この別冊宝島シリーズですが、うっかり手に取ってよむと中々切り口が面白く僕も色々読ませてもらってました。

選考基準

このランキングに関しては僕は当初一部の別冊宝島のマンガ好きスタッフ数人が、多少の趣味を入れながらもそれでも公正にピックアップしながら選定しているものだと思っていたのですが、どうもアンケートによる集計をおこなっているようなんですよね。Wikipediaによると

大学の漫画研究会、書店員、ライター、イラストレーター、編集者、評論家、俳優、声優、放送作家、お笑い芸人、ミュージシャン、スポーツ選手、アイドル、小中学生、マンガ系の専門学校生など、有名無名問わず、70~200名前後のアンケート参加者が、前年10月1日から発行年9月30日までに単行本が発売されたタイトルの中から、最もお薦めしたい5作品をランク付けし、1位10点、2位9点、3位8点、4位7点、5位6点として計算し、総合順位を決定する(2009年版までは6作品を選び、6位作品を5点としていたが、2010年版より5位作品までに変更)。ただし、小中学生やマンガ系の専門学校生に関しては、1票1点もしくは0.5点で集計。なお、アンケート参加者が選んだ作品タイトルは、それらの作品に対するコメントとともに、誌面に掲載されている。

この内容がすべて正しいとは限らないとは思うのですが、そのアンケートする人たちの傾向や人数、人によってポイントが違うなど色々な突っ込みどころはありますよね。

歴代受賞作品(1位のみ)

(年 オトコ版 オンナ版 の順)
2006年版 PLUTO(浦沢直樹、小学館) ハチミツとクローバー(羽海野チカ、集英社)
2007年版 デトロイト・メタル・シティ(若杉公徳、白泉社) ハチミツとクローバー(羽海野チカ、集英社)
2008年版 ハチワンダイバー(柴田ヨクサル、集英社) 君に届け(椎名軽穂、集英社)
2009年版 聖☆おにいさん(中村光、講談社) 坂道のアポロン(小玉ユキ、小学館)
2010年版 バクマン。(作:大場つぐみ / 画:小畑健、集英社) ちはやふる(末次由紀、講談社)
2011年版 進撃の巨人(諫山創、講談社) HER(ヤマシタトモコ、祥伝社)
2012年版 ブラック・ジャック創作秘話〜手塚治虫の仕事場から〜(作:宮崎克 / 画:吉本浩二、秋田書店) 花のズボラ飯(作:久住昌之 / 画:水沢悦子、秋田書店)
2013年版 テラフォーマーズ(作:貴家悠 / 画:橘賢一、集英社) 俺物語!!(作:河原和音 / 画:アルコ、集英社)
2014年版 暗殺教室(松井優征、集英社) さよならソルシエ(穂積、小学館)
2015年版 聲の形(大今良時、講談社) ちーちゃんはちょっと足りない(阿部共実、秋田書店)
2016年版 ダンジョン飯(九井諒子、KADOKAWA エンターブレイン) ヲタクに恋は難しい(ふじた、一迅社)
2017年版 中間管理録トネガワ(協力:福本伸行 / 作:萩原天晴 / 画:三好智樹、橋本智広、講談社) 金の国 水の国(岩本ナオ、小学館)

オトコ版に関しては納得の作品から多少?な作品もありますよね。ある程度世間に知られていない作品だけを選ぶようにしても「ハチワンダイバー」や「聖☆おにいさん」、「 中間管理録トネガワ」とか失礼ながら1位でいいのか・・・?(もっと他にあるだろという気がする)

オンナ版にしてはいいですね!僕は奥さんの影響で女性向けマンガも少年漫画ほどガッツリではないものの読んではいますが、こっちは完ぺきです。一部読んだことない作品はありますが、全部面白いですね。(やっぱりオトコ版は納得いかねぇ・・・)

マンガ大賞とは

選考基準

こちらは作品にかんしてはすべてが対象ではなく一定の基準が設けられています。

選考員は、実行委員が直接声をかけたマンガ好きの有志たち。
書店員をはじめとするさまざまな職業の方が、
手弁当で集まってこのお祭りを支えています。

マンガ大賞の選考対象は、その年の1月1日から12月31日に出版された
単行本の内、最大巻数が8巻までの作品です。

一次選考では、各選考員が「人にぜひ薦めたいと思う作品を5作品」を選出。
二次選考では、一次選考の結果から得票数10位までの作品がノミネートされます。
選考員はその全てを読み、トップ3を選びます。
その結果を集計し、年の一推し『マンガ大賞』は決定されます。

(マンガ大賞公式サイト:「マンガ大賞とは」より)

選考委員関してはどういった構成やどれぐらいの人数で議論しているかは謎ですが、最大関数が8巻までという基準が設けられていることによりすでにHITしている作品が除外されるという点は評価でき、信用できるように思えます。

歴代受賞作品

第1回(2008年)「岳 みんなの山」(石塚真一、小学館)
第2回(2009年)「ちはやふる」(末次由紀、講談社)
第3回(2010年)「テルマエ・ロマエ」(ヤマザキマリ、エンターブレイン)
第4回(2011年)「3月のライオン」(羽海野チカ、白泉社)
第5回(2012年)「銀の匙 Silver Spoon」(荒川弘、小学館)
第6回(2013年)「海街diary」(吉田秋生、小学館)
第7回(2014年)「乙嫁語り」(森薫、エンターブレイン・KADOKAWA)
第8回(2015年)「かくかくしかじか」(東村アキコ、集英社)
第9回(2016年)「ゴールデンカムイ」(野田サトル、集英社)
第10回(2017年)「響 〜小説家になる方法〜」(柳本光晴、小学館)

こちらに関してはも「このマンガがすごい!」に比べて僕も納得の作品が多いですね。「ちはやふる」や「3月のライオン」、「銀の匙 Silver Spoon」、「かくかくしかじか」などに関しては男性、女性や世代に関わらずおススメできる作品ですし、他の作品関しても僕の趣味と合わない作品(笑)もありますが、8巻以下という縛りも考えると間違いはないかなというかんじはしますね。

「このマンガがすごい!」は基本に立ち返るべき

以上普段マンガを選ぶ基準にする際の判断基準となっていた「このマンガがすごい!」と「マンガ大賞」について詳しく調べてはみました(興味のある方は公式サイトがどちらにもありますのでご確認ください)が、どちらも似たような選考はしているものの、受賞作品の内容や情報開示の点(マンガ大賞は選考に漏れた作品のポイントも開示されている)からも「マンガ大賞」のほうが信用できるように思えました。(雑誌の企画と賞という違いはありますが・・・)

ただ、こういった部数にかなりの影響を与える主にこの二つのタイトルに関しては、現在の音楽業界の「日本レコード大賞」を某大手事務所やレコード会社などが大賞をお金で買っているという噂もあるように、出版社や広告代理店がすでに暗躍している可能性もあります。

僕の考えすぎかもしれませんが、「このマンガすごい!」に関しては少しこのタイトルそのものが多少形骸化しているような気もするので、「マンガ大賞」と同じように選考を明確化するか、一部のマンガ好きが選んでも構わないので本当に面白い作品を面白い順にランキングするなど改善を行ったほうがいいような気がします。

それこそ様々なジャンルの人が選んでいるのなら、誰かどの作品を押しているか、そのあたりをはっきりさせて書籍化したほうがいいような気がします。

関連ページ