「会長島耕作」はもう見てられない:愛するが故に言わせてもらう終了すべきマンガ(1)

島耕作

人気シリーズ最終章?「会長 島耕作」

例えば人に好きなマンガを20個挙げろと言われた時に、みなさんは何を挙げますか?

先日も週刊少年ジャンプに関する記事の時に書きましたが、マンガ歴約30年、今でも欠かさず人気漫画や雑誌をチェックしている(奥さんの影響で少女マンガも若干把握はしています)僕ですが、20個挙げろと言われればまず間違いなく「島耕作」シリーズを挙げます。

個人的な評価としては同じ作者の弘兼憲史(ひろかねけんし)先生の「加治隆介の議」(かじりゅうすけのぎ)と双璧なのですが、今回はこの「島耕作」シリーズのうち現在連載中の一つである「会長島耕作」について取り上げさせていただければと思います。(上記ならびにサムネイル画像は講談社:モーニング公式ページより引用)

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「島耕作」シリーズの面白さがまったくない

「島耕作」シリーズと言われれば、「課長島耕作」から始まり、その後正統後継作として「部長島耕作」や「取締役島耕作」などが連載されてきました。

その後「社長島耕作」を経て、現在週刊モーニングに連載中の「会長島耕作」というわけですが、最近はこの正規のシリーズの他にイブニングなどで「ヤング島耕作」や「学生島耕作」などスピンオフ的なものまで連載されていましたね。

読んだことある方ならご存知でしょうが、「島耕作」シリーズと言えば、派閥を好まず自分の信念に基づいて行動するモテ男「島耕作」のビジネスの世界での活躍や恋愛を描いてきましたが、その魅力は「課長島耕作」に始まり「部長島耕作」でも十分に堪能することができました。

「ヤング島耕作」あたりに関しては出世や競争というエッセンスが上記作品に比べると若干足りませんが、このあたりの作品にはマンガ内での伝説の経営者であり初芝創業者の吉原初太郎も出てきたりするので、「島耕作」ファンには十分楽しめる作品でしょう。

しかしながら現在の「会長島耕作」面白いですか?

ハッキリ言っちゃうと全く面白くないと思うのは僕だけでしょうが?

島耕作シリーズ一覧

  • 課長島耕作(1983年~1992年:以下モーニングで連載)
  • 部長島耕作(1992年~2002年)
  • 取締役島耕作(2002年~2005年)
  • 常務島耕作(2005年~2006年)
  • 専務島耕作(2006年~2008年)
  • 社長島耕作(2008年~2013年)
  • 会長島耕作(2013年~)
  • ヤング島耕作(2001年~2010年※途中からヤング島耕作主任編に:以下イブニングで連載)
  • 係長島耕作(2010年~2013年)
  • 学生島耕作(2014年~※現在学生島耕作就活編)
  • JK大町久美子(2017年:単発のスピンオフ作品:モーニングに掲載)

ただのビジネスマンガになっている

元々島耕作と言えば松下電器がモデルと言われる「初芝電機」の社員として広告畑で入社し、ハツシバアメリカに渡ってからは現在のパートナーの大町久美子と映画会社の買収に成功したり、その後部長となってからはワイン業界でも活躍したり、アメリカ時代の元恋人の娘(実の娘)ニャッコ(だったかな?)を音楽事務所で売り出して大ヒットを飛ばしたりと、恋愛や家族ドラマを描きつつもうまく世相とリンクさせながらも、色々な業界の内部事情や出世争いも絡めて、そのバランスは秀逸でした。

おそらく世間の男性ファン(おそらく男性ファンがほとんどでしょう)の心をつかんだのはこの辺りでしょう。同じビジネスマンとして憧れる男性像をうまく表現していた歴史に残るマンガであったことは間違いないと思います。

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しかしながら現在の「会長島耕作」はどうでしょう。出世してしまい、かつて平社員時代のような活躍を描くのは難しいことは理解できますが、全編堅苦しい業界や政界の裏話的なものがほとんどで、内容が一般市民の世界とは離れすぎているような気がします。

つまりは理想のサラリーマン像としてかつて読者の分身であった島耕作がどこか雲の上の存在になっているような気がするんです。

また島耕作と言えば、

  1. 仕事でどこかへ行く
  2. そこで偶然誰か(ほぼ女性)と出会い気に入られる
  3. 仕事上のライバルが現れ危機一髪
  4. 2の人間が実はスゴイ人間で島耕作の助けとなりライバルを倒す
  5. 出世

この王道パターンが出来上がっていて、一種の水戸黄門的なテンプレートのストーリーがよかったのですが、今はこのパターンさえも少なくなってきました。

実際はこういったエピソードもありますが、今までの島耕作というよりも昔の「ハロー張りネズミ」のような、エピソードが終わればその流れるが切れる読み切り型のストーリーに変化しています。

この理由として、登場人物がもはや普通のサラリーマンでは会わないような偉い人ばかりであったり、今までのキャストが年を取り過ぎたというのあるでしょうが、現在のマンガ「会長島耕作」には主人公島耕作を上回る魅力を発揮した、彼もあこがれの中沢部長(のちに社長になりましたが)のような爽快感のある人物がほとんど登場してきません。

どうしても島耕作を中心に描かないといけないのは理解はできますが、今までの島耕作の良さが現在の「会長島耕作」では完全に欠如していると思います。

ビジネスの世界をより濃厚に描きたいとというのは分かりますが、このマンガの最大の魅力であった等身大の人間模様を描く、というテーマがないのなら晩節を汚さないためにもこのマンガを早く終着させることを望みたいと思います。

リアルなビジネスマンガを描くなら後継者を育てることをテーマにすべき

ではどうやってこのマンガを着地させるのがベストか考えた場合、個人的には大好きなマンガなので、やはり「島耕作」自分と同じような派閥に所属しない正義感の男を陰ながら応援し出世させる、これがベストであり正統派「島耕作」シリーズの締めくくりにふさわしいと思います。

かつて「課長島耕作」の最後では中沢さんが社長になった時には、ごぼう抜きや島耕作への根回しなどでワクワク感もあり非常に面白いストーリー展開でしたが、最後の酒場の場面などは思わず涙物のすばらしいシーンでした。

マンガ内で描かれる歴代の会長たちの最後はいずれも亡くなるという展開で、出世競争が活性化しストーリーも広がりをみせましたが、まさかそういう最後はないでしょう。

ホント大好きだからこそ言わせてもらいますが、今のままの話がつづくようであれば早く終わって欲しいと思います。