マンガ「FAIRY TAIL」少年マガジンで11年の連載が終了

FAIRY TAIL

2017年7月26日発売の週刊少年マガジン(講談社)で11年間の連載を終了したヒット作品があります。それが今回取り上げる「FAIRY TAIL(フェアリーテイル)」です。

最近の少年誌の傾向として比較的ヒット作品は連載期間が長くなる印象はありますが、この作品の11年という連載期間も、同誌には「はじめの一歩」や「金田一少年の事件簿」という長寿作品がまだありますので、わざわざ取り上げるほど目立って長い連載だったという感じはしません。

しかしながら、僕は特別コミックを集めるほどこのマンガのファンであったわけではない(と言っても面白いので毎週欠かさず読んではいましたが)のですが、今回の「FAIRY TAIL」の連載終了に関しては、少年マガジンとして一つの歴史が終了するという意味で少し感慨深いものを感じます。

スポンサーリンク 

 「FAIRY TAIL(フェアリーテイル)」とは

2006年から講談社の週刊少年マガジンに連載されていた真島ヒロ先生によるマンガ作品となります。2017年の今週の掲載をもって連載が終了しましたが、コミックスの売り上げは全世界で6000万部以上という大ヒット作品で、アニメ化やゲーム化なども行われています。

何と言ってもこのマンガの特徴的なところは、圧倒的な執筆スピードの速さで4週連続2話掲載や2週連続3話掲載(僕の記憶なんで間違ってたらスンマセン)などを行ったことがあるなど、どこかの集英社のマンガ家さんには爪の垢を煎じて飲ましてあげたいところですね。

噂ではこの速筆でありながらきっちり睡眠時間は7時間とれているという情報もありますのでいかに筆が早いかということが分かります。

マンガ家と言えばペン入れ時は二、三日徹夜は当たり前という話も聞きますので、”書くのが早くて尚且つ面白い、そして売れる”ということで、おそらくこの業界の中では化物的な存在でしょう。(ネット界隈ではゲームをするために書き溜めていた原稿を出版社の担当に見つかって無理やり掲載されたなどと面白おかしく噂されていますね)

あらすじ

魔法やドラゴンが存在する世界が舞台となりますが、そこにはたくさんの魔導士(魔法使い)達が存在し、魔法を使って依頼を引き受けるなどして日々の生計を立てています。

そのために魔導士はたちはそれぞれがギルドという組織を作って効率的に依頼を引き受けており、その中でもひときわ問題児だらけの集団が「妖精の尻尾(フェアリーテイル)」という組織となります。

そのフェアリーテイルの中でも火を食べ火を吐く異質な才能をもった滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)のナツが主人公となりますが、彼を中心として仲間たちとともに様々な敵を打ち破りながら大活躍していくというお話です。

THE王道マンガ これぞ少年マンガ!

さてここからが感想となっていきますが、実はこのブログでは「このマンガが面白い」というシリーズをやっている(誰も読んでないと思いますが勝手にやっています)ものの、残念ながらこの「FAIRY TAIL(フェアリーテイル)」は入れてません。

あくまで個人的に面白いと思っているマンガを紹介しているだけなんですが、このフェアリーテイルは別に面白くないわけではなく、実際冒頭に書いてある通り僕も毎週読んでいたので面白いと思います。

ただ突き抜けた面白さじゃなかったという感じでしょうか。

多少ジャンルや絵柄的に少し若年層向けのマンガであるということが原因なのでしょうが、やはり少しだけありがちなマンガだったかなという印象はありましたね。

設定そのものはゲームから出てきたようなジャンルですし、勧善懲悪の分かりやすいスタイル、ストーリーも途中は苦戦しながらも最後は仲間の協力があって何やかんやで最後は勝つという展開です。

大人向けの不条理な展開や交錯するそれぞれの思惑、交差しないそれぞれの正義といった複雑な話はないんですが、でも正直それがよかったと思います。

本当にですね、気持ちイイぐらい王道マンガだったんですよ。

かつて少年ジャンプのテーマとしてあったような”友情・努力・勝利”がすべて詰まったマンガであり、登場人物もほぼ死なない(誰も死なないわけではありませんが、この作品では魔法の世界ですのでどちらかと言えば消えるというような印象が強いです。)ので、10代の子供達には文句なしに楽しめるマンガだと思いますし、こういったマンガを読んで新しい作品に触れてもらいたいと思います。

それぐらい教科書通りと言える作品です。

スピンオフがいくらでもできるぐらいキャラクター設定がよくバランスがとれていた

また作品の中身に触れていきますと、主人公だけでなく、フェアリーテイルのギルドには様々なジャンルの魔導士がいてキャラ立てがしっかりと出来ていたのがよかったですね。

たまに主人公達が登場しないスピンオフ的な話もありましたが、よく登場している精霊魔導士のルーシーを中心に話を回すこともできましたし、氷の造形魔導士グレイでも話がいくらでも進めることが可能だったので如何にしっかりと魅力的なキャラクターに仕上げられていたかが分かるでしょう。

個人的にはいいマンガの条件の一つとしてこういったキャラクターの立ち具合は重要な要素だと思いますし、例えば「NARUTO」や「BLEACH」などの良さもこのあたりにあったと思います。

こういった作品は大して登場しないキャラクターでもスピンオフがしっかりと成立してしまう点で共通していると思います。

またこのマンガのよかった点は「HUNTER×HUNTER」のようにあまり主人公以外の話を引っ張り過ぎなかったところもよかった気がしますね。

「はじめの一歩」でも同じようなことが言えますが、サブのキャラクターを引っ張り過ぎたり一つのバトルを延々と引っ張り過ぎてストーリーにスピード感を失わせなかったことが全体的なテンポのよさにつながり、本線のストーリーを分かりやすくしたのではないでしょうか。

結局のところこのキャラクターをしっかり描けていたところと、そのバランス感がこのマンガの絶妙だったところでしょう。

このマンガの連載スピードの速さにしても作者が色々考えなくてもどんどんキャラクターが勝手に動いてくれるという部分が大きかったのではないでしょうか。

最後にこのマンガのような王道マンガが少年誌でも最近減りつつあるように感じます。

絵柄はある一定層にのみ受けそうなものであったり、キャラクターはいっぱい出てくるものの書き分けができていなかったり、キャラクター設定が中途半端で感情移入できないという作品もよくあります。

出版社もアンケートやインターネットの声を拾いながらいかに読者受けするマンガを作るか模索しているとは思いますが、結局のところこういった王道こそが読者をつかんで離さないための近道でありマンガ文化の集大成だと思います。

困ったらまずは王道マンガ、読者に驚きはないかもしれませんが、おそらく一番これが失敗しない、文句の出ない方法なのではないでしょうか。