「会長 島耕作」はもう見てられない:愛するが故に言わせてもらう終了すべきマンガ(1)

島耕作

人気シリーズ最終章?「会長 島耕作」

例えば人に好きなマンガを20個挙げろと言われた時に、みなさんは何を挙げますか?

先日も週刊少年ジャンプの時に書きましたが、マンガ歴約30年。今でも欠かさず人気漫画や雑誌をチェックしている(奥さんの影響もあり少女マンガも若干把握はしています)僕ですが、20個挙げろと言われればまず間違いなく「島耕作」シリーズを挙げますね。

個人的な評価としては「加治隆介の議」と双璧なのですが、今回はこの「島耕作」シリーズのうち現在連載中の一つである「会長 島耕作」について取り上げさせていただければと思います。(上記ならびにサムネイル画像は講談社:モーニング公式ページより引用)


「島耕作」シリーズの面白さがまったくない

「島耕作」シリーズと言われれば、「課長島耕作」から始まり、その後正統後継作として「部長島耕作」や「専務島耕作」などが連載されてきました。その後「社長島耕作」を経て、現在週刊モーニングに連載中の「会長島耕作」というわけですが、最近はこの正規のシリーズの他にイブニングなどで「ヤング島耕作」や「学生島耕作」などスピンオフ的なものまで連載されていましたね。

読んだことある方ならご存知でしょうが、「島耕作」シリーズと言えば、派閥を好まず自分の信念に基づいて行動するモテ男「島耕作」のビジネスの世界での活躍や恋愛を描いてきましたが、その魅力は「課長島耕作」に始まり「部長島耕作」でも十分に堪能することができましたね。「ヤング島耕作」に関しても出世や競争というエッセンスが若干足りませんが、「島耕作」ファンには十分楽しめる作品でしょう。

しかしながら現在の「会長島耕作」面白いですか?

ハッキリ言っちゃうと全く面白くないと思うのは僕だけでしょうが?

ただのビジネスマンガになっている

元々島耕作と言えば東芝がモデルと言われる「初芝電機」の社員として広告畑で入社して、ハツシバアメリカに渡って現在のパートナーの大町久美子と映画会社の買収に成功したり、その後部長となってからはワイン業界でも活躍したり、アメリカ時代の元恋人の娘(実の娘)ニャッコ(だったかな?)を音楽事務所で売り出して大ヒットを飛ばしたりと、恋愛や家族ドラマを描きつつもうまく世相とリンクさせながら、色々な業界の内部事情や出世争いも絡めて、そのバランスは秀逸でした。

おそらく世間の男性ファン(おそらく男性ファンがほとんどでしょう)の心をつかんだのはこの辺りでしょう。同じビジネスマンとして憧れる男性像をうまく表現していた歴史に残るマンガであったことは間違いないと思います。



しかしながら現在の「会長島耕作」はどうでしょう。出世してしまいかつて平社員時代のような活躍を描くのは難しいことは理解できますが、全編堅苦しい業界や政界の裏話的なものがほとんどで内容が一般市民の世界とは離れすぎているような気がしますし、かつて自分たちの分身であった島耕作がどこか雲の上の存在になっているような気がします。

また島耕作と言えば、

  1. 仕事でどこかへ行く
  2. そこで偶然誰か(ほぼ女性)と出会い気に入られる
  3. 仕事上のライバルが現れ危機一髪
  4. 2の人間が実はスゴイ人間で島耕作の助けとなりライバルを倒す
  5. 出世

このパターンが出来上がっていて、一種の水戸黄門的なテンプレートのストーリーがよかったのですが、今はこのパターンさえも少なくなってきました。(実際はありますが、今までの島耕作というよりも昔の「ハローはりねずみ」みたいな雰囲気だと思います)

登場人物が偉い人ばかりだったり、今までのキャストが年を取り過ぎたという理由もあるでしょうが、現在の島耕作には島耕作を上回る魅力を発揮した島耕作もあこがれだった中沢部長(のちに社長になりましたが)のような爽快感のある人物がほとんどいません。

どうしても島耕作を中心に描かないといけないのは理解はできますが、今までの島耕作の良さが現在の「会長島耕作」では完全に欠如していると思います。ビジネスの世界をより濃厚に描きたいとというのは分かりますが、このマンガの最大の魅力であった等身大の人間模様を描く、というテーマがないのなら晩節を汚さないためにもこのマンガを早く終着させることを望みたいと思います。

リアルなビジネスマンガを描くなら後継者を育てることをテーマにすべき

個人的には大好きなマンガなので、「島耕作」の最高の終わり方は、自分と同じような派閥に所属しない正義感の男を陰ながら応援し出世させる、これがベストであり正統派「島耕作」シリーズなのではないでしょうか。現在の連載中にも自分の後継者を育てるような場面がありますが、中沢さんが社長になった時のようなごぼう抜きや島耕作への根回しなどの場面は思わず涙物のシーンでした。どうせなら昔の島耕作を思わせる人物を登場させるのが、物語を活発化させるためには有効な手段だと思います。

ホント大好きだからこそ今のままであれば早く終わってください!