「加治隆介の議」 このマンガが面白い(4)

弘兼憲史マンガの最高傑作

人気漫画家の弘兼憲史さんと言えば現在は「会長島耕作」や「黄昏流星群」を連載されていますが、代表作は?と聞かれたらほとんどの方は、まず「課長島耕作」を思い浮かべることでしょう。(もしかしたら僕より若干世代が上の方は「人間交差点」や「ハロー張りネズミ」かもしれませんね。)女性ファンには例にしてどの主人公も下半身が緩く若干不評な場合もありますが、働いている男性の方には彼の作品が好きだという方も多いですよね。

僕も20代の頃はガッツリと「島耕作」にハマっていた一人で、中でも「課長島耕作」終盤から「部長島耕作」にかけては上司の中沢さんとのエピソードなんかには心が震えさせられ、大好きなシーンがたくさんあります。

しかーし、今回はそんな弘兼マンガのファンである僕の中でも随一と思っている作品を紹介させていただきたいと思います。それが「加治隆介の議」です。

なんと政治家マンガです。もう結構前に連載されていたマンガなんですが、面白い作品を5つ挙げろと言われれば自分的には間違いなく入れたい作品です。

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「加治隆介の議」とは

記憶に頼る部分が多いので改めてWikipediaでこの作品について調べなおしてみたのですが、連載は1991年から約8年間講談社のミスターマガジンという雑誌で連載されていました。
やっぱりガッツリリアルタイムの世代なんですが、調べるまでミスターマガジンという雑誌の存在は完全に忘れていましたね(笑)。

あらすじ(多少ネタバレあり)

主人公の加治隆介は有力な政治家(国会議員)の次男坊だったわけですが、父親や長男とは違い政治の世界に全く興味がなく一介のサラリーマンとしての生活を送っていました。しかしある日突然、父親や秘書をしておりいずれ地盤を引き継ぐ予定であった長男の死により、政治家を志すことになります。

そこで父親の地盤を引き継いであっさり国会議員となる・・・と行きたいところですが、彼にも曲げられないものがあり、すんなりとはいきません。それが「加治隆介の議」なわけですが、政治の政界で彼の議を中心に戦いが始まります。

北朝鮮問題がクローズアップされる今だからこそ読んでもらいたい作品

さっそくこのマンガの魅力について書いていきたいと思いますが、このマンガは他の弘兼マンガのテイストである人間ドラマや恋愛などのエッセンスも十分に入っていますが、まず何と言ってもその魅力は政治や国際問題、国会議員のことについて非常に分かりやすく書かれているという点です。

まず序盤は国会議員なるというところから始まりますが、選挙にはお金がかかるということや地盤を引き継ぐことがどういうことかがよく分かります。その次には国会議員になったあとは政党とはどんな団体かということもよく説明されていますし、作中で不意に起こる外国との衝突問題なども描かれます。

まさしく明日にでも北朝鮮との間で起こりそうな有事について描かれるわけですが、このエピソードなどによりいかに日本が有事の際に何も準備できていないし現場が動けないということがよく分かります。僕も特別政治への意識は高くなかったわけですが、結果的には青春時代にこの本で政治というものを勉強することになりましたね。政治の教科書としては非常に素晴らしいと思います。

高校生や政治のことがよく分からない人は、とりあえずこの本を読めといいたいぐらいです。(ただ若干エロあるが・・・)左よりのおばはんや政治活動ゴッコをしていたラップ好きの若者もこれなら自分たちがいかにアホな発言をしていたかが分かるでしょう。

あと、この作品のいいところは主人公加治隆介が何と言ってもカッコイイところでしょうか。序盤は弘兼マンガにありがちな世俗的な女性関係の描写がありますが、島耕作ほど下半身は緩くありません(笑)し、そして何と言っても芯がしっかりしていて、旧態依然としたシステムにポリシーを持って挑む、まさしく男が惚れる男というものが描かれているので、読んでいて全編スカッとさせられます。

島耕作シリーズはどちらかと言えば外的な力によるラッキーが事態を好転させるというのがストーリー上のテンプレートになっていますが、加治隆介の場合は父親の力には多少助けられているものの、ぶれない姿勢を貫くことにより目の前の壁をぶち壊していくところが島耕作とは違い、より面白いと思わせる部分なのでしょうか。

以上、あまり書きすぎるとネタバレになってしまうので閉めますが、かつてキムタクが政治家をやったドラマでやったシーンの最終回の長回し、これが実は元ネタ(というか参考にしたのは)はこのマンガではないのかと僕は推測しています。

それぐらい最終回は熱くなるなれるシーンがあるのですが、兎にも角にも熱いマンガが読みたい、探しているという方は是非ともこの「加治隆介の議」をオススメします。

読んだ後は若干政治家の見る目が変わると思います。

昔のマンガなので著作権上使えそうな画像があまりなかったです。
(サムネイル画像引用:講談社「コミックプラス」より)